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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 九州の自治体(財務戦略/村藤 功)

九州の自治体(財務戦略/村藤 功)

09/09/04

■自治体の財政

今回は九州の自治体の近況についてお話しさせていただきます。
地方経済はかなり悪化していて地方の財政は、
かなり厳しくなっています。
しかし、あと10年ほどすると、そもそも都道府県や、
市町村を道州や基礎自治体にしようと、
自民党・民主党が主張しています。
そのため財政が厳しい自治体は、道州制の導入で、
それをうやむやにできるのではと、
期待を抱いている自治体もあるのではという疑惑もあります。

また公務員の削減についてですが、国家公務員は、
10年で5%程度となっていますが、九州の各県では、
既に公務員を2割ほど削減しています。
そのため国家公務員よりも大変な状況です。
そもそも自治体はバランスシートを作っておらず、
複式簿記や発生主義を採用していないので、
財務の実態はよく分かりませんが、予算が作れない、
という形で苦しくなっているようです。

特に、苦しいと言い始めたのが、佐賀県の古川知事、
長崎県の金子知事などです。
一方で福岡、熊本、鹿児島は大丈夫なのかということです。
福岡、熊本、鹿児島は、それなりに経済も発展していて、
工場を誘致するとそれなりに企業が集まりましたし、
公共投資も新幹線を通したり、福岡のアイランドシティーや、
鹿児島湾の埋め立て人工島というような、
プロジェクトもあったりしました。
しかしこれらは、やればやるほどお金もかかるということで、
借入れも結構大きいのです。

工業団地を造って企業を誘致することも多いのですが、
今は世界的な同時不況の最中ですから、
造っても売れるかどうか分からない状況になってきています。
造り始めた時は、世界同時危機を想定していなかったのです。
ところが、造ってみると、本当に工場や生産能力を、
増やす必要があるのかという話になってきて、
自治体としてはちょっと困ってきています。


■福岡県の現状
福岡県の県債の残高は、2兆6千億円です。
他県では、熊本で1兆円、鹿児島で1兆6千億円ほどです。
ちょうど熊本と鹿児島を合わせた位の県債が、
福岡県にあるわけです。
福岡市の方も2兆5千億円ほどあるので、
5兆円ほどが福岡県と福岡市の合計である計算です。
この数字を見ると、福岡には借入れが多過ぎるという状況で、
収入はなかなか増えないわりに、払う方は、
社会保障費や、自治体からすると義務的経費という、
法的義務に従って払わなければならない経費が、
どんどん増えていく状況です。
少子高齢化で仕方ない面もありますが。

そのため、福岡県では、2年ほど前に、「行政改革大綱」、
あるいは「新財政構造改革プラン」などを作って、
職員数を平成19年度から23年度にかけて、
2,500人削減して450億円をそこから捻出するとか、
あるいは新規事業を見直して、事務を外部委託する形で、
840億円を稼ぐ、などの課題に取り組んでいます。

■一つの九州と福岡
あと10年で、道州制や基礎自治体の導入が現実となる、
という話になってきています。
そのため福岡県としてはリーダーシップを、
とらなければならない状況にきています。
他の県を全て合併し、県が行っていることをまとめて九州でやる、
というだけでは芸がありません。
もし、福岡県が中心となるとすれば、これから九州が、
日本より成長する、アジアの成長を取り込む、
といったことを考えなければなりません。
福岡が中心になったら一体どのように、
それが出来るのかということを考える時です。

そもそも海外との関係を考えると、やはり福岡が重要です。
福岡空港、博多港があり、空からも海からも、
九州の海外との関係の8割ほどが福岡空港や、
博多港に集中しています。
そのため福岡を中心とした様々な企画を考えた上で、
九州の将来を見据えるようにすることがまず必要です。

九州の中をどうするのか、という話だけでは、
福岡、熊本、鹿児島で、内輪もめの喧嘩をするだけです。
それよりは外を見て、アジアで成長するには、
どうすればいいのかという話をした方がいいですね。
そして外国と関係しているものの8割は福岡ですから、
やはり福岡が中心となって、道州制のビジョンを、
作らなければならないと思います。

普通に考えると、例えば大分県や宮崎県は観光地です。
大分県は湯布院や別府の温泉に、とり天、だご汁、
やせうま、これらの美味しいものがあります。
宮崎県も神様が降りてきた天孫降臨の観光地です。
そんないい場所ならば、アジアの各国の人にもお越し頂いて、
温泉に入ってもらって、東国原知事に、
外国人向けに挨拶してもらえばいいかもしれません。

またインフラの整備でも、九州新幹線が2011年4月に、
全線開通しますし、九州が1つになるチャンスは、
今なのだと思います。
私どもQBSは、宮崎県から来るのは少し苦しいかもしれませんが、
鹿児島、熊本からだったら来ることも可能でしょう。
九州や東北アジアの成長を支える幹部候補生を輩出するために、
皆さんに参加してもらって、東北アジアの成長を、
九州の成長に取り込んでいきたいと考えています。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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