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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 九州大学は九州・福岡の役にたつのか-その3 (地域経済政策/谷川徹)

九州大学は九州・福岡の役にたつのか-その3 (地域経済政策/谷川徹)

09/06/24

“ゲーム”に関するオランダと九州大学との産学連携

産学連携というのは、主に国内の企業と大学がやるもの
と思っている方が多いと思いますが
我々九州大学が今、特に力を入れているのが
海外の企業或いは研究機関と共同する国際間の産学連携です。

九州大学が始めた国際産学連携の最初のプロジェクトというのは
中国との間での産学連携でした。
ただ、昨年から日本政府から、国際間の産学連携をやり
日本の大学の知力を世界に広め、世界の企業と付き合うことによって日本の大学はもっと刺激を受けるべきだという政策のもと、補助金を頂きましたので
アジアだけではなく欧米に拡大する話になっています。

いくつか成功プロジェクトがありますが
今日はオランダとの間で行っているゲームに関する産学連携をお話します。
“オランダとゲーム”というのはなかなか考えにくいと思うのですが
実は、オランダというのは欧州におけるゲーム産業のメッカなのです。
一方、2004年の統計では日本のゲーム製作本数の内の約7%が福岡で製作されています。
その意味で福岡はゲーム開発のメッカなのですが
たとえばドラゴンクエストという大変有名なソフトは
福岡のレベルファイブという会社が製作しているゲームソフトなのです。

元々、九州大学がオランダとゲームで連携をしたのは
2007年に九州大学がオランダ大使館と偶然良い関係になり
九州大学が芸術工学研究院を中心にゲームに関する研究をしているということ
また九州大学が福岡のGFFというゲーム企業団体と連携をしているということを
彼らが知ったことから始まっています。
偶然それを知ったオランダ大使館員から
「九州大学や福岡にそんなにゲームのリソースがあるのなら、
オランダでゲームに関するプレゼンテーションをしてほしいと言われました。
そして2008年の6月オランダゲームフェスティバルに招待され
九州大学と福岡市の関係者が福岡や九大のゲームビジネスや
研究についてプレゼンテーションをしました。
それから一気に我々の九大、福岡のゲームに関するリソースが注目されて
オランダから視察団が押し寄せ
それ以降オランダと九州大学及び福岡とのゲームが繋がるようになりました。

オランダはゲームのメッカですが
日本でいうところのエンターテイメント中心のゲームではなく
医療とか教育にゲームを応用する
いわゆるシリアスゲーム(Serious Game)が主流です。
ただ彼らは、シリアスゲームという分野で研究やビジネスを展開をしていましたが
そのシリアスゲームにエンターテイメント性を是非取り入れたいということで
日本の福岡のゲームの開発の仕方
エンターテイメント性の取り入れ方に大変興味を持ったことが
大きな要因だと思います。
健康に関しては既に有名なWiiというゲームの他に
東北大学の先生が開発した任天堂DSの脳トレーニングというソフトがあります。
これらは医療或いは教育に使われているものです。
九州大学の先生も、介護にゲームを応用する研究をしています。
これも彼らが大変興味を持った点でした。
リハビリテーションは大変退屈なものですが
それにゲームの要素を取り入れると楽しみながら出来るので
大きな効果が期待できるということで、今研究開発が進められています。

九州大学にとってのメリットは
シリアスゲームというのが日本にはあまりなく
九州大学がゲームの研究をしても日本にその成果を使ってくれるところはあまりありませんが
オランダと提携することによって
九州大学のリソースがオランダの企業及び大学で使ってもらえる
という可能性があります。
オランダと関係を持つことで九州大学の研究力が向上し
その効果が福岡のゲーム産業に伝播できるといったメリットがあると思います。

九州大学にとっての今後の課題は
オランダという遠いところと連携しようとすると費用がかかるというのがあります。
それから福岡の企業も目の前の利益を上げなければならないということで
エンターテイメントから一歩先のシリアスゲームという
大きなマーケットに関心を持つのはまだ難しいということが課題です。
長期的には関心を持ってもらいたいのですが
ベンチャーであって長期的課題にも対応する余裕が乏しいということの限界を
どう抜けるかというのが課題です。

当面、九州大学は別のところで資金を工面しつつ
ゲームに関する国際産学連携を進め
その成果を出来るだけ具体的な形にするように努力をしたいと思います。
またその成果を九州のゲーム企業に提供し
そしてシリアスゲームというものに対してもっと関心を持ってもらうように
誘導していきたいと思っています。
その為には福岡県及び市等行政の支援も大変重要です。

分野: 谷川徹教授 |スピーカー:

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