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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 経営戦略とは何か①(経営学/久原 正治)

経営戦略とは何か①(経営学/久原 正治)

09/04/29

■経営戦略

戦略とは、競争優位を達成する意思決定や行動の事で、
成長している企業と衰退していく企業を分けるものが、
経営戦略です。
つまり、経営戦略が良いものであれば、
企業は衰退せずに生き延びていくことができます。
ところが、経営戦略がない会社は、
かなりの確率で衰退してしまいます。
このような意味で、経営戦略は、
非常に大事な分野です。


■ユニクロのフォーカス戦略

なぜ、この不景気の中、
ユニクロの業績が非常に良いのかを例に、
経営戦略の大切さについて、お話していきたいと思います。
ユニクロが好調な一方で、
デパートは、博多でも惨憺たる業績です。
デパートで、高い衣料品が売れていないそうです。
ここに、戦略の中でも、何にフォーカスするか
という戦略が1つ含まれています。
また、コストを下げても、品質をある程度上げて
維持していくという戦略もユニクロはとっており、
業績の好調さと関係しています。

従来の販売方法では、
一方で高級品を、非常にお金持ちを狙って売り、
他方で非常に安くてあまりよくない品物を、
所得の低い層を狙って売っていました。
このような方法は、
前者をフォーカスした差別化戦略、
後者をフォーカスした低価格戦略といい、
従来だと機能していました。
ところが、全国民の所得が下がり、
生活が困難になってきた場合に、
皆が求めているものは、ある程度、
品質が良く、コストは安いもののようです。
また、幅広い分野の人が着ることができるもの、
例えば、親と子どもが同じものを着ることが
できるものが求められています。
そこにフォーカスしたことが、
ユニクロが非常に業績を上げている要因です。


■ユニクロとGAP

それから、デザインも重要です。
ユニクロでは、全店舗網でITなどを駆使し、
情報を早く仕入れて、それに合うものを
早くデザインして、自分のところで作っています。
例えば、ユニクロの競争相手で、
世界的に見ると、GAPという会社があり、
GAPも同様の戦略を行っていましたが、
ユニクロの方がうまくいっています。
その理由は2つあり、
1つは、ユニクロの場合は、
デザインから、生産までを、全部、
システムでつなぎ、素早く新しく売れそうなものを、
大量に作って安くしている点です。
その商品が駄目になると、
次の商品をまた作り出していきます。
GAPの場合は、生産を中国の人件費の
安い地域にアウトソースで出しています。
そうすると、少しタイミングが遅れたり、
当初デザインしたものが、
お客様が満足する品質に到達しなかったり
するような問題点が出てきます。
そのような点で、ユニクロの戦略は、
非常にうまくいっているのだと思います。


■ユニクロの多角化戦略

ユニクロがGAPよりも優位に
立っている理由の2つめは、多角化です。
アメリカでも、大衆の衣料品の会社は、
ある程度、高級な分野を目指すものと、
少し低級な分野を目指すもので、
ブランドを分けたりしています。
あるいは、子ども用や老人用などと
分けたりするのが、従来の戦略です。
しかし、ユニクロは、似たような戦略を
とっているようにも見えますが、
おそらく、これまでの他の会社ほど、明確に分けずに、
ある程度商品に弾力性を持たせています。
なぜ、ユニクロがそのような戦略を
とっているかというと、実は、戦略の言葉に、
「企業は多角化しないと、
1つのことだけやっていては滅びる。」
というものがあるからです。
そこで、ユニクロは、早い段階で多角化を
試してみていたのです。
実は昔、ユニクロは野菜を売ったりもしていました。
しかし、これはほとんど失敗してしまい、
もう一度、ベーシックなところに戻ろう、
という戦略をとっています。
多角化を関係のないものに伸ばすのではなく、
非常に関係があるもので、自分達の力を使えるところで、
多角化していこう、という戦略が見られるわけです。


■日本のマクドナルドの戦略

日本のマクドナルドも、業績が好調です。
マクドナルドのようなグローバルな企業の
戦略を考えてみたいと思います。
当然、マクドナルドという名前は、
世界中で皆に知られていますが、
それぞれの国のマーケットで、
それぞれの人が食べるものは、
当然、文化や習慣の影響で違ってきます。
私もアメリカに長くいましたが、
アメリカのマクドナルドは、安くて、
質はあまりよくありません。
例えば、我々がアメリカで仕事をしていた場合、
マクドナルドに食べに行くことは、まずありません。
しかし、日本の場合は、我々も、
たまにはマクドナルドに行きます。
何が違うかというと、日本のマクドナルドは、
クオリティが非常に良いのです。
日本の企業の特徴は、単にコストを下げるだけでは駄目で、
ある程度の品質を保ち、コストを下げていくことにあります。
アメリカの場合は、コストを下げるのであれば、
徹底的に下げます。
その代わり、金持ちの人はもっと高いレストランに
行けばいいではないかとして、
それぞれのマーケットを分けていくのです。
日本は、微妙に品質も維持することにより、
ターゲットを広く設定しています。
そういう意味で、日本のマクドナルドは、
アメリカと比べると、成功している面があるのだと思います。

同じマクドナルドでも、国により、取る戦略が
こんなにも違うのかという気がすると思いますが、
アメリカの企業と日本の企業は、
取る戦略の背景が違うということが、理由の1つです。
これは、また別途、議論するべきテーマになります。

分野: 久原正治教授 |スピーカー:

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