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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > もう一つの中国自動車産業 「中国自動車リサイクル」①(マーケティング/高橋 幸夫)

もう一つの中国自動車産業 「中国自動車リサイクル」①(マーケティング/高橋 幸夫)

09/10/26

■中国の新車販売と廃車

前回は中国の自動車産業、中古車の流通事情について、
お話しさせていただきましたが、今回は、
中国自動車のリサイクルについてです。
自動車のライフサイクルには、新車、中古車、
廃車という段階があります。
その中で、中古車の次の段階である、
廃車からリサイクルという、自動車リサイクルについて、
今回はお話しさせていただこうと思っています。

相変わらず中国は、経済の回復が早いと言われていますし、
車もよく売れています。
ご存知のように中国の新車販売台数は、
2008年度で約938万台と1千万台に迫る勢いです。
この販売台数の増加に伴って、中国国内の自動車保有台数も、
2008年度は、約5,100万台に達しようとしています。
このようなモータリゼーション進行の影で、
リサイクル市場にじわじわと廃車、
使用済み自動車が出始めている状況なのです。
我々は、新車がどれ位売れているのか、
ということにばかり目が行きがちですが、
新車へ買い替えるのですから、当然、
中古車が出てくるわけです。
そして、その中古車もいずれ廃車になります。

中国の国家統計局の調査によると、
中国国内の使用済み自動車の発生台数は、
2009年度で280万台にのぼると見られています。
そして10~11年後の2020年頃には、
500万台以上の使用済み自動車が発生すると、
予測されています。
ちなみに日本の場合は、2008年度で370万台程度と言われています。


■中国の自動車関連の法令

これからは、中国の関連法令のお話をさせていただきます。
中国では、例えば個人所有の自動車・乗用車の場合は、
使用開始から15年、商用車の場合は8年を越えた自動車は、
原則として強制的に廃棄することが義務付けられています。
そのため廃車年限が近づくと、中国公安部から、
所有者に対して通知が来まして、
ユーザーは公安部に行って廃車申請をしなければなりません。
そして自動車を政府公認の解体工場に持ち込んで、
廃車証明書を受け取り、それを公安部に再提出して、
廃車抹消が完了することで、自動車への課税が止まって、
廃車手続きが完了することになります。

これらを個人でやらなければならないので、
日本の廃車手続きと比べると非常に、
手続きが面倒なところがあります。
それでも厳しい車検を通過すれば、15年、8年、
といった期限を超えても引き続き乗ることは可能です。
しかし15年以上を越えた自動車は、
半年に1回、20年を越えた自動車は3ヵ月に1回の車検が、
法令で義務付けられています。
これは非常に厳しいですね。
このように厳しいため、廃車すべき自動車でも、
車検を受けずに、つまり廃車せずに、
違法なルートで売買し、利益を得るといった行為が、
多々見受けられます。
大都市で発生した廃車、つまり使用済み自動車が、
違法なルートで中国内陸部の農村や山間部に、
転売されるケースがあるのです。

違法取引きされた自動車は、政府公認の解体工場に、
持ち込めないわけですから、名義は、
元のユーザーのままになっています。
そのため新オーナーが事故を起こした場合、
責任追及が旧ユーザーに及んだり、
日本でも以前問題化した不法投棄や、
放置自動車問題を引き起こしていることがあります。
これは法整備、監視体制が現在確立されていないため、
起こっています。

中国の中古自動車産業には、厳しい決まりがあるのですが、
法整備がなかなか確立されていません。
このような背景の下で、中国では今、
自動車リサイクル関連の法整備を行っています。
そして来年2010年には新しい自動車リサイクル法が、
施行される予定となっています。
またこれに伴い自動車リサイクル技術の確立が、
喫緊の課題となっています。


■日本の自動車リサイクル技術移転とこれからの中国

日本での自動車リサイクルに関しては、
技術もかなり確立されておりまして、
日本政府もアジア諸国に向けて、
日本での培ってきた自動車リサイクル技術を、
移転していこうと動いています。
これから環境の意識はますます高まっていきますから、
こういった自動車リサイクルは広がっていくと思います。
中国の自動車産業を見る際に、販売台数や保有台数が、
どんどん増える現状では新車ばかりが目に付きますが、
新車が増えれば、おのずと廃車も増えていくため、
法整備も当然必要ですけれども、
やはりリサイクル技術にも目を向けて、
それを確立していかなければならないでしょう。

分野: 高橋幸夫助教 |スピーカー:

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