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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 日本パッケージ・グッズ・メーカーの海外進出 ① (マーケティング/出頭則行)

日本パッケージ・グッズ・メーカーの海外進出 ① (マーケティング/出頭則行)

09/09/14

先日、ハラル食品関係の調査でマレーシアに行ってきました。
ハラル食品とはイスラム教適合食品を意味しますが、今日は深く立ち入りません。

マレーシアの首都クアラルンプール、世界遺産都市マラッカを歩くと、
日本の技術で作られた乗用車や二輪車が街中を走っています。
電気屋さんに足を踏み入れれば、日本製のデジカメ、TV、
オーディオ製品がショーウィンドウを飾っています。
次に、地元のスーパーマーケットを見てみましょう。
日本のスーパーと同じで、色とりどりの生鮮食品がところ狭しと並んでいます。
日用品コーナーに歩を進めてみます。
シャンプー、リンス、スキンケア商品、歯磨き剤、衣料洗剤などの
日本製商品はここでは一等地とは言い難い陳列棚に
肩身がせまそうに配置されており、欧米系の商品に圧倒されています。
加工食品・飲料のコーナーに行ってみましょう。
ここでも日本の商品の存在感は極めて希薄です。
欧米系の商品が王者の風格で陳列棚を陣取っています。
シャンプー、リンス、スキンケア商品、歯磨き剤、洗剤、加工食品・飲料は
マーケティングの世界ではパッケージ・グッズと言われています。
袋にしろ、箱にしろ、瓶詰にしろ、パッケージに入って商品名が
付けられて店頭にならぶ商品はパッケージ・グッズです。
横文字好きのマーケターはFMCG-Fast Moving Consumer Goods、
回転の速い消費材、とも言っています。

日本企業の海外進出に関して言えば、
自動車、TV、デジカメといった耐久消費財に比べて、
パッケージ・グッズは余り威勢が良いとは言えません。
それはなぜなのでしょうか?
この頃プロダクト・アウト、マーケット・インということがよく言われます。
極簡単に言えば、プロダクト・アウトとは自社の技術を売り物に商品化すること、
マーケット・インは市場のニーズに合わせて商品化することです。
どんな商品も自社の技術と市場のニーズの出会いから生まれるわけですから、
完全なプロダクト・アウトの商品、完全なマーケット・インの商品はありませんが、
プロダクト・アウト的な商品、マーケット・イン的な商品はあります。
自動車やTVはどちらかといえばプロダクト・アウト的な商品です。
なぜなら、自動車に人が求めるのは走行性、快適性、安全性であり、
TVに求めるものは画像の鮮明さ、音の迫力、設置のしやすさなどで、
これらは昔からそうでしたし、これからも同じです。
すなわち、人々のニーズは安定しており、
これらのニーズに技術で応えるという意味で、
自動車やTVはプロダクト・アウト的な商品です。
一方、シャンプー、リンス、スキンケア商品、即席麺、缶入り飲料などの
パッケージ・グッズはもちろん技術の要素はありますが、
人々の刻々と移り変わる好みに応えるものですから、マーケット・イン的商品と言えます。

日本企業の海外進出では、プロダクト・アウト型の耐久消費財が
マーケット・イン型のパッケージ・グッズに先行しました。
それは例えば、トヨタ、ホンダ、ソニーと花王、味の素、サントリーの
海外売上比率を見れば明らかです。
しかし、パッケージ・グッズ・メーカーはうかうかとしていられません。
少子高齢化、人口の減少で、国内市場の頭打ちは目に見えているからです。
キリンとサントリーの統合計画も海外事業で飛躍が大きな要素となっています。
なぜ、マーケット・イン型のパッケージ・グッズの海外進出が出遅れているのか、
明日お話しすることにします。

分野: 出頭則行教授 |スピーカー:

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