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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 麻生内閣と景気対策(財務戦略/村藤 功)

麻生内閣と景気対策(財務戦略/村藤 功)

09/04/03

■麻生内閣
今回は、麻生内閣と景気対策についてお話させていただきます。
麻生内閣の支持率が、もう下がる一方という状態です。
世界経済や諸外国の政治のように、日本も例にもれず、
困ったことになっています。
麻生内閣も、去年の秋に発足した当初は、50%位の支持率がありました。
ここですぐに解散せずに、様々な危機の対策をやっている内に、
10%ほどまで支持率が下落してきたという状況です。

そもそも、解散総選挙は、一体どうなったのでしょうか。
就任後すぐの秋に行えばまたましだったのかな、とも思います。
しかしリーマンショックの後だったので難しい状況でした。
リーマンショックで経済状況が大変なのに選挙をやっていたら、
経済が悪くなる一方ということで、対策を始めたら、
それが延々と終わらなくなってしまったのです。

最近は、与謝野大臣がガイトナー財務長官に、
GDPの2%の経済対策を織り込んだ対策を作る、と言ってしまいました。
これは、2009年度の予算成立の後に追加経済対策を織り込んだ、
補正予算を作る、という意味です。
つまり今年の5月頃の話なのです。
ですから、麻生総理は2009年度予算成立後というよりは、
最短でもアメリカと公約したGDPの2%の経済対策を織り込んだ、
補正予算成立までは解散をしそうにないのです。


■日本のGDPと失業率
景気が悪いのは確かで、去年の第4クオーターのGDPが、
12%も下落してしまいました。
ここ数年はゼロ成長や、1~2%成長という数字だったものが、
12%下落したわけです。
誰もこの事態で社会がどうなってしまうのか想像がつきません。
2009年度の実質経済成長率は、3%ほどのマイナスになる、
という見込みです。
失業率も上がるかもしれません。
失業率は現在4%ほどになってきていますが、
これが7%位までいってしまうのではという懸念もあります。
これは、実はかなり厳しい状況です。
日本でこれほど失業率上がったことは過去にないのです。

バブル崩壊以降は、大変な勢いで資産が失われたのですが、
政府が膨大な公共投資を行ったので、
GDPはそれほど下がったわけではありませんでした。
バブル後の日本は金融資産をかなり失いましたが、
GDPは何とか維持してきたわけです。
そこで何とか景気が戻ってきたな、と思った途端に、
世界から金融危機と経済危機が攻めてきてしまいました。


■金融機能強化法と対策の財源
金融機能強化法というのは、預金保険勘定から、
金融機関の自己資本に注入しよう、というものです。
現在、札幌北洋銀行や南日本銀行、福邦銀行など、
三行ほどが自己資本を注入して下さい、と言っているだけですので、
全体でみると、そう多くありません。

そもそも、何が起こったのかを順番にお話させていただきます。
昨年9月にリーマンショックがまず起こりました。
そこで政府は、追加経済対策を10月に発表して、
生活防衛対策を12月に発表しました。
それから、09年度予算を成立させた後に、さらなる追加経済対策を、
今年の4月にまとめようとしています。
ところが、○○対策と呼ばれるものと、財源の確保というものは別の問題です。
財源の話をすると、1月に成立した第二次補正予算、
3月末の2009年度の予算、あるいは、2009年度の補正予算を、
5月か6月に通そう、このような議論が対策発表の後で、
対策の議論とは別に行われています。
皆さんは、まず財源を確保してから対策を打つとお考えかもしれませんが、
普通は対策を発表して、それから、かなり遅れて財源が確保される、
という順番で物事が起こります。

リーマンショックの後に発表される10月の追加経済対策で、
金融機能強化法だけでなく、定額給付金の話が、もう出ていました。
定額給付金の2兆円という話はもう出ていたのですが、
財源が確保されていませんでした。
その後大分たって3月に財源特例法案が通って、
やっと給付を開始できたということなのです。
10月には言いっぱなしにして、財源をどうするのか、
誰も知らなかったという状況です。
さらに12月に、生活防衛対策を発表したのですが、この中に、
雇用対策や地方交付税の1兆円増額、それから、
経済金融対策予備費を新設しよう、というものがありました。
これも、財源の話はなく、生活防衛対策を言っているだけ、
ということでした。
実は地方交付税の1兆円の増額、経済金融対策の予備費新設は、
09年度予算の中に入っていますので、まだ通っていません。
これが、09年度予算を3月末に確保した段階で、
実現されてくるということになるわけです。


■様々な対策と日本の財政
雇用対策を行わなければならないので、雇用創出基金を作りましょう、
地方に元気になってもらわなければならないので、
地方交付税を増額しましょうという議論があります。
それから、銀行の自己資本が足りないので、金融機能強化法で、
2兆円を注入しよう、さらに生活防衛対策で決まり、
第二次補正で予算化されたのが、その2兆円を12兆円に増額しよう、
というものです。
このように、行わなければならない対策が、色々あります。
政府が計画していることの殆どは、確かに行うべきかもしれませんが、
行った結果、一体どうなってしまうのか、
ということはあまり考えられていません。
バブル崩壊の後よりも、見境なく、巨額のお金を使っていますので、
ただでさえ悪化していた財政が更にひどいことになることは間違いありません。
最近、100年に一度の危機なのだから、お金は山のように、
湯水のように使え、という議論が、頻繁に出てきています。
しかし、今回の世界的な危機の前に、日本の財政は、
かなり破綻していたのです。
それを更に、破綻させてしまうような話を、皆がしています。
本当に事態を分かって言っているのかと心配しています。

中央政府の連結だけで、800兆円位の資産があります。
まず、資産を売却したり、事業を民間に移転したり、
という議論を行うべきです。
ところが、それはすっかり止まってしまい、公共投資や雇用対策に、
お金を新しく使う議論ばかりです。
それも、国民からの税金を増やしたり、赤字国債を発行したりして、
返済責任は将来世代に先送りして使おう、という話になっているので、
実は結構困ったことなのです。


■民主党と国会運営
民主党は、もともと、自民党に比べると、
政府がより多くの仕事をするべきだと考えている党です。
小さい政府より、大きな政府として色々な事を行い、
もっと弱い人々を沢山守れ、という党です。
そういう意味では、このような状況では、様々な対策をやれ、
という方なのです。
麻生総理に落胆し、一度民主党に任せたら面白いのでは、
と思っていたところに、小沢代表がスキャンダルに巻き込まれた、
ということで、少し困ったことになっています。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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