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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 中国人の海外旅行者増加と世界各国の誘致作戦本格化(国際企業戦略論/永池 克明)

中国人の海外旅行者増加と世界各国の誘致作戦本格化(国際企業戦略論/永池 克明)

09/09/16

■ 1.家電量販店の中国人旅行客獲得作戦本格化

日本の家電量販店は目下中国人旅行客の
獲得に躍起になっています。
ラオックスが携帯電話貸し出しを開始、
ヨドバシカメラはインターネットに
中国語の通販サイトを開きました。
中国の富裕層を対象に日本への個人旅行ビザが7月に解禁されたことで、
中国人旅行者が増えることを見越した囲い込み作戦です。
来店した中国人客がスムーズに買い物できるように
店内の案内も中国語で始めました。
ヨドバシカメラは今春には約20人の中国人留学生を新卒採用し、
主力店に配置しました。
また、都心にある量販店のほとんどは、
中国の銀行が発行するキャッシュカード(銀聯、ぎんれん)での
支払いを受け付けています。

■ 2.中国人の海外旅行者の動向(9年間で5倍)
  
外国旅行に出かける中国人が急ピッチで増えている。
1999年に923万人だった出国者数は2008年には4584万人まで膨らみました。
9年間で実に5倍に増えたことになります。
世界的にみても異例の伸びです。
日本の観光庁の「出国旅行者数国際ランキング(06年)」では
既にドイツ、英国、米国、ポーランドに次ぎ世界5位となっています。
日本は1753万人であり、これをはるかに上回っています。
ただし、この数字にはカラクリがあります。
実は中国の出国者数には国内の特別行政区である
香港、マカオへの旅行者が含まれています。
これが合計すると2423万人で出国者全体の約7割を占めています。
残る3割、つまり1029万人を実質的な外国旅行者と見るべきでしょう。
これは先のランキングで見ると20位前後であり、
外国旅行大国とは呼べないでしょう。
しかし、その増加スピードでいえば、
国際観光市場で中国人旅行者の存在感が
大幅に高まっていることは間違いありません。
中国人旅行者の訪問先は香港が第1位、マカオが2位。
3位は日本、4位は韓国、5位はベトナムです。
以下はロシア、タイ、米国、シンガポール、マレーシアの順となっています。

■ 3.規制緩和と経済成長出で海外旅行熱高まる

旅行者増加の引き金は規制緩和です。
1983年香港、マカオへの親族訪問が解禁となり、
97年には親族訪問ではない団体観光旅行が解禁されました。
98年韓国、99年オーストラリア、ニュージーランド、2000年日本、ベトナム。
03年ドイツ、インド、04年フランス、イタリアなどとなっています。
08年米国などが解禁され、富裕層の増加も見逃せません。
中国の1人当たりGDPは08年3266ドルで
日米欧先進国の10分の1に過ぎません。
しかし、中国では所得格差が大きいため、
外国旅行を楽しめる富裕層もかなりの数に達しています。
所得階層で上位10%だけに限っても
その人口は1億3千万人に達します。
今回の世界的金融危機後、先進国は大きく落ち込んだが
中国はさほどでもなく成長を持続しています。
不況に苦しむ世界各国の政府や観光産業は
中国人旅行者の誘致に本腰を入れるようになりました。
たとえば、日本政府は7月1日から中国人観光客に対して
個人観光ビザの発給を始めました。
これまでは団体又は家族単位でなければ
ビザを申請できませんでしたが、
今後は個人でも日本への観光ビザを取得できることになります。
ただし、この1年間は試験期間とし、申請できる都市も
北京、上海、広州の3都市に限定されています。
申請するには年収25万元(約350万円)以上であることが必要です。
中国人観光客は今後、年を追うごとに増加することは確実であり、
世界各国の間で争奪戦が激化するでしょう。
彼らを積極的受け入れることは
日本の観光産業の活性化に役立つだけでなく、
日中間の草の根レベルでの相互理解の増進にも役立つと考えられます。

分野: 永池克明教授 |スピーカー:

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