QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

過去の記事詳細

QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > もう一つの中国自動車産業 「中国自動車リサイクル」②(マーケティング/高橋 幸夫)

もう一つの中国自動車産業 「中国自動車リサイクル」②(マーケティング/高橋 幸夫)

09/10/27


■中国自動車リサイクル政策
前回は、中国自動車のリサイクルについて、
お話しさせていただきまして、今回は、
その自動車リサイクル政策の一端と課題について、
お話しさせていただきたいと思います。

中国の自動車リサイクルに関連する政策は、
1980年代から既に始まっていました。
最新の法規については、2001年に、
国務院から交付された廃車回収管理法というものがあります。
そこで主な政策を、ご紹介させていただきたいと思います。

第1に、製造から15年経った自動車はいくら状態が良くても、
強制的に廃車にしなければなりません。
これは安全性や排ガス抑制、それと中古部品を再利用した、
違法な車両組み立てを防止するための措置です。

第2に、使用済み自動車解体時に指定された、
機能部品ともよぶべき5大品目を回収して、
それを全て破砕しなければならないと決められています。
これはエンジン、ステアリング装置、トランスミッション、
フレーム、車軸、アスクル、シャフトです。
これこそリサイクルですから、日本ではリビルト製品として、
流通しています。
しかしこれも排ガス抑制と違法組み立て防止という理由により、
どちらかというと後者の違法組み立て防止の意味合いが強いですが、
破砕が義務付けられています。

第3に、2002年に使用済み自動車の回収、
解体処理の実証拠点として、北京、上海、天津、
重慶、広州の5地域が指定されました。
これらの都市では、自動車リサイクルの業態整備が、
どんどん進んでいます。
この内の天津市ですが、国の動きに先駆けて、
市独自の自動車リサイクル制度の確立と、
モデルとなるリサイクル工場の建設を目指しており、
現在計画を進めています。
またこの天津市では、西南部に建設中の、
エコタウンに自動車リサイクル産業を、
集中的に誘致したいと考えています。
そこで日本の自動車リサイクル企業の進出も、
現地では期待されています。

現在、日本の経済産業省と中国国家発展改革委員会の、
支援の下で、北九州エコタウンと天津市の間で、
循環型都市間協力、エコタウン建設協力が現在行われています。
北九州市は国に環境モデル都市に指定されてから、
中国の大連とも関係を持ったりしていますし、
公害を乗り越えた地域ですから、参考になることも多いのでしょう。


■中国自動車リサイクルの将来の課題
このように始まったばかりの中国自動車リサイクルですが
、ここで将来に向けた課題を整理してみたいと思います。
第1に、中国では中古部品は流通していますが、
基本的には使用済み自動車を、
鉄などの金属原料として見なしています。
これは旺盛な鉄鋼市場が出来てきている一方で、
中古部品市場が非常に未発達であるということを、
表しています。
また、日本で重宝される機能部品も、
中国ではスクラップにしなければならないということです。
これは中古部品による違法組み立てを、
防止するという国家方針が大きく影響しているからだという、
現状があります。

第2に、使用済み自動車の回収量が少ない、
という現状があります。
特に、中古車の西流れ現象というのがありまして、
この影響が非常に大きいといえます。
東北や沿岸部の都市で発生した中古車が、
経済発展が遅れている中国内陸部で、
再び走行することはむしろいいことですが、
問題は解体処理設備が整った都市部では、
処理量が非常に少なくなって、
処理設備の未整備な中国内陸部で、
使用済み自動車が増大する、
ということになってしまっています。

一部の自動車しか適正処理されず、
内陸部に流れた使用済み自動車が、
ほとんどケアされずに処分される、
つまり放置されてしまうという事態になりかねない、
ということです。
これは単に自動車リサイクル政策の課題というよりも、
むしろ中国全体の経済発展に根差す問題ではないだろうかと思います。

最後の、第三番目として、リサイクル先進国である、
日本からの協力支援の必要性があります。
これは前回もお話をさせていただきましたが、
リサイクル先進国である日本の技術やシステムを、
中国国内需要に順応させた形で、
積極的に技術移転していくことは、
日中双方にとって大きなメリットがあるといえます。
しかし十数億の人口を抱える大国ですから、
法律で統制をとっていくというのはかなり難しいところがあるでしょう。
来年、2010年に自動車リサイクル法をしっかり確立して、
しっかりと規制していくということが必要です。
来年度以降、中国の自動車リサイクルについては、
注意深く見守りたいという部分がありますね。
最近は、日本から中国にリサイクル業者が、
中国に進出しているケースもありますから、
この分野には今後、ビジネスチャンスがおおいにありそうです。

分野: 高橋幸夫助教 |スピーカー:

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ