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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 日本の若者はアジアのリーダーに

日本の若者はアジアのリーダーに

09/03/05

前回は日本の若者も、どんどん世界に出ていかなければならず、
そのためには教育システムというものを、
世界に開かなければいけないという話をしました。
アメリカというのは従来から非常に分かり易い国であり、
教育、特に言語のアドバンテージが現在では大きいわけですが、
グローバリゼーションの中で英語というのを、
アジアや世界中の若者が、高校の時から英語で
様々なことを勉強するようになってきているので、
アメリカの大学の価値、あるいは競争力というのが
ますます高まっています。ただ、ナインイレブン(9.11)以降、
留学ビザが若干取りにくかったため、
なかなか入り難かったわけです。だんだんそれが落ち着いてきて、
特にこのサブプライム以降、あるいはオバマ政権誕生以後の
パラダイム転換の中で、アメリカの教育というのは、
ますますその力を持ってくる可能性があります。

■日本の大学のメリット
実は日本の大学には、いくつも大きなメリットがあります。
1つ目は、日本がアジアでの中で真っ先に近代化を果たしたことです。
これは、西欧列国と完全に並んで近代化を果たした
という歴史があるわけです。
2つ目は最近では、やはりアメリカよりも日本の方が、
安全だし、住みやすいしという点です。さらに、いわゆる若者文化、
アニメやゲームという日本に憧れています。
3つ目は日本の大学に行くと、学生同士がネットワークを作れるという点です。
これは以前お話したことがあるのですが、
シンガポールマネジメント大学の学生たちが日本の大学に短期留学して、
これほど楽しかったことはないと言っていました。そこで、
私が彼らに「なぜ」と聞いたところ、
「シンガポールではガリ勉ばっかりしていたから、友達が出来なかった。
ところが、日本の大学に行ったら、そんなにガリ勉せずに、
様々な人と本当の友達になれた」と言っていました。
これはアジアの教育のモデルとしての大学が、
必ずしも「ガリ勉」だけをして知識を得る場所というよりはむしろ、
生涯にわたるネットワークを作る場所であるという意味です。
そういう意味では、日本の大学というのは実に、
学生同士が楽しくネットワークを作るという意味で、
実は競争優位になります。
九州大学のビジネススクールでは、アジアからの留学生も含めて、
異業種の社会人の方がほとんど占めています。
彼らにビジネススクールの良かったと点を聞いたところ、
コミュニケーションということが挙げられていました。
そこに日本の特徴があるように思われます。
これはアメリカの大学院に比べて、必ずしも日本のビジネススクールが
学問的に劣っていると言っているのではなく、
やはりメリットの部分というのが存在します。
そして、異質のものが交わる中からお互いに学んだり、
ネットワークができる。これが、これからの、オバマ、
サブプライム以降の世界で、最も重要なことになっていくように思われます。
従って、アジアの若者にとり日本の大学に留学することは
非常に良いし、九大のビジネススクールというのも非常に良いのです。

■「鎖国」からの脱却―入学試験を英語に―
拙著『日本の若者を世界に通用する人材に』中で、
大学の「鎖国」といっているのは、入学試験のところで、
実はせっかくポテンシャルにいい留学生が来るのを止めている
という意味です。こういう意味で、「鎖国」と言っています。
なぜならば、日本の大学は入学試験を日本語で行っているからです。
世界中の若者が英語で授業する大学あるいは大学院に
留学しようとしているのに、日本の大学だけ、日本語という難しい言語を
来る前に勉強しなければならないし、書類も願書とか見たら、
日本語で書いてあり、これは鎖国しているわけです。
大学経営をよりグローバル化するというのは、
ちょっとしたことのように思われます。例えば、アプリケーション(願書)を
英語で作るなんて、たいしたことではないですし、
あるいは、ホームページを英語でしっかりと作って、それから、
入学試験は英語で受験が可能で、日本語は来た後教え、
授業は英語と日本語の両方で行って、英語でも卒業可能という形にしていくと、
日本の大学に異質のものがどんどん入ってきて、
学生も教員もそういったものに刺激され、これからのグローバルな時代に
ふさわしい人材になっていくだろうと思われます。
前回にもお話しましたが、確かに経済危機も重要視しないといけませんが、
サブプライムローン問題が解決した後、もしくは、オバマ大統領が
ある程度色んな基盤を整備した後の人材や組織のモデルがどうなるのか
ということが非常に重要です。
ひとつは、異質のものが大事にされて、異質のものをどのようにして
リーダーシップで引っ張っていくかということです。
そしてもうひとつは、アメリカが地盤沈下するので、
日本がアジア中で異質のものを引っ張ってリーダーになっていけるかどうか、
またそういう人材や人材を集めるような組織ができていけば、
日本の経済も再生してもう一度繁栄する可能性が出てきます。

■アジアの中の日本
拙著『日本の若者を世界に通用する人材に』の表紙では
シンガポールが中心になって、その周りを取り囲むように、
トライアングルで、中国、ASEAN、インドを置き日本が遠くに外れています。
この図の意味は、これから成長するのは、中国、インド、ASEANであり、
現在は少し落ちていますが、将来的には10%近い成長率で
引き続き成長していくと予想できます。シンガポールというのは、
そういう成長の上前をはねるように、自らの産業構造とか、
国の構造を変えてきました。そうすると、シンガポールは今後非常に将来性があり、
人材も集まるようになっていきます。
一方、日本は単に中国とかASEANに輸出していますが、
それは遠くから物を輸出しているだけで、この3つの中に入っていって、
シンガポールにように上前をはねるということができていません。
そうすると、日本は、だんだん地盤沈下していって、
その間に中国とかインドの下になってしまうという意味の図です。
そうならないためには、これからの日本がアジアのリーダーとして、
どういうふうにしていかないといけないのかというと、
若者が異質のものに触れて、そういう中で、アジアというものをしっかり見て、
様々な商売というのはアジアと絡まなければ成長はないということを
認識することが重要です。日本の国の中だけを見ても、成長はないから、
利益も伸びないし、そういうことをしっかり理解して、その為に、
少々大変かもしれませんが、英語がコミュニケーションのツールですので、
しっかりと身に付けて、グローバルな世界に出て行って欲しいというのが
この本で書かせていただいた趣旨です。

(新刊紹介)
久原正治著「日本の若者を世界に通用する人材に」学文社、2009年1月刊

分野: 久原正治教授 |スピーカー:

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