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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 政権交代(財務戦略/村藤 功)

政権交代(財務戦略/村藤 功)

09/09/11

■二大政党の誕生
今回は政権交代ということで、衆議院選挙を振り返りながら、
今後の動向についてお話しさせて頂きたいと思います。

まず、申し上げたいことは、日本がこの選挙により、
遂に二大政党が国民の選択によって、
政権を交代する時代に入ったということです。
去年ごろまでは、日本はまだ二大政党と、
いえるような状況ではない感じでした。
4年前の郵政解散選挙までは、自民対民主が、
300対100という議席の状況だったのです。
それが今回完全にひっくり返り、民主党が、
多数派となり政権を握りました。
しかも過半数だけでなく、絶対安定多数という、
衆議院の委員会の委員長だけでなく、
委員会の過半数まで取ってしまったので、
これから民主党が作る法律が、
続々と出てくることになるでしょう。
ただ、参議院では民主党は単独過半数ではありません。
それが少し問題です。
ここで過半数を取るためには、
社民党や国民新党と協力しなければならないので、
連携のための話し合いをしているようですが、
党によって考えが随分と違うようです。
特に外交や、安全保障政策で考え方が、
全く違う人たちです。
正直なことを言えば、支持されていない、
少数政党の言うことを聞いていると、
民主党の軸がぶれていくという懸念が少しありますね。

今のところ、民主党は低姿勢で、他の2党に、
合わせている印象を受けます。
これは来年の夏に参議院選挙があるためです。
この参議院選挙は、小沢氏が幹事長として、
担当することになったようです。
もしその選挙で過半数を取れれば、
他の党の力を借りなくてすみます。
しかしとりあえずこれから1年間は、
この体制で進むことにならざるを得ないでしょう。


■今後の手続き
まず9月16日に特別国会召集があります。
特別国会を召集すると、16日から19日までの、
4日間で首相指名選挙が行われます。
そこで鳩山代表が第93代の首相となり、
その後、社民・国民新党との連立政権が、
発足される予定です。
首相に選出されると、首相は閣僚人事をしなければなりません。
新内閣では、発足してから国会議員のままで、
大臣補佐官として100人ほどの議員を政府入りさせ、
政治的調整や根回しをさせる予定です。

民主党の政権公約、マニフェストでは、
先に述べたように100人の議員を、
政府入りさせることになっています。
また国家戦略局という局を作り、
国家戦略局担当大臣を置くことになる予定です。
しかしそのためには法制度を整備しなければなりません。
また、官僚と一緒に働こうとすれば、
仕事の中身を知らなければなりません。
政治家は実際に現場に入って仕事をし、
中身がわかった上で官僚を使いこなしてほしいと思います。

官僚の側は、決まった法制度の下で、
それを実行する役割を担っています。
一方、法律の改正を含めた広い視野で、
政策の選択肢を考えることは政治家でなければできません。
これから政治家が、現場も含めて、
政治を実行していくことはいいことですし、
官僚も思っているほど民主党を無視できなくなると思います。

官僚は、これまでずっと自民党とくっ付いてきて、
民主党を無視しがちでしたが、実際に、
これからの4年は民主党の政権が、
続きそうだということになれば、
民主党と一緒にやらざるを得ないので、
民主党にすり寄ってくることになるでしょう。
自民党が強かった理由の1つは政権与党だったために、
皆がすり寄ってくるというところにもありました。
そのため各業界を代表するような議員の方々が出てきて、
様々なことをお願いして代弁してもらっていたのです。
これからは、様々な人が自民党ではなく、
民主党にすり寄ってきて色々なことを、
お願いしていくのだろうと思います。


■民主党の経済対策
高速道路を無料化するのは結構なことです。
しかし現在約30兆円の高速道路関係の、
有利子負債があります。
一方で、高速道路6社で2兆3千億ほどの、
料金収入あります。
この料金収入がなくなるということは、
有利子負債の返済をどのようにするかが、
問題となるということです。
そこで約30兆円の借入を一般会計に付け替えて、
毎年返済していこうという話になっています。
しかしそれでなくとも国の有利子負債は、
過剰にあるため高速道路の有利子負債を、
さらに増やして本当に返せるのかは疑問が残ります。

民主党にとって最大の問題は、政権を引き継いだ段階で、
政府の財務がかなり滅茶苦茶になっているということです。
これから更に大きな政府を作っていこうとすると、
財政再建どころか財政が悪化してくるでしょう。
これが一番危惧されるところです。


■民主党の今後と構造改革
民主党、国民新党、社民党の三党は、
選挙前に共通の政策を一応決めていました。
選挙後もまた色々と話し合いはしています。
その中で郵政民営化の見直し、消費税を、
すぐには引き上げない、子供手当てを作る、
それから登録型派遣や製造業派遣を禁止する、
ということで合意はしています。
しかし外交などで元々の意見が全く違うため、
合意ができるのか、若干の怪しさが残ります。

ここで、私が1つ言いたいのは、小泉元総理の、
構造改革が悪かったわけではないということです。
何か小泉元総理の構造改革が悪かったから、
格差をはじめとして世の中が悪くなった、
という論調が見受けられます。
しかし、問題の本質は別のところにあります。
問題は構造改革を始めた小泉元総理が途中で投げ出して、
その後しっかりやらなかったことにあるのです。
そのため結局、構造改革はほとんど行われていないわけです。
小泉元総理は官業を民間に移転するという話を、
言ってすぐに辞めてしまいました。
世間でよく、ほとんど起こってもいない「構造改革」を、
悪かったと批判することは全く意味のないことです。

今回の選挙でも、郵政民営化反対の国民新党の、
綿貫氏や亀井幹事長などは落選しました。
自民等の野田聖子も小選挙区では落ちて、
やっと比例でカムバックしてきたわけです。
国民は4年前に郵政の民営化に賛成しました。
財政投融資の縮小や構造改革が駄目だと、
国民が言っているわけではありません。
私は、小さな政府にしなければ財政再建や、
日本の復活は成し遂げられないと思っています。

実は今回の選挙で、自民・民主ともに、
中くらいの政府だとか大きな政府といっていたので、
困ったのですが、自民党に本当にうんざりしていたため、
一回政権を運営してみなさいということで、
みな民主党に投票したのだと思います。
しかしそれは構造改革が駄目だと言った訳ではないのです。
そこを勘違いして欲しくはないですね。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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