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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > インターネット広告とTV広告(マーケティング/出頭則行)

インターネット広告とTV広告(マーケティング/出頭則行)

09/04/28

■インターネットはTVを駆逐するのか
前回は、2008年度の日本の広告費のお話をさせて頂きました。
今回は、インターネット広告はテレビ広告に取って代わるのか、
テレビ広告の有効性は、本当に失われているのかを、
お話をさせていただきたいと思います。
最近Ad Ageという、コミュニケーション業界紙に、
インターネット広告がテレビ広告に取って代わるわけではない、
というような調査結果が、続々と公表されました。

一つ目は、ニールセン(The Nielsen Company)という調査会社が、
スポンサーとなって、大学と共同して行った調査です。
これは、インターネットが普及し始めた1990年以降の、
様々なメディアミックスを調べても、テレビ広告の売上高に対する、
コストパフォーマンスが落ちてきたというデータは発見されなかった、
というものです。もしもインターネットの有効性がテレビ広告の有効性に、
影響を与えているのならば、メディアミックスにおけるテレビ広告の、
露出と売上高を様々な形で比較した時に、TV広告のコストパフォーマンスに、
何らかの形で負の影響が生じているはずです。
しかしこの10年以上に渡る調査によると、そのようなデータはないというのです。
テレビ広告は今もって有効であり、有効でなくなりつつある証拠はないということです。

それから、某大手メディア調査会社によりますと、テレビ広告の有効性が、
薄れたというよりはむしろ、近年僅かながら、有効性が増加しているそうです。
つまり、コストパフォーマンスが増加しているというのです。
その調査によると、オンラインへ誘導する契機の3分の1は、
オフラインのマスメディアだそうです。
マスメディアが契機となってオンラインに繋がっているのです。
このようにオンラインからオンラインへ繋がるというよりも、
オフラインのマスメディアの方が、影響が大きいという調査もあるわけです。
最近のテレビ広告は、検索ワードというのを、最後に出すことも多いため、
相乗効果が生まれているようです。

インターネット広告がテレビ広告の代役になって、
独立した広告媒体として果たせる役割には限度があるのではないか、
という議論も、一方で出てきています。
むしろ、インターネット広告が補助的な役割になっている可能性もあります。
そのような研究は、まだ十分にはなされてはいません。
まだ研究途上ですが、「テレビ広告が衰退した」「有効性が減少した」
という意見に対してそうではない、ということが続々と発表され始めてきています。
ウォートンスクール(The Wharton School of the University of Pennsylvania)
という、有名なビジネススクールのローディッシュ教授は、
インターネットが開始され、爆発的に普及した1995年以降の調査で、
テレビ広告がより有効になったと発表しています。
より有効になった、つまり互いの相乗効果によって、テレビ広告は、
むしろ有効性、コストパフォーマンスを増しているという調査結果を発表しています。
次々とテレビ広告無用論等々が出ている中で、テレビ広告は依然として、
メディアの王者であるということが様々な調査結果により言われ始めているのです。
もし、これらの調査結果が事実であるとすると、キー局のみならず、
テレビ広告を収益の柱にしている広告会社にとって大変大きな福音となるでしょう。
しかしこれらの調査結果だけで、果たして本当にテレビ広告が、
王者であり続けられるのかどうかは定かではありません。
インターネット広告がテレビ広告に取って代わるのか、
あるいはインターネット広告と共存しながらも、テレビ広告の王座は、
揺るぎ無く続くのか、マーケターにとっては、とても悩ましい問題であります。


■マス広告とワン・トゥ・ワン広告の違い
日常生活の中で、テレビを見て買った品物とインターネットで知って、
買った品物の量を比べると、やはりテレビコマーシャルの影響が大きい、
と思う方が多いのではないでしょうか。
要するに、マスというのは、皆で情報を共有している安心感がある、
メディアの接触方法なのです。
インターネットのワン・トゥ・ワンでのメッセージとマス広告とでは、
質的にメッセージの伝わり方が違うのではないか、ということが推測されます。
この研究はとても難しく、心理学、消費者心理学も含めて、
マスとワン・トゥ・ワンでは、メッセージの受け止め方がどのように異なるのか、
ということの考察が重要になってくるでしょう。


■ラジオの役割とメディアの歴史
ラジオはアメリカでは、ローカルメディアとして、また、専門チャンネルとして、
非常に存在感があります。
ラジオが残っていくためには、その局のキャラクターや、アイデンティティ、
と呼ばれるようなものが非常に重要になってくると思います。
ラジオ広告にしても、イマジネーションを湧かせるには、
もってこいの媒体ですから、クロスFMさんでも、色々と新しい実験もして欲しいな、
と思っています。

新しいメディアが、昔のメディアを駆逐するということはあまりないのです。
印刷があって、電波が登場しましたが、電波が印刷を駆逐したかというと、
そういうことはありませんでした。
常にメディアは、積み重なっていくものなので、ラジオも新聞も雑誌も、
インターネットも、おそらく社会に織り込まれていって、
より豊かなコミュニケーションの道具になるのではないのかな、
という気がいたします。

分野: 出頭則行教授 |スピーカー:

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