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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > もう1つの中国自動車産業動向「中国中古車事情」②(マーケティング/高橋幸夫)

もう1つの中国自動車産業動向「中国中古車事情」②(マーケティング/高橋幸夫)

09/09/03

昨日から、中国の中古車事情についてお話していまして、
一見便利そうに見えますが、交易市場を利用せずに
中古車の売買を行いたいユーザーにとっては、
今の中国の仕組みは非常に不便だ
というお話しをさせていただきました。


■「非効率的な」形態を採用している理由①

今回は、このような、いかにも「非効率的な」形態を
採用している理由をお話していきたいと思います。
1つの理由として考えられるのは、
名義変更を確実にさせるためです。
政府は、ユーザーに対する徴税や規制を
確実なものとするために、そのベースとなる、
所有者の把握を目指したいという意図が見て取れます。
このことから、中古車交易市場に取引を限定させ、
その名義変更を併設の変更所に限定させているのです。


■「非効率的な」形態を採用している理由②

もう1つの理由としては、
査定や品質に関する問題が挙げられます。
中国ではまだ整備が行き届いていないケースが多く、
結果的に買い手が故障などで
不利益を被るケースが多いとのことです。
売り手と買い手の間に「情報の非対称性」が発生し、
「レモン(不良品)」をつかまされることにもなります。
このため、中古車交易市場は
査定専門員の配置を義務づけています。
ユーザー保護という立場からみれば、
中古車交易市場存在の積極的理由はあるといえます。


■過渡期のシステム

しかし、まだ北京市、上海市をはじめとした
大都市においても、中心部の渋滞がひどいとはいえ、
人口や所得水準の向上を考えれば
本格的な自動車の普及はまだまだです。
このため,現在中古車として取引されるのは
北京市内で、年間約30万台、
上海市内で約20万台程度と言われています。
今後の中古車の大量発生を迎えたとき、
「非効率な」中古車取引システムは
変更を余儀なくされるのではないかと思います。


■外資の参入

一方で、2005年10月から中古車事業が、
外資に対して開放されています。
これに伴い、既に見たような独特のシステムではなく、
日本国内での「中古車取引」の形態に近いシステムも
存在するようになってきました。
中国の合弁企業の中には、
日系自動車メーカーなどの新車ディーラー網を活用して
中古車事業に進出している企業も存在します。

中国政府はある一定の基準を満たす
新車ディーラーに対して中古車取引を許可しています。
中古車の取り扱いが可能になることで、
ディーラーにとっては新車販売の向上を
見込むことができます。
下取りをすることで、新たな買い換えユーザーの獲得が
可能になるからです。
同時に、下取りをした中古車を整備して
「認定中古車」というブランド化をすれば、
新車のブランドイメージを傷つけることはなくなります。

中国では、日本で多く見られるような新車販売・
補修部品販売・修理工場(3S)を備えた
新車ディーラーが多くありません。
一方、日系メーカー系列はそれらを備えた
ディーラーがほとんどです。
このため中古車事業への参入は
それほど困難ではないと考えられます。

今後の中国自動車産業では、
新車販売台数、生産台数の陰に隠れた
「もう一つの中国自動車産業」中古車市場の動向も
注目する必要があります。

分野: 高橋幸夫助教 |スピーカー:

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