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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 中国の回復(財務戦略/村藤 功)

中国の回復(財務戦略/村藤 功)

09/10/23

■中国のGDPと経済回復
今回は、中国の経済の回復のお話です。
まず数字から見ていきましょう。
中国のGDPが、2008年で、
4兆4千億ドルほどです。
一方で日本のGDPが4兆9千億ドルなので、
来年には抜かれてしまうでしょう。
昔は、中国の成長と言っても、
規模が小さかったのですが、
遂に追い着かれてしまったわけです。
さらに一旦抜かれると、日本を置いて、
ずっと遠くにいってしまうだろうと思います。
追い着いたといっても、1人当たりGDPでは、
日本の10分の1程度です。
日本の10倍の人口がいるため、
一人当たりが10分の1でも追い着いたのです。
しかしこれから一人当たりGDPが、
日本の5分の1、3分の1となってくると、
中国のGDPは日本の2倍、3倍と、
どんどん大きくなって、アメリカにも追い着くことになります。

2009年に入って、1月から3月期のGDPの成長率は
6%ほどでした。
これまでずっと2桁成長でしたから、
6.1%だと少し低いと感じます。
それでも第2クオーターで成長率は、
7.9%まできました。
なんとか目標としている8%を、
今年達成したいと考えているようです。

政府の経済対策は、ある程度は上手くいきました。
しかしそれだけで出来ることには限界があります。
例えば、公共投資で、鉄道や高速道路、
空港などを建設する。
これらはもちろん政府からの支出で実現します。
それから、個人消費も、農村の農民が、
家電や自動車を買えるように、
補助金を10%~13%出したので、
それなりに購入は進んだようです。
しかし、輸出は政府ではどうしようもありません。
海外が回復して買ってくれないことには、
輸出が回復するわけがないのです。
とりあえず自分で何とかできる内需を強化しよう、
ということで、頑張っています。
しかし元々は輸出で稼いでいた部分が大きいので、
輸出が全然回復していない、
現在の状況では厳しさがあります。
自国内だけで成長する余地はありますが、
やはり海外がある程度回復してくれないと、
中国だけで高成長は難しいということです。


■中国の外貨準備と資源獲得の問題
中国は改革開放以来30年間、
ずっと高成長を続け輸出で頑張ってきたため、
中国は外貨準備を、日本の2倍の、
2兆ドル以上持っているという状況です。
一番たくさん持っているのはアメリカ国債です。
しかしアメリカ国債だけ持っていても、
アメリカの今後に不安があるため、
資源を買い始めています。

これから日本を抜いて、
アメリカに追いつこうとする時に、
中国の資源だけでは足りないため、
中国の外から買って、プロセスしてから、
中国外に売ろうとしています。
しかしその資源を購入できるのか、
という問題が出てきています。
10年ほど前には、世界の資源の、
10%ほどを買っていれば、
高成長を続けられるという状況でした。
しかし10年間、10%成長を続けてきたので、
世界資源の30%ほどを使わないと、
今の成長を続けられなくなってきたのです。
既に買えるところからは買っていますので、
どうにもならない状況になってきつつあります。
既にアメリカ、ヨーロッパ、日本が、
主要な資源国を確保していたため、
誰も買わないようなアフリカや南米など、
辺鄙なところに出掛けて行って、
全てくださいと買っていきました。
それでも、モノには限界があるため、
資源の購入が難しくなってきています。
それがボトルネックになってきているという状況です。


■国際枠組みと中国の国際政治
少し前まで温暖化対策は先進国の話で、
中国は発展途上国だから関係ない、
と京都議定書には全く参加しませんでした。
経済が大きくなったのですから、
今年の年末のコペンハーゲン会議では、
中国も参加して色々とやって欲しいですね。

このような国際的な枠組みを作る時に、
誰が合意すれば実現できるのかということが、
変わってきつつあります。
昔はG7やG8でしたが、それが今では、
G14、G20と枠を広げて中国をはじめとする、
BRICSなどを入れた枠組みでなければ、
無理だということになってきました。
その一方で、G2というものがあります。
G2とは、簡単にいうとアメリカと中国の、
スーパーパワーで全てを決めるという話です。中
国が日本に追い着いて、抜き去り、
日本との差が離れていく状況になると、
G2が段々と笑い話ではなくなります。

その時日本は、どちらと親しくするのか、
ということが問題となります。
実は最近中国が日本の取り込みを考えている、
という説があるのです。
政権が民主党に変わったので、
民主党に是非中国と親しくしてもらおうということで、
日中韓の首脳会談が行われました。
また胡錦濤主席と鳩山総理が、
ニューヨークで会談を行いましたし、
温家宝首相とも北京で会談しました。
しかし鳩山総理は、やはり日本の外交のベースは、
日米関係だと言ったため、胡錦濤主席も、
懸念しているようですね。
胡錦濤主席としては、中国をリーダーとして、
日本を含むアジア対アメリカという枠組みで、
これからの世界を動かしていきたいということのようです。

実は胡錦濤主席も、あと3年ほどで、
交替となります。
今年で1949年の建国から60周年です。
この60周年を仕切っている、習近平さんという副主席と、
李克強さんという副首相がいます。
この2人が第五世代リーダーとして、
習近平副主席が国家主席に、李克強副首相が首相になる、
という説が、最近まことしやかに語られています。
三年後に、中国の世代交替がうまくいくかどうか、
注目していきましょう。

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