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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 福岡空港について①(国際経営・国際ロジスティクス/星野 裕志)

福岡空港について①(国際経営・国際ロジスティクス/星野 裕志)

09/05/11

空港は、物の流れや人の流れだけではなく、
これからの九州の経済に関わる、大きなコアとなるものです。
今回は、その重要な役割を担う福岡空港に
まつわる問題について、お話したいと思います。


■福岡空港の問題

発着回数では羽田、成田に次いで国内で3番目、
利用旅客数は4番目といわれる福岡空港は、
日本一過密な空港ともいわれ、
今後どのようにするべきかが注目されてきました。
現在の空港に滑走路を増設するべきなのか、
新宮沖や志賀島の沖に海上空港として建設するべきなのかが、
真剣に検討が行われてきたわけですが、
先月麻生福岡県知事と吉田福岡市長がそろって、
現空港の活用を表明されたことで、
一応の決着を見たことになります。

福岡空港が国内でも最も都心部に近く、
地下鉄が乗り入れているアクセスの良い
空港であることは誰もが認めるところで、
それが福岡の成長のドライバーになってきたことは
間違いないと思います。
一方で、年間で14万回近い発着回数と
ピーク時には東京の山手線の外回りの運行よりも高い
といわれた発着頻度や、騒音や安全性への懸念、
あるいは都心部の建造物の高さ制限などに規制が
かかることから、今後の福岡空港のあり方には、
さまざまな分野で関心が払われてきました。
たとえば地元の経済界は、
鎌田九経連会長を中心に
新福岡空港推進協議会を組織して、
新空港の建設を要望してこられていたので、
今回の知事と市長の判断は、非常に興味深く思います。


■福岡空港の現状

今回と次回の2回で、福岡空港の状況を確認しながら、
どのようなプロセスで検討が行われてきたかを
考えてみたいと思います。
まず現状ですが、現在の空港の問題点は、
先ほどもお話したとおり容量限界に
近付いていることと都心部に位置するがゆえの
制約があります。
福岡空港の今の1本の滑走路では、
14.5万回が最大なのです。
また、都心部に位置することで、発着時間が、
午前7時から22時に限定されているために、
利用の制限があります。
これは旅客にとっては、東京に行く時に
始発に乗っても8時40分に羽田空港着ということは、
9時に都心部に行くことは無理ですし、
逆に東京から戻るときの羽田空港発の最終便が、
20時10分になります。
これは仕事をすべて片付けてからというと、
少し時間が足りません。

また貨物になると、北九州空港のような
24時間オープンの空港が増えてきて、
その日の貨物が深夜に輸送されることが
一般的になっている中で、国内・国際の
貨物輸送にも制約を持つことになります。
今の福岡空港では、22時が発着の最後ですから、
それが出来ません。
また現在の2,800メートルという滑走路の長さも、
貨物専用機には十分とは言えませんし、
貨物の荷さばきと保管の施設としては
規模が小さいといえます。


■福岡空港の発着回数

さらに先ほどの発着回数ですが、
2001年度をピークに、
近年減少傾向にあるといわれています。
今後、九州自体の人口は間違いなく減少し、
福岡自体も減少していくとなると、
これから先は、想定されているほど、
需要は増加しないのではないか
という見方もあります。
その一方で、2010年に羽田空港の第4滑走路が
完成すると、羽田空港の発着枠にも余裕ができるので、
羽田・福岡のような主要幹線は、より利便性の高い
中型機による多頻度運航が求められことにもなりますが、
そのような増加には対応が難しいといえます。


■赤字の福岡空港

最後に空港だけの収支を見てみると、
毎年100億円近い赤字の状況です。
収入は、離発着料などで、主なコストは、
空港の土地の賃借料と環境対策費です。
空港用地の約1/3が民有地であることから、
年間の借地料の支払いが毎年発生し、
都心部にあることから騒音対策(二重窓の設置等)
などの費用もかかっています。
ほぼ賃借料に相当する費用が、
毎年赤字となっています。
また費用面だけではなく、そのロケーションから
大幅な敷地の拡張は困難です。

このような解消しようのない費用や
様々な制約や環境問題が、
新空港を海上に建設するアイデアに
向かわせることになったといえます。
今回の空港のことも含めて、これからの街づくりに
ついて考えていく必要があるのだと思います。
次回は現在の空港を拡張することに
至ったプロセスをお話ししたいと思います。

分野: 星野裕志教授 |スピーカー:

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