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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 企業の多国籍化①(国際経営・国際ロジスティクス/星野 裕志)

企業の多国籍化①(国際経営・国際ロジスティクス/星野 裕志)

09/06/09

今日は専門である企業の国際経営に関する
基本的な考え方を説明したいと思います。
特にあえて企業がリスクのある海外に展開し、
さらになぜ多国籍企業化を図るのか
について考えてみたいと思います。


■多国籍企業化のプロセス

製造業の分野にあっては、もともと国内で原材料を調達し、
国内で製品を生産し、国内の顧客に販売することが、
多くの企業にとって始まりになります。
まさに国内で自己完結的に、
事業が行われる国内企業になります。

そのように国内で事業を行っているメーカーにとって、
次の段階は製品の輸出になります。
生産能力に余剰が生じること、国内の競争の激化や
市場の成熟化(ひととおり製品が浸透する)、
より成長の期待できる海外市場への期待、
政府の輸出促進策などの後押しもあるかと思いますし、
国内で消費される製品と輸出を合わせて
より多くの製品を生産することによる
規模の経済性=スケール・メリット(製品単価が安くなる)も
享受できることになります。
あくまでも、国内で生産した製品を
海外に輸出するという段階です。

次に海外直接投資というステップがあります。
例えば、製品を販売する子会社や製造子会社などの
現地法人を海外に設立するということです。
2008年の国際協力銀行の「海外直接投資アンケート」によると、
2006年度に対象企業の海外生産比率が、
初めて30パーセントを超えています。
日本企業の海外生産比率は、1988年の約1割から、
20年弱で3割に増加してきたことになります。
中にはホンダの様に、海外生産比率が
68パーセントを超える企業も出てきており、
日本企業といっても必ずしも軸足が
国内にあるだけではなく、まさに多国籍化して、
世界にグローバルに展開していることになります。


■多国籍企業化する理由

それではなぜ国内からの輸出からさらに一歩進んで、
多国籍企業化していくのかという理由、
促進要因を考えてみたいと思います。
まずさきほどの自動車のケースなどでも
考えられるのは、貿易摩擦への対応です。
日本もかつてアメリカとの間で、繊維、鉄鋼、
自動車などを巡って摩擦を繰り返してきましたが、
輸出の相手が自国の産業を守るために
輸入制限や高い関税を課したり、自主規制で
輸出量を抑えざるを得ない状況があります。
そうなると、輸出に替えて、相手国=ホスト・カントリーでの
生産を行わざるを得なくなります。
次に、成長性の期待される市場であれば、
遠く本国=ホーム・カントリーから輸出しなくても、
現地で生産することの利点が大きくなります。
例えば、輸送にかかるコストや時間や
現地の流通チャンネルへのアクセスが考えられます。

もちろん中国、ASEANや開発途上国での生産には、
国内よりも低コストで生産することができたり、
豊富な人材を集めることができる利点も期待できます。
また、製品が販売される市場のある場所で
生産されることで、より現地のニーズが
製品に反映されることにもなりますし、
為替変動のリスクや関税などの心配を
しなくてもよいことになります。
今までは、自国で作ったものを少し変えて
輸出していましたが、現地の水準に
本当に受け入れられるものを作るには、
やはり現地のニーズを反映させた製品が必要です。


■グローバルなオペレーション

さらに、輸出を主体とした国際経営を通じて、
企業が言語や人材やマーケティングや
国際的なビジネスに関するノウハウなどを
組織学習し蓄積を得ると、次の段階として、
グローバルなオペレーションを行う多国籍企業化に
踏み切ることになります。

昨年7月21日のFortune誌によると、
日本の企業で売り上げが世界でトップ500社には、
トヨタ、ホンダ、日立製作所から始まって
64社の日本企業が含まれていますが、
そのほとんどは多国籍企業といえるものです。
ただこのような経済情勢の中で、
今まで右肩上がりで増加してきた
海外生産には陰りが出てきていて、
これからが本当に難しいところだと思います。
明日は多国籍企業化の代表的な理論について、
わかりやすく説明したいと思います。

分野: 星野裕志教授 |スピーカー:

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