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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 環境ビジネス (中国ビジネスとイノベーション/朱穎)

環境ビジネス (中国ビジネスとイノベーション/朱穎)

09/07/06

昨年の金融危機以来、
投資マネーが行き場を失っているようにも見えますが
水面下で次の投資先として注目されている分野が環境分野なのです。

例えば、ビル・ゲイツと毎年世界の大富豪
第一位を争っているウォーレン・バフェットという人がいますが
この方はこの大不況の中である中国企業の増資に応じました。
世界第二位の二次電池メーカーで
最近自動車製造販売も行う民間企業の比亜迪(BYD)という企業です。
この比亜迪(BYD)という企業は
リチウムイオン電池で世界シェアの約15%持っており
特に携帯電話用の二次電池では
4割程度のシェアを持っていると推定されています。
その開発技術は、世界的に見てもかなり高い水準にある
という評価を得ています。
しかも、2003年に比亜迪(BYD)は中国の自動車会社を買収し
そこで電気自動車の開発を進めています。
今年の実用化、更に2011年にアメリカでの販売を視野に入れています。
先程の投資家のバフェットの話ですが
要するにポスト石油の環境ビジネスとして見て投資を行っている
ということになります。

■ グリーンニューディール政策
こうした環境ビジネスの追い風になったのは
オバマ氏のグリーンニューディール政策なのです。
ブッシュは石油産業、クリントンはIT産業の支援を受けていましたが
一方、オバマの選挙スタッフにはベンチャーキャピタリストが参加し
彼らが注目しているのは環境ビジネスということが言われています。
実際、オバマ氏は既にかなり詳細に環境関連の技術投資に関する
公約を組んでいます。

例えば、太陽電力発電、バイオ燃料、ハイブリッド車の開発促進に
1500億ドルを投資する
あるいはグリーンエネルギーのプロジェクトの科学研究予算の倍増
更に、クリーン技術ベンチャーキャピタリファンドに年間100億ドルを補充するなど
相当踏み込んだ政策を打ち出しています。
例えばハイブリッド車ですが
グリーンニューディール政策ではプラグインハイブリッド車を優遇し
家庭で充電可能なプラグインハイブリッド(PHV)を15年までに
100万台普及させる構想を持っています。
PHVというのは家庭などで駐車中にバッテリーを充電しておき
最初はモーターで走行、バッテリーが切れたらエンジンで駆動する
という構造を持っています。
これは従来のモーター依存度の高いハイブリッドとはかなり違うという意味で
電気自動車への中間段階とも言われています。

環境ビジネスはこれから1つのキーワードになるというところで
グリーンニューディール政策に戻りますと
オバマ氏は京都議定書の枠組みに積極的に参加するという見解を示しており
2008年の11月「気候変動問題に関する国際会議」向けに
連邦排出量取引制度から始めるという公約のメッセージをビデオで流しました。
この排出量取引制度が始まれば
アメリカ企業は省エネ投資をするか
もしくは省エネ投資をしている企業から排出権を買わなければならなくなるので
数兆円規模の投資市場が出来る可能性が生まれてくるわけです。
以前も環境問題とイノベーションというタイトルでお話したことがあると思いますが
環境ビジネスというのは、ある意味で
規制強化によって自動的にかつ強制的に作られる市場ですから
当然政策に影響されやすいという構造を持っています。
実はここでもう1つの背景としては
やはり個人消費を作り出すサブプライムローンの崩壊
更にアメリカ向け輸出依存の深刻経済の抱えている問題などが上げられます。
例えば新興国経済というのは
これから消費意欲の旺盛なアメリカ市場に向けて
輸出をどんどん増やしていくということはこれから望めないということで
今後の1つの方向性としては内需拡大ということが言われています。
一方、この内需拡大を伸ばそうとすると当然エネルギー価格の高騰というのは
1つの障害要因になります。
原油は、昨年の7月に1バレル147ドルまで上昇した後は
急落したのですが
数年後再び高騰する可能性が高いという見方をする関係者たちもいます。
結局クリーンエネルギー技術の開発によって
一般の大衆向けの利用しやすい技術の開発が
必要になってくるということです。
例えば、2000年のITバブルの時代に過剰に
通信インフラに投資が行われたことが
その後のIT技術の普及にも決定的な役割を果たしたと同じように
環境技術に対する潤沢な資金はこの分野での技術革新を
促進する可能性があります。

振興国バブルのキーワードとしてBRICsという言葉は
ゴールドマンサックスのアナリスト、ジム・オニールさんが
普及させた概念として広く知られていますが
そのはるか昔からベンチャーキャピタルは振興国投資の
研究を進めていました。
環境に関しても、この2・3年で、ベンチャーキャピタルでは投資の仕込みが
行われていますが
政府関係者への働きかけも含め、シナリオ通りになるか
注目すべきところかと思います。

分野: 朱穎准教授 |スピーカー:

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