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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 国家公務員制度改革(財務戦略/村藤 功)

国家公務員制度改革(財務戦略/村藤 功)

09/03/20

■国家公務員改革の現状
これまで、国家公務員改革についてお話してきました。
今回はその現状からお話させて頂きます。

総理大臣が変わると、だんだんと改革のペースが、
鈍っているように思えます。
安倍総理、福田総理は、まだ改革を続けていましたが、
麻生総理になってからは、何だかスピードが鈍っていて、
本当に大丈夫なのかと、少し心配になってきました。
ただ麻生総理も、国会でいじめられた結果、渡りや、
天下りを今年中に禁止する政令を作る、と言い始めていますので、
やっと少し進み始めたかな、という気配もありますね。

麻生総理が叩かれたため、当初は三年間の経過期間を作ろう、
と言っていたのが、あと一年で個別省庁の斡旋が、
できなくなる可能性が出てきました。
実は昨年末に、官民人材交流センターというものが出来ました。
そこで各省庁が、個別に人材を斡旋するのではなく、
官民人材交流センターを通じて一度だけ斡旋できるということを、
これからの原則にすると決めました。
一方で今後三年間は、経過措置として、
再就職監視委員会という機関が、
省庁の個別の斡旋を承認するという話をしていました。
ところが、民主党がそんなことは許せない、
と言って反対したため再就職等監視委員会が、
まだ立ち上がっていません。
そうこうしている内に、皆さんご存知だと思いますが、
官僚が、委員会ができないのなら、
総理に承認をさせようという政令を作りました。
そこで、法律で決めたものをなぜ政令でひっくり返すのかということで、
大騒ぎが起こったわけです。
総理が天下りや渡り禁止の政令を今年中に作って、
一年以内に個別省庁の斡旋ができなくなることが期待されています。


■天下り、渡り
改めて、退職後の国家公務員の動き、
天下りや渡りというものについてご説明します。

「天下り」は、基本的には個別省庁が、
辞めた官僚が次に行くところを斡旋するというものです。
斡旋して何が悪いのかというと、自分の省庁で、
許認可権を持っている相手の産業に、
人材を受け入れてくれたらこれをしてあげる、
あるいはこういったことをしないでやるなどと言うからです。
このように、裏には人材受け入れの見返りがあるわけです。
省庁の斡旋にたよらず個人で行くならともかく、
許認可してあげる、しないであげるなどの話をしてから、
企業に行かせるということでは問題です。

「渡り」というのは、更にタチが悪いものです。
一旦、天下りをして、その団体、企業で、
ずっと仕事しているならともかく、2~3年しか仕事をしないで、
そろそろ次の場所に行こうかなと言って、渡り鳥のように、
次の財団法人や公益法人へと渡っていくわけです。
しかも天下り先の退職金規程に従って、2~3年ごとに、
何千万円も退職金を稼ぎ続けるという、とんでもない話なのです。
何億円も貰っている、2~4つも渡ったという話も出てきています。
たいした仕事もしないのに2~3年おきに、
何千万円も貰っていいのかということで、皆怒っているわけです。


■内閣人事・行政管理局の発足
内閣が官僚の幹部人事を一元管理することで、
各省単位に行われていた官僚の忠誠心が、
各省に向かいがちだったものを内閣に向けさせる狙いで、
内閣人事局というものを作ろうという話があります。
当初は今年の4月から内閣の人事局を発足させる予定でした。
ところが、この手の話は様々な人たちに、
利害関係があるので、もめるわけです。
基本的には一年先送りにすることになり、来年の4月から、
内閣人事行政管理局を発足させようということになりました。
しかし来年から作るものなのでスムーズに、
立ち上げに向かっているかというと、最近少し人事院ともめています。
人事院とは人件費の基本方針を策定したり、
公務員の級別定数管理をしたりする組織です。
公務員には1級から10級まで色々な人がいて、
それぞれの級別に俸給表があって、給料を決めています。
人事院がこれまで行っていたこの仕事を取り上げて、
これからは内閣人事行政管理局にやらせようということなので、
人事院が怒っているのです。
人事院のトップは結構強気ですしね。
しかし、一旦そう決めたら、権限は移ってしまいます。
移ってしまうと、次はどうなるかということが問題です。
上の方の部局長以上を指定職と言いますが、
指定職は指定職俸給表というものがあり、
それなりの給料をもらっています。
民主党は政権をとった暁には、局長以上の指定職には、
担当政治家をセットで付けることを画策しています。
こうすることで指定職をコントロールしようということを考えています。
最近は小沢代表の秘書が捕まったりしてしまい、
話がよく分からなくなってきていますが。

これまでは、どちらかというと、議院内閣制ではなく、
官僚内閣制だと言われてきました。
官僚が勝手に決めているものを、政治家は、
国会で読まされているだけだという思いが、
自民党と民主党の政治家の方にはあります。
そのため、何とか国会の方に行政のコントロール機能を、
取り戻そうと戦っているのです。


■国の出先機関の将来
その他、少し気になるものとしては、国の出先機関を整理する、
という話があります。
大きいのは、国土交通省の地方整備局や、
農水省の地方農政局などです。
他にも重要なものとして、経産省の経済産業局もありますね。
国家公務員の大半は実は地方に出ており、
特別会計など勝手に使えるお金もあって、
地方でゆっくりしてから中央に戻るということが多いのです。
しかし最近になって、道州制が検討されています。
そこで、これらの地方においてある中央管轄の組織を、
全て道州に移してしまおう、あるいは廃止したらどうか、
というような選択肢が検討されています。
流石に廃止は無理そうだと縮小を企画している人もいます。
例えば、地方整備局でいうと、道路や川の管理が、
県や市などと重なっていることがあります。
これらは国がやらずに県や市に任せればいいのでは、
という意見もあります。
さらに道路に関して言えば、市町村道や都道府県道、国道と、
それぞれ別の役所が管理しています。
これらは全て一つの自治体に管轄をまとめてもいいのではないか、
という話もあります。
しかし道州制導入時に国の出先機関を道州に移そうとしても、
自治体の側が受け入れを嫌がることもありますので、
これをめぐっては生々しい戦いが繰り広げられているという状況です。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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