QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

過去の記事詳細

QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > TiEシリコンバレーについて(ベンチャー企業/五十嵐 伸吾)

TiEシリコンバレーについて(ベンチャー企業/五十嵐 伸吾)

09/04/06

■シリコンバレー訪問の経緯

1月末にTiE(The Indus Entrepreneurs)と
共催の国際シンポジウムを行いました。
TiEはシリコンバレーで発祥の地ということもあり、
調査に行きたくなり、数週間後に
TiEシリコンバレー支部のオフィスを訪ねました。

国際シンポジウムの後、レキさんはすこぶる上機嫌でした。
2日連続で、福岡の人たちが、
熱心に自分の話に耳を傾けてくれ、
また、真摯に議論が出来たことに対する
満足が背景にあったと思います。
その意味で、切っ掛けを作ってくれた
九大の一人の女子学生に感謝です。
シンポジウムの会場を退席する間際に
レキさんは「何かあったら連絡くれよ。」とのこと。
そこで、「1ヶ月後、シリコンバレー行きます。」と伝えたところ、
「その前に、絶対にEメールをくれ。」と言ってくれました。
そこで渡米前に、スケジュールを伝えたのですが、
残念ながら、レキさんからの返事では
「本当は会いたのだが、その日程は、
バンガロール(インド)にいる。
直接TiEのオフィスに行ってくれ。」とのこと。


■TiEシリコンバレー支部

そこで、TiE東京支部を通じて、
シリコンバレー(SV)支部に紹介を求めました。
話は至ってスムーズに進みました。
何度かベイ・エリア、つまりシリコンバレーの地理に
ついてお話して来ましたので簡単に触れますと、
サンフランシスコから細長く南東に切れ込んだ
カリフォルニア湾があり、まん中位に、
サンフランシスコ国際空港(SFO)があります。
その湾右下の突き当たりのところがサンノゼ。
サンノゼ市街から、車で30分弱のところ、
サンノゼの少し上のところにサンタ・クララという街があります。
TiEのシリコンバレー支部はサンタ・クララにあります。
ここは、カンワル・レキ氏が中心となり
最初にTiEをスタートさせた支部であり、
また、現在では最大の支部でもあります。
シリコンバレー支部の方は
非常に親切に応対してくれました。


■起業するとき、誰に相談しに行けばよいか?

実は私もこの1月からTiE東京支部の
チャーターメンバーになりました。
SVでお聞きした話では、チャーターメンバーには
基本的に成功した起業家しかなれないそうです。
僕みたいな、大学の教員がメンバーに
なっているのは日本だけのようです。
アメリカにも大学の教員でチャーターメンバーもおります。
しかし、起業家から大学教員に転じたケースが多く、
つまり彼らもまた成功した起業家なのです。
「自分が最初に起業した時には、
誰も相談相手がいなかった。
どうしていいか分からなかったし、それなら、
どこに相談に行けばいいかも分からなかった。
だから、あとから続く起業家には
こんな思いをさせたくなかった。
初めはインド人のために始めたわけのだけど、
インド人に限らず起業を志す者ならみな同じだろう。
誰かが起業を考えた時に、これはどうしたらいいか、
どんな問題が起こるのか、誰に相談したらいいか
ということの相談に乗れる窓口を作りたい。
そのためにTiEを立ち上げ、チャーターメンバーを集めた。」と、
SV支部の事務局長は話してくれました。
それは、カンワル・レキさんとそっくり同じ言葉でした。

精神的な心強さもありますが、
実体験に基づく色々なノウハウを直接、
本人から教えてもらえるということは
非常に大きなことです。
私はビジネススクールの教壇に立っていますが、
直接起業家に教えてもらった方が
勉強になるかもしれないですね。
しかも、知識だけではなく、
大きなネットワークの力も得るチャンスもできます。


■TiEシリコンバレー支部の様子

最初に、入口から事務所に入った時には、
ごくありふれたアメリカのオフィスかなと感じました。
可動式の壁で囲まれたブースがいくつもありました。
TiE SV支部のオフィスには、
シリコンバレーで10人おり、それに
グローバルにTiE全体をサポートする
メンバー7人がSV支部におり、
計17人が常時SV支部で働いているようです。
事務局長にTiE活動について教えていただいた後に、
オフィスの中を案内して頂きました。
当初の印象と異なり、驚いたことに
オフォスの奥には大きなホールがありました。

250人程度は収容できる大きなものでした。
訪問したその日は女性向けの起業家イベントが
予定されており、ボランティアを含め
スタッフが準備を急いでいました。
ホールの脇にはアメリカ流にクッキーや
コーヒーのコーナーがあり、参加者は
自由に飲食できるようになっていました。
きっと、その日も盛況のことでしょう。


■草の根の起業家応援

お話したチャーターメンバーはボランティアですし、
イベントの企画運営も、全てボランティアが基本です。
シリコンバレー支部では何かのイベントの際には
すぐ20人くらいは集まってくれるのだそうです。
まさにNPOで草の根から起業家全体を
応援する活動を地道に行っているので。
現在、世界で最高の集客力を誇るTiE Con(タイコン)も、
最初は、小さな会議室で始めたそうです。
しかし、すぐに参加者が増え手狭になり、
この大きなホール付きのオフィスに移転。
ここでは160人位まで行ったそうです。
なお、参加者は増え続け現在は、
近くのコンベンションセンターを
借り切って行うようになったそうです。
現在では毎年3千人から5千人が
参加する規模となっています。
繰り返しになりますが、この大きなイベントを支えるのも
ボランティアの善意です。
自分たちが困ったことは、
他の人たちにはさせたくないという考えのもと、
彼らは行動しています。
アメリカン・ドリームが素晴らしいと感じることは、
成功した起業家は、億万長者になり丘の上に
豪邸を建てたりしますが、きちんと社会貢献に
取り組むことですね。


■チャーターメンバー専用の部屋

訪問して嬉しかったことがいくつかありますが、
2つだけお話します。
一つ目は、チャーターメンバー専用の部屋の話です。
オフィス棟の中に談話室のような広めの部屋が
併設されており、テーブルとソファーが
20個程度並んでいました。
そこはチャーターメンバー専用の部屋だそうです。
私が日本支部チャーターメンバーとなったことは
お話しましたが、「今度から、アポイントメントを取らずに、
いつ来てもいいよ。そして、この部屋を自由に使って。
他のメンバーも顔を出すから。」と言ってくれました。
ここでは、チャーターメンバー相互や
事務局のメンバーとの交流を本当に大切にします。
メンタリングと、ネットワーキングが一番大事だと、
レキさんは考え、そのネットワーキングのためには、
まずはチャーターメンバー同士がつながることが
大事だということです。


■グローバルなネットワーク

二つ目に嬉しかったことは、
「あなたは東京支部のチャーターメンバーかもしれないけど、
TiEのコンセプトとして、どこかの支部の問題点は
1つの支部で終わりにしないことにしている。
だから、何かやりたいことあれば、遠慮なく
SV支部でも他の支部にでも連絡してほしい。
全ての支部があなたを応援する。
それが、TiEのいいところだ。」との発言があったことです。
いくつか具体的に「例えば、半導体のベンチャーであれば、
シリコンバレーとボストンと他の支部を結んで、
1つのプロジェクトとして取り組むというのは
実際にある話だ」という例も示されました。
日本の起業家支援の現場を振り返ると、
孤立無援で問題を抱え込み苦労しているところも
多いようですが、TiEのグローバルなネットワークの
強みということを心底感じさせられました。

090413.jpg
TiE SV支部にて

分野: 五十嵐伸吾准教授 |スピーカー:

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ