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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 福岡空港と九州新幹線(財務戦略/村藤 功)

福岡空港と九州新幹線(財務戦略/村藤 功)

09/05/01


■福岡空港の滑走路増設
今回は、福岡空港と九州新幹線についてのお話です。
まず、福岡空港の新設、増設問題についてです。
麻生知事、吉田市長が、ある程度の判断、
増設案支持という表明をしました。
しかし、福岡空港は国の空港なので、最後に決定を下すのは、
県や市ではなく、国なのです。
そこで、とりあえずの地元意見はどうなのか、ということで、
知事と市長が意見を表明したということです。
今年の夏ごろに、国交省がまとめる調査結果を元に、
国が判断するという予定になっています。
国交省としては地元の意見は無視できないので、
おそらく福岡県と福岡市が増設案で行くと言った以上、
国も増設案で進める、という話になりそうです。

麻生知事は、空港新設にも少し含みを残したような感じの、
話しをされました。
実は麻生知事は、元々海上に新福岡空港を作りたかったのです。
一方で吉田市長は、新設する必要はないと言って当選したので、
増設案支持は、当然のことです。
ですから、麻生知事は国がお金を出してくれるなら、
新設支持なのですが、今回は無理そうなので吉田市長と同様に、
増設案にサインしました。
しかしこれは暫定案です。
知事は将来飛行機の処理能力がまた足りなくなるかもしれないので、
調査を続けようということも言っています。


■福岡空港の年間処理能力
まず、新設案と増設案の年間処理能力についてです。
現在、年間発着回数が、14万2千回ほどになっています。
しかし現在の状況では約14万5千回が限界だと言われています。
これを増設すると、年間処理能力が、今の14万2千から、
約19万7千回まで伸びるということです。
一方で海に空港を新設すると、21~2万回に伸びるということです。
しかし、海に新設する方が年間処理能力は高いのですが、
建設コストが全く変わってきます。
増設案だと二千億円程度ですが、新宮沖に新空港を新設すると、
九千二百億円となりますので、4倍以上お金がかかってしまいます。

世界の金融危機で、世界中でお金がないと騒いでいる中で、
9千2百億円ものお金を一体、誰が払うのか、ということが問題です。
福岡県も市も、あまりお金がないのですが、
国はもっとお金がないという状況です。
そこでおそらく、お金があまりかからない増設案しかない、
ということになってきたのでしょう。
麻生知事としては、本当は新設案がいいのですが、
国が増設案しか認めなさそうなので、増設案に、
サインしたのだと思います。
それから、住民にもアンケートをとりました。
この結果もやはり、麻生知事の判断へ多少影響を与えたのでしょう。
ただ増設支持と新空港建設支持では、
大きく数字が変わるわけではなく、増設支持が4千3百件、
新空港支持が3千6百件ほどです。
また、新福岡空港促進協議会という、福岡県の企業約70社で、
構成されている協議会では、新空港の方がいいと言っています。
しかし経済界も、正直言って、2つに割れているというのが現状だと思います。


■九州新幹線の全線開通
新幹線については現状からお話しします。
まず、新八代から鹿児島中央の区間は2004年3月に開通しています。
現在は、新幹線の鹿児島ルートと長崎ルートを建設中です。
鹿児島ルートは、博多から鹿児島まで、全線開通するのが2年後、
平成23年の春です。
一方、九州の西の方に行く長崎ルートは、9年後頃に開業予定です。

鹿児島ルートは、2年後に博多―新八代が開通して、
博多から鹿児島まで行けるようになります。
それに伴い、JR博多のビルが新しく出来るということで、
我々、九州大学ビジネススクールも博多駅ビルに入って、
平日の夜はそこで授業を行うことになる予定です。
これは、便利になるので九州の様々な所から、
ビジネススクールに通ってくれることになればいいな、と思っています。


■九州と世界の新しい繋がり
2年後に新幹線の鹿児島ルートが開通なのですが、
面白いことにほぼ同時に、韓国ではソウルから釜山までの、
全線が高速化します。
ソウルから釜山まで高速電車が走って、
それから高速船がありますから、高速船を通って博多まで来て、
博多から鹿児島まで新幹線で行けることになるのです。
ソウルから鹿児島まで、高速鉄道と高速船を使って縦断する、
というようなルートが完成するということが、2年後に起こるのです。

さらに、新幹線が開通すると、九州にとっての福岡空港の意味が、
増す可能性がある、と言われています。
九州のサラリーマンにとっては、熊本や鹿児島で働いていても、
1週間に2、3便しかありませんので、熊本空港や鹿児島空港から、
海外に行くのは簡単ではありません。
しかし福岡空港なら毎日海外便が出ていますので、
鹿児島や熊本からでなく、福岡まで新幹線で行って、
そこから飛行機で行く方が便利なのでは、という話が出てきています。
そういう意味では、福岡空港の問題とも、少し絡んできます。

韓国のアシアナ航空などは、九州の自治体に便を持っていますが、
そのような維持は今後難しくなりそうです。
これまでは各自治体から国際線を出す方針でしたが、
利用者が福岡空港に集中するようになると、
福岡が九州の東京となっていくという状況は、
避けられなくなってきたように思えます。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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