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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > UNESCOによる産学連携e-ラーニング・コースの開発(2) (産学連携/高田仁)

UNESCOによる産学連携e-ラーニング・コースの開発(2) (産学連携/高田仁)

09/09/01

昨年11月のジョクジャカルタでの会議で、
私は「技術移転オフィスやビジネスインキュベーションセンターを
どのようにして設置すべきか」というテーマで
遠隔講義を行うことが決定しました。

そのために、今年に入って資料作成を進め、
実際に7月末に遠隔講義を行いました。
ちなみに、コース全体の案内や各講師による講義資料は、
UNESCO e-ラーニングのホームページ(http://e-learning.dikti.go.id/unesco/)に
掲載されているので、興味がある方は見てください。

さて、実際の遠隔講義だが、予めパワーポイントの資料と
ワードで作成した講義メモを事務局に送付しておき、
当日は九大とSOI Asiaのインフラを有している
慶応大学をポリコムのTV会議システムでつなぎ、
慶応大学から衛星を使ってアジア各国に講義を配信しました。

個人的には、数年前にアメリカのスタンフォード大学に対して
遠隔講義を行った経験もあるので、なんとなくイメージは持てていましたが、
実際には途中で音声が途切れたり、画面が見えなくなったりと、
少し慌てる場面もありましたが、なんどか2時間の講義を
無事終了させることが出来ました。

オーディエンスからのいくつかの質問、例えば、
「大学で生まれた知的財産をどのように評価するのか?
良い技術を見極めるにはどうすれば良いのか?」
といった質問が寄せられたり、途中で活発なやり取りも行われました。

オーディエンスは、インドネシアやフィリピン、
オーストラリアなどにまたがっており、
UNESCO事務局も最終的に何人が受講したのかは
正確に把握しきれないとのことです。
講義を行う側としては、相手がだれで、
どんな顔をして話を聞いているかがわからないので、
その点は非常にやりづらいものです。

最も困ったのは、質問者の英語が訛っていて
衛星回線経由では非常に聞き取りづらい場合もあったことです。
直接面と向かっていれば、相手の顔を見ながら理解度を判断し、
場合によってはホワイトボードなどを使いながら説明も出来るのですが、
遠隔講義ではそれも難しいのです。
最終的に、質問をメールで受け付けて、
回答することになりました。

産学連携にかんする基礎知識がそもそもほとんど無い状態で、
講義も遠隔でおこなうことでどれほどの教育効果があるのか、
内心不安ではありましたが、講義終了後1週間以内に、
受講した人たちから何通かのe-メールを受け取り、
中には「大学の技術移転の専門家になりたい」という熱心な受講者もおり、
第一弾としてはある程度こちらの意図が伝わったのではないかと思います。

アジア各国は、民間セクターの研究開発力が
そもそも高いレベルに達していないため、
産学連携も先進国で行うのと同じ方法ではうまく行かないでしょう。
各大学で、知的財産のマネジメントやコーディネーションを行う体制を徐々に創りつつ、
当面は大学教員による民間への技術指導などによって、
産と学とがコミュニケーションを活発にし、
それをいずれは共同研究や知財のライセンスに結びつけるような、
段階を経る考え方が必要でしょう。

アジア各国の大学で多くの産学連携関係者が活躍する時代が来れば、
それは、その国の産業が高度化し経済が活性化しているということを意味します。
そのような日が早く訪れることを望みます。

分野: 高田仁准教授 |スピーカー:

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