QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

過去の記事詳細

QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > シリコンバレー2009~TiE CON2009その1(ベンチャー企業/五十嵐伸吾)

シリコンバレー2009~TiE CON2009その1(ベンチャー企業/五十嵐伸吾)

09/07/01

■TiECON(タイコン)

5月はシリコンバレーに行って、
TiECON(タイコン)というカンファレンスに
参加してきたので、そのお話をしたいと思っています。
1月にTiE(タイ:The Indus Entrepreneurs)とシンポジウムを
共催したというお話をさせていただきました。
TiEは、世界最大の起業家のための祭典、
通称TiECONというカンファレンスをシリコンバレーで
毎年5月に行っています。
今回の私のシリコンバレーへの出張は
2009年度TiECON出席が大きな目的の1つでした。
私が会場で名刺交換した方だけで、
パキスタン、インド、バングラデシュ、シンガポール、
イギリスの住所が記載された名刺が残っています。
つまり、世界中から起業家精神に溢れる人々が
集っていることがここからも窺い知ることができると思います。

TiECON
http://www.tiecon.org/home


■カンファレンスの流れ

今年は、5月15日、16日の2日間で行われました。
有名な起業家・経営者の講演が、午前2つ午後2つ
というふうに1日目も2日目も入っています。
そのセッションを終えると、今年は、
インターネットのインターフェイス、コンシューマー向けのウェブ、
ワイヤレス、ソフトウェア、5つのセクション(分科会)に分かれて、
個々人が興味のあるセクションで議論に参加します。
最初に全体討議でエンカレッジ、
次にセクション単位で実践的な議論。
その後、ランチか懇親会でブレークとネットワーキング
という流れが繰り返されていることがわかります。
あまり「~べき」という観念論だけでも、
多少、世知辛い現実論だけでもないバランス感覚が素敵ですね。

私は今、ソフトウェア産業を研究対象にしています。
それで、今回はソフトウェア・セクションに参加しました。
全体の基調講演では皆さんご存知の
クレジット会社大手のVISA(ビザ)CEOや
アメリカで急成長して有名になった会社のIntuitなど、
成功した起業家がメインスピーカーとして登壇しました。
正直な話をすると、VISA(ビザ)の社長の話は
全然受けませんでした。
話の内容がお固い金融系のテーマだったので、
会場中が静まり返ってしまいました。
ところが、中国系の若手起業家がと登壇。
彼はZapposというアマゾンのような
ネット販売の会社を継承。
最初は、ネット靴屋として創業したようですが
彼が経営を引き継いでからものすごい勢いで成長しました。
彼の最初の企業は大学生の時で、
外から大きな1枚丸ごとのポザを買って、
それを小さなピースに分けて販売する
ビジネスだったそうですが大当たりをし、
その後、ネット系のコンサルティングをやっていたときに
Zapposと出会ったとのこと。
学生ベンチャーの最初の顧客は
今の会社の取締役になったそうです。
彼の話は非常に楽しくまた聴衆にも
実際の起業のプロセスを想起させるもので、
講演終了後、聴衆は彼をスタンディング・オべーションで称えました。

Zappos
http://www.zappos.com/


■分科会について

分科会では、どのようなことをしているのかを、
写真を見つつお話したいと思います。
写真にセッションの内容が示されたボードが映っています。
090701_1.jpg


驚いたことにビジネスに直結できるテーマでした。
つまり、どうやってベンチャーキャピタルから
投資を受けられるかというテーマです。
然も同じ資金調達でも「ソフトウェア」の起業家ではどうだと、
即座に実践で役に立つような議論が中心です。
僕が参加したセクションでは滅多に会う機会のない
ベンチャーキャピタリストが5人、檀上に並んでおり、
「最近景気が悪いのだけどあなたのキャピタルは
投資できる余裕はあるのか」
と最近のVC事情を30分程度議論した後に、
あとは会場からどんどん質問を出してもらって
キャピタリストがどんどん答えるという形式で、
本当にインタラクティブに議論していました。
090701_3.jpg

その内の質問の一つが非常に面白かったのです。
聴衆の一人が、
「キャピタリストに、なかなか会えないんだけど、
どういうふうにすれば一番会えると思うか?」
という質問に対して、
「いや、TiECONが一番いいんじゃないか。」
ということを、真剣にキャピタリストが答えていました。
これは真実であるようです。
写真は、カンファレンスが終わった後、
「じゃ、あとはご自由に。」と司会がセッションを
切り上げた途端会場を埋めていた150人位の
ソフトウェア系の起業家たちが、瞬く間に
キャピタリストの周辺に集まった瞬間です。
090701_2.jpg

すぐその場で名刺交換をして、
こういうことをやるから、後でビジネスプランを送るから、
という話がすぐに始まります。
キャピタリストの方も真剣に話を聞き入っていました。
大成功をした起業家の話を聞くだけではなくて、
実際の資金調達の仕方や、ビジネスを進めるうえでの
留意点をフランクにその場で話し合えるところが、
TiECONの持ち味のようです。


■誰でも参加できるTiECON

ちなみに、このTiECON(タイコン)は、
誰でも参加できます。
参加費用とし実費を払わなければなりませんが、
2日通しの券が確か約4万円と記憶していますが、
2日間、朝8時から夜7時まで
濃密なスケジューリングをされていますし、
会えない人ともここでは会うことができます。
すでに述べたようにキャピタルと議論できます。
会場の費用や無料で提供されるドリンクやクッキー、
フルーツの量を考え合わせますと、
決して4万円は高いとは感じるものではありません。

会場の空気が前日のレセプションの時から
熱気に包まれており、不景気で少ないと
TiEシリコンバレーの担当者がこぼしていましたが、
それでも3000人が参加したようです(去年は5000人位とのこと)、
そのほとんどが起業家か、起業に成功したエンジェルか、
これから起業を目指す人、起業家の周辺で
ビジネスをするヘッドハンターなど、でした。

一番残念だったことは、シリコンバレー在住の
日本人は何人か顔を合わせましたが、
日本からの参加した起業家には滅多に会えませんでした。
ただ、TiECONの今年の試みとして、
世界中からビジネスプランを募り、
webで公開して投票してもらい、
そのベスト50にビジネスプランを発表してもらう
という試みがあり、東京支部が選んだ
3社の中から1社がファイナリストとして
ホールで何度もプレゼンする機会を獲得しました。
Tonchidot(頓知)という会社でしたが、
会場で非常に受けていました。
その起業家は一気にビジネスを展開する機会を
獲得できたと思います。
できれば、これに続いて日本人の起業家も、
TiECONに行ってアピールできるようになれば
良いなというのが感想です。

Tonchidot(頓知・)
http://www.tonchidot.com/2009/05/-tiecon-tie50-winner.html

分野: 五十嵐伸吾准教授 |スピーカー:

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ