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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 九州大学は九州・福岡の役にたつのか-その2 (地域経済政策/谷川徹)

九州大学は九州・福岡の役にたつのか-その2 (地域経済政策/谷川徹)

09/06/23

-いとしまサイエンスキャラバンを例にして-

今日は、産学連携を通して地域と大学がどういうふうに向き合っていくか
コラボレーション(連携)していくかについて具体的な例を紹介します。

九州大学は国の基幹大学ですので、
中央の企業、東京の企業を中心にサポートするということが多いのですが
実際には地元福岡・九州にも色々な形で貢献しています。

地域・地元向けのセミナーとして大変面白い試みをしています。
その一つが糸島サイエンスキャラバンです。
サイエンスカフェというコンセプトのひとつの形態です。
これは一般市民向けで、地域の住民の方に役に立つものです。
地域住民に対して、科学の話を分かり易くお話して
大学で行っている研究に対して親しみを持ってもらいます。
一方的な講演形式ではなくて双方向
つまり住民の人たちと少人数で対話をする形で実施するセミナーです。
地域住民の方に、もっとサイエンスに対して興味を持ってもらう試みです。
サイエンスキャラバンは、2006年から始まり、既に9回を重ねております。
市民の反応は予想外によくて、(とっつきにくい)科学に関するテーマが多いものですから
当初はせいぜい30人、40人位かなと思いましたら
実際には60人、70人、多い時には100人を超える人たちが集まって
大変熱気を持った会となっております。

サイエンスカフェというとちょっとやわらかい感じがして参加しやすいと思います。
あまり難しいと地元の人たちも興味を持ちません。
今までやったテーマは、糸島地域ですから農業、食などです。
また糸島というのは大変古くから大陸との交易の盛んなところでしたから
古代史、地質、エネルギーなどもテーマにしております。
具体的な効果としては、
地元の人たちが「大学というのは難しいことばかりやっているかと思ったけれど、
自分たちにとって随分関係のあることをやっているな」ということで
地元の人たちの九州大学に対するイメージが随分暖かいものに変わってきたというのが
1つの効果としてあると思います。

九州大学にとってもいいことは、
このサイエンスキャラバンには毎回2人位の若手の先生に出て頂いていますが
若手の先生たちは、自分の研究内容を分かり易く話す必要があります。
そして住民の方たちの反応の中から
自分たちの研究内容がこういうふうに理解されているのか
思ったことと違うななどという反応を見て
自分たちの研究の内容を再考する、変えていくなどの効果もあることです。
また大変重要なことは
このキャラバンを通じて地域或いは企業との具体的な共同研究が
いくつか立ち上がり始めたことです。
これは大きな効果です。
例をあげますと、2007年だったと思いますが
リサイクルをテーマに行いました。
その時に地元の方から出てきたテーマが
糸島半島西部の牡蠣養殖場の牡蠣殻をどうするかという問題でした。
その牡蠣殻の有効利用について真剣に議論した後
その牡蠣殻を使って新たな事業を始めようという研究が始まりました。
これは地元の人たちおよび牡蠣養殖業者の人たちとの
コラボレーションの中から出てきた共同研究ですが
地元の問題の解決と同時に、大学の研究者たちにとっても
自分たちの専門を実際の具体的な問題解決に役立てる
大変いいテーマを提供されたと理解しています。

九州大学全部で二千数百人の正規教員のうち
それに関わっているのは毎回2人で、年間の参加者が大体6人位ですので
もっと多くの教員に関わってもらいたいのですが
色んなエネルギーが必要ですので回数を増やすことが
なかなか難しいという問題があります。
それから地域限定ではなく、もっと多くの場所でやりたいのですが
コーディネートする我々知的財産本部の人間のマンパワーの問題もあり
要望は高いし評判はいいのですが
なかなか実施出来ないという問題があります。
それをどう解決するかが大きな課題だと思っています。

分野: 谷川徹教授 |スピーカー:

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