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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 2008年度日本の広告費(マーケティング/出頭則行)

2008年度日本の広告費(マーケティング/出頭則行)

09/04/27

■2008年度の広告業界
丁度昨年もこの時期に、前年度の広告費のお話をさせて頂きましたが、
今年も電通から、2008年度の広告費の統計が出ましたので、
その広告費統計から、メディアの盛衰、あるいは、
企業活動の動向を見てみたいと思います。
広報活動は、よく世相の反映、世相を映す鏡、と言われていますので、
その統計数値から世の中の動きを見てみようというのが、今回の試みです。

2008年の立ち上がりは、非常に堅調にスタートしました。
北京オリンピックもありましたし、洞爺湖サミットも開かれる等々で、
前半は、なかなかの立ち上がりでした。
しかしご存知の通り、リーマンショックを契機とする米国発の、
金融危機の被害を最も被ったのは、むしろ輸出主導の日本である、
とも言われたほどの影響を受けました。
そのため後半以降、大きくブレーキがかかってしまい、
前年比で4.7%の減少となりました。
ここ数年、広告費は微増ながらも伸びてきていましたので、
総額で4.7%の減少は相当大きな減少であると言えます。
アメリカなどよりも、マイナス幅が大きいのです。
日本企業は景気悪化に対して対応が機敏なので、
自動車の在庫調整と一緒で、コストへのブレーキをかけると、
全てにブレーキがかかってしまうということがあるようで、
年の後半から、広告活動が、相当沈滞化したということです。
これだけ不況となると広告費を削るということになってしまいます。

そのような中でも、伸びている分野もあります。
わずかながらですが、よく不況に強い業種と言われている、
食品などがそうです。
食べることを減らすことはありませんからね。
それから、薬品、衣料品などは、不況になったから元気になる、
というわけではなく、不況下でも一定の需要があるということです。
このように食品、医薬品、衣料品は、わずかながらも広告費が上がっています。
さらにスポーツ用品、趣味という業種も伸びています。
しかし、この3業種以外は、全業種で広告費がダウンいたしました。


■メディア別の影響
メディア別では、やはり一番大きなパイを持っているマス4媒体への影響が、
大きかったわけです。
テレビと新聞、雑誌とラジオのことを、マス4媒体と言います。
従来、10年ほど前までは、全広告費の3分の2は、
このマス4媒体が占めていました。
しかし昨年は、4年連続ですが、この4つが7.6%の減少となり、
総広告費に占めるマス4媒体の割合が遂に半分を切って、
49.3%になったという、ある意味で、節目の年となりました。
マス4媒体と反比例するように、インターネットの広告、特に検索連動と、
日本の場合は、モバイル広告を中心にしたインターネット広告が、
引き続き堅調です。
かつてのように倍々で増えてきているという状況ではありませんが、
昨年度も16.3%の伸びを示して、トータルで7千億円となりました。
これは、雑誌の総広告費をはるかに越えています。
そのため、残念ながらインターネットはラジオの数倍の規模に、
なってしまっています。

インターネット広告はその安さが、何といっても強みです。
新聞広告はTVとともに、マス媒体の王者に近い存在でしたが、
昨年度の新聞広告費は8300億円ですから、ひょっとするとこの数年の内に、
インターネット広告が抜き去るかもしれない、というほど勢いの違いが出ています。

テレビ広告費は、約4.7%減少していますが、この1年で900億円の減少です。
これは、大変な額の落ち方です。やはり、パイが大きいので、
数パーセントといっても、900億円という額となるわけです。
キー局が赤字を出してしまうのも頷けます。
広告代理店も、キー局も悲鳴を上げているという状況なのです。


■インターネット広告の躍進
世間ではよく、テレビの有効性が減少した理由として、
インターネット広告が挙げられます。
なぜならば、インターネット広告は音も映像も使えて、大変安いのです。
大変な安価でインターネット広告を利用できるので、
インターネット広告がテレビ広告を食っているのです。
この勢いでは、新聞のみならず、インターネット広告が、
テレビ広告に取って代わるのではないか、という声も出ていて、
メディア業界を震撼させているわけです。
インターネットはメディア構造を根本的に変え、広告代理店の、
ビジネスそのものが変革する可能性があります。
そのような新しい時代にどんな備えをしたらいいか、
という検討が始まっています。

しかし我々の実感からしても、インターネット広告が、
テレビ広告に取って代わるのか、本当に代役になれるのかは、
未だ疑問符がつきます。
安いからと言っても、効果がなかったら意味がありません。
またインターネット広告は、あまり見ている実感がなく、
実態と乖離するということがあります。
そして、コストパフォーマンスの面からも、本当にテレビ広告の、
代わりと成り得るものなのかということを、また次回、お話したいと思います。

分野: 出頭則行教授 |スピーカー:

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