QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

過去の記事詳細

QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 日本の対インド直接投資の急増とインフラ関連で原発受注 (国際企業戦略論/永池 克明)

日本の対インド直接投資の急増とインフラ関連で原発受注 (国際企業戦略論/永池 克明)

09/09/09

■ 1.インドが初めて中国を抜く(2008年度:日本の直接投資額)

日本企業のアジア向け直接投資で2008年度はインドが初めて
中国を抜いて最大の投資国となりました。
内需拡大への期待からインド進出が加速する一方、
中国は大型投資が一巡しました。
財務省の国際収支統計によれば、
2008年度の直接投資はインド向けが8090億円、中国向けが6793億円でした。
2007年度ではインド向け1890億円、
中国向け7015億円で大差で中国がインドを上回っていました。
インド向け直接投資急増の原因は、
M&Aなど大型の投資が相次いだためです。
対インド投資を先導してきた自動車産業に加えて
多彩な業界でのインド進出が目立っています。
*日産自動車:2010年から小型乗用車を生産、全世界に輸出
*第一三共:昨年11月にインドの製薬最大手ランバクシー・ラボラトリーズを買収
*NTTドコモ:今年3月、携帯電話サービス大手タタ・テレサービシズに26%出資
*野村グループ:今年、生保最大手傘下の資産運用会社へ出資
*イオンの金融子会社:2011年度メドに家電や家具の割賦事業で進出発表
*ユニチャームやピジョン:育児用品や日用品販売拡大

■ 2.インフラ不足がネック:原子力発電で日米連合が受注攻勢を加速

インドが有望な投資先であり続けられるかどうかは
インフラ整備(慢性的な電力不足、遅れている物流網等)にかかっています。
インドはその一環として原子力発電設備の急拡大を推進しています。
インドのシン首相は7月20日にクリントン米国務長官と会談し、
インド国内2つの州の原子力発電所建設を
米国企業に発注すると発表しました。
この背景には昨年発効した米印原子力協定によって
原発輸出が可能となったことがあります。
総工費は100億米ドル(約9400億円)に達するとみられています。
今後20年間で1000億ドルに達するとされるインド原発市場への
参入を狙う米国産業界を後押しする米国政府と、
貧困層の生活改善や外国企業誘致にネックとなる
電力不足を解消したいインド政府の両者の利害が一致し、
日本企業ともかかわりが深い米国勢のインド進出に弾みがつきました。
今回受注するのは、東芝傘下のウエスチングハウス(WH)と
米国GEと日立製作所の合弁会社(GE日立ニュークリア・エナジー)が
それぞれ受注する見込みです。
これまで先行しているフランス・ロシア企業を急追しています。
昨年12月ロシアのメドベージェフ大統領が訪印し、
ロシア国営原発大手ロスアトムがインド南部に軽水炉4基を増設します。
フランスも原発大手のアレバが2月インド西部に
欧州加圧水型炉2基を設置します。
インドは原発の発電能力を2032年までに
現在の15倍の6300万キロワットに増やす計画であり、
新設予定の原発は2020年までだけで25~30基に達しています。
インドをはじめ中国等、BRICs諸国やベトナム等の新興諸国は
今後、生活水準の向上、外国資本の誘致、
国内産業強化のためインフラの充実は不可欠であり、
日本にとっても大きなビジネスチャンスが開けるでしょう。

分野: 永池克明教授 |スピーカー:

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ