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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 中国の「家電下郷」から「以旧換新」へ (中国経済と産業/国吉澄夫)

中国の「家電下郷」から「以旧換新」へ (中国経済と産業/国吉澄夫)

09/10/07

■中国の景気回復がアジアを牽引

世界的な不況の中、中国の4兆元(57兆円)景気刺激策は、
中国の内需喚起をすると共に、日本経済のみならず、
台湾や東南アジアの景気回復をも牽引していると言われています。
しかし、一方で、貸出資金が、不動産や株に集中することで、
バブルの様相を示しているとの危険も指摘され、政府主導のインフラ投資が
民間投資の成長を促していないという懸念も出ています。

さて、今日は以前、このコーナーでもお話した中国の景気刺激策の一環としての、
農村住民に対する「家電を農村に」(家電下郷)に続いて、
都市住民に対する「家電買換補助政策」(以旧換新=古きをもって新しきに替える)
が登場したことをお話します。
これまでの「家電を農村へ」政策は、一昨年2007年末から
中国の一部で行われた農村購買力向上運動を、
昨年、今年にかけて全国展開とし、且つ扱い範囲も拡大することで、
農村購買力を大きく拡大したものです。
こういうとおしかりを受けるかも知れませんが、
少し前に始まった日本の家電「エコポイント制」という景気刺激策も、
何か、中国のやり方に触発されて日本でも始めたような印象も受けます。

■家電買換補助政策=以旧換新

さて、最近、中国では、さらに都市住民を対象にした、
家電販売景気刺激策が登場してきました。
それは、「家電以旧換新」と言われる「家電買換補助政策」ですが、
文字通り訳せば「古きをもって新しきに替える」という意味になります。
6月28日に政府7部門から「家電買換実施弁法」という法律が公布され、
8月に北京、上海で始まり、9月に広州で実施され、
順次9つの省・市で実施されるようです。
また、この法は時限立法で、来年5月末まで、
家電500万台、250億元(3.75兆円)の内需を
促進しようとのねらいだといわれています。
対象製品は、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、パソコン、テレビに限って、
家庭で使っている古いものを指定の回収業者に持ち込めば、
「回収証明書」を発行してもらい、それを持って指定の販売店に行けば、
製品の10%の値引きがしてもらえる仕組みです。
但し、製品毎に補助金の上限が設けてあり、テレビやパソコンなど
高価なものは400元(約5500円)が限度となっています。
なお、蘇寧電器などの量販店、TCL、長虹などの家電メーカーは
販売店と回収業者の双方の指定を受けているので、
同じ場所で中古品の持込と新品の購入が出来る仕組みとなっています。

■まだまだ硬い都市住民の財布のヒモ

中国の都市住民に対するこうした購買促進政策の背景には、
中国政府が現在推進している景気刺激策によっても、
まだまだ政府投資が民間投資を牽引するに至っていない現状があり、
また、外需つまり輸出の回復もまだまだ不十分であることから、
内需拡大を継続する一環として、都市住民の消費を促そう
とのねらいがあるものと思われます。
しかし、現実には、最近の中国の銀行調査に拠ると、
47%の都市住民は「もっと貯蓄する」と答え、
片や、「もっと消費する」と答えた人は15.1%に留まっており、
史上最低を示していると言われます。
政府によるインフラ投資は非常に進んでいるのですが、
個人消費のレベルまでは達しておらず、目の前の不況に対して、
中国の都市住民の財布のヒモはまだまだ硬いようです。
今回の措置はそうした状況に対し、なんとか、
消費を喚起しようとする政策の一環と思われます。

分野: 国吉澄夫教授 |スピーカー:

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