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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 財界九州誌対談~九州.アジアの新潮流から(中国経済と産業/国吉 澄夫)

財界九州誌対談~九州.アジアの新潮流から(中国経済と産業/国吉 澄夫)

09/05/06

■国際人材の育成
今年の2月に、中国と韓国から有識者を招いて、
「東アジアのビジネス連携と人材育成」ということで、
国際シンポジウムをここで開催いたしました。
その出席者の中で、中国の社会科学院からお越しになった、
張 季風(チョウ・キフウ)教授と、韓国の永進専門大学の、
銭 相杓(ジェン・サンピョウ)教授のお二人がシンポジウム終了後に、
財界九州誌主催の対談を行いました。
その内容が財界九州の4月号で誌面4ページにわ渡って掲載されています。
内容も非常に素晴らしいので、皆さんにも紹介させてもらいたいと思います。
財界九州ではシリーズで、「九州、アジア新潮流」というテーマで、
ずっと特集を組んでいます。
その中で、今回「九州に問われる国際型人材の育成」というタイトルで、
対談して頂きました。
中国の事情韓国の事情を中心にお話しして頂きながら、
最後に九州との繋がりについて語って頂きました。

内容的には国際人材の育成が非常に重要だということ、
それから、ビジネスの世界との接点をどのように設けて繋げていくか、
さらにアジアの中の九州が、これからどのように、
世界に通用する人材を育成していくかという、課題に取り組みながら、
優秀な人材を地域発展の活力として取り込んでいく、
このようなことを強調されておりました。


■中国の状況
中国は、MBAスクールも有名な大学があります。
しかし、張先生は、社会科学院の立場から発言されたのですが、
まだ十分に国際型の人材は育っていないという見方をされています。
これまでの中国で技術導入(引進来)、また今後は海外進出(走出去)、
が盛んですが、こういう時にこそ、国際型の人材が、
ビジネスの世界に求められています。
張先生は実務に積極的に関わっておられますので、
このような人材が十分育っていない為に、ビジネスの前線で、
中国の企業はかなり苦戦しているということを述べていました。

去年の秋以降の不景気以前から中国では大学生が、急増しているものの、
就職は厳しいものになっています。
4人に1人が就職出来ないでいます。
その理由ですが、中国のビジネス界の傾向として、
新卒よりも中途採用を優遇する傾向があります。
この背景には、企業内教育体制が十分できてないということがあります。
仮に、外国語が出来る学生でも専門性が無い、
あるいは実務の能力が足りない。
逆に企業側は、現場を重視し、現場に人が足りないと思っても、
学生は現場に入りたがりません。
このようなミスマッチがあるようです。
張先生に依れば、大学卒業後、4+1ないしは4+2と言った、
卒業後の何らかの技能訓練の必要な現状があるそうです。

張先生は、日本の企業のことにも言及されています。
進出日本の企業は中国で人気があるのですか、という質問に対して、
就職希望としては増えてはいますが、一般的に日系企業は仕事がきつい、
現地化が十分されてないということで、欧米系の企業に比べたら、
人気が低く、後塵を拝している、という言い方をされていました。


■韓国の状況
韓国の銭先生は、最初に、韓国の英語ブームについてお話されました。
韓国では小学校の低学年でも英語を教えています。
場合によっては、幼稚園から英語圏に留学させるようなブームになっています。
ただ、いくら英語の習熟度が高くても、総合的な能力が欠けてしまうと、
希望の就職にはつけないという状況が起こっている、と語っておられました。
そういう状況に対して、専門的な力を付けるという意味で、
永栄進専門大学では1995年から、「注文式教育」、
という新しい方法を採用しています。
これは、三星(サムスン)やLGなどの大企業から、どういう人材が欲しいですか、
と注文を受けて、それに見合った教育を、2年間行うというものです。
このように人材が送り込まれていく、あるいはこのようにして、
人材を募集するわけです。
こうして教育をした後に、企業に送り込むので、学生が在学中に、
85%以上の就職が決まるということです。
このように、大学、学生、企業、三者がウィンウィンの関係となるので、
最近、外部評価が、非常に高まっているそうようです。
「この大学に行けば就職が出来る、三星に入れる」ということで、
募集定員に対して、今は10倍の競争率だそうです。
ここは、基本的には、2年制の短期大学なので、
高校を卒業して入る人もいますが、4年制の大学に行って、
その後に入る人もいるそうです。

韓国から日本へは大勢が就職しているそうです。
例えば、3次元CADや組み込みソフトの技術者です。
このような技術者は、最近、日本でも需要が多く、供給が底を付いており、
不足していますので、このようなところにどんどん人材を送り込んでいるそうです。
特に3次元CADに関しては、この2年間で80人を日本に送り込んだそうです。
ただ、ほとんどが関東と中部で、九州はゼロだそうです。
これは、九州にはそのような需要がなかったということなのですがで、
少し残念なことですね。
九州では、中国、韓国からの留学生は多いのですが、どちらかというと、
貿易関連の仕事に進む人が多いようです。


■アジアの中の九州として
お二人が語っていたのは、様々な道州制の議論がありますが、
九州はアジアの国々が注目するような、高い技術力の集積を持つべきだし、
東京一極集中ではなく、中央にきちんと対抗できるアジアの中の九州、
という視点で道州制を議論して欲しいなということでした。
この対談から、中国や韓国の人は、我々よりも客観的に、
九州の置かれている状況を結構正しく見ていらっしゃるのだなと思いましたし、
こうしたアジアの意見には、よく耳を傾けなければいけないな、
というふうに感じました。
この対談は、財界九州の4月号に収録されています。

分野: 国吉澄夫教授 |スピーカー:

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