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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > サブプライム・オバマ以降のパラダイム転換

サブプライム・オバマ以降のパラダイム転換

09/03/04

以前、オバマ大統領就任前後以降のアメリカ経済、
そして日本はどういうふうにいっていかなければならないか
をお話しました。
今回は、グローバリゼーションと知識人材
というところからお話します。

■アジアにおける知識人材と日本
現在、一番重要なのはサブプライム以降、
そしてオバマ政権誕生以降、これから世界がどうなるのか
ということです。これは実は世界の大きな転換点になっており、
同政権誕生以降というのは、従来の対立するようなものを
引っ張るリーダーから、異質のものを融合するリーダーの時代に、
明らかに変わったということが1つ挙げられます。
また、サブプライム後をどのように考えればいいかといいますと、
アメリカ中心のグローバリゼーションから、
アメリカの地位が少し落ちて、これから成長していく大きな軸である
中国、インドといったアジアというのが前面に出てきている点です。
そういう中で、アジアの中で知識人材と呼ばれる人たちが、
どんどん出てきており、こういう動きを、我々はしっかりと捉えて、
単に経済が苦しくなったとか、派遣労働者が首を切られたという、
後ろ向きの話だけでなく、先がどうなるかということを
捉えていかないと、日本という国は
地盤沈下していくのではないかと思われます。
そういった理由から、今回のテーマである、
「グローバリゼーションの中で知識人材
というのが重要になりますよ」ということを
考えてみようと思った次第です。
日本というのは、実は日本語が非常に発達しており、
海外のものを全部日本語に訳してきたということが、
今となってみるとしがらみになっています。
一方でアジアの新興国というのは、
そういうしがらみがありません。1つ目に、
中国やベトナムのような旧共産国では、全く共産主義、
社会主義というのはなくなったわけですので、
どんな新たなものでも、これはいいものだと思って、
どんどんそっちに入っていくというのが1つあります。
そして2つ目には、自分の国の言葉で様々なことが
必ずしも体系だって紹介されておらず、
むしろ英語で紹介されることが多いことです。
そういった状況の中で、インターネットというものが広まったので、
彼ら特に若い人はインターネットで英語のところにいけば、
世界中の最高の知識がすぐに得られます。
これが、日本人と比べて、むしろアジアの若い方が
グローバルな時代において知識人材になりやすいといった理由です。

■アジアから見た日本企業
日本企業というのはアジアに現地進出して、
製造工場を作ったり、あるいは支店を作っていますが、
そういうアジアの知識人材の若者にとっては、
日本企業というのは、働くのに全く魅力的な場所ではありません。
なぜならば、日本の企業に勤めると、幹部は皆日本語で話していて
何を話しているか分かりませんし、
トップは皆日本から派遣されて来ているので、
自分たちはこういうところで働いても、部品の1つであって、
将来の昇進が見えないし、そもそも言葉が通じないということが
非常に大きくて、日本の企業の魅力が、
アジアではなくなってしまっているといった問題が存在します。
我々日本人は日本に生まれたわけですから、
先祖が一生懸命に日本の教育、あるいは文化の体系を
日本語で作ってくれました。そうした中に実はメリットがあるので、
そういうものを活かしながら現在のアジアのグローバリゼーションを
考える必要があります。
日本企業のアジア拠点では、英語がコミュニケーションの言語と
ならざるを得ないことを理解し、そういう中で、
現地の支店や工場には現地の人がトップにつくような
方向が見えてこないといけなと思います。
もう一つ、現在の日本の若者に対する大学の教育システムは
グローバルに通用する人材を全く養成していないという点が問題です。
そして、日本の企業では、会社に入ってから海外に出したりして、
そこからグローバルな人材にしようとしていますが、
今や世界ではそのような考えでは遅れているように感じられます。

■英語で入試を行ってる大学;立命館アジア太平洋大学
日本でいいますと、九州では別府に、立命館アジア太平洋大学や
APU経営大学院という、非常に特徴的な大学があります。
従来、海外からの留学生にとって日本の大学というのは、
日本語で入試をやって、日本に来るまでに、日本語をちゃんと覚えてきて、
日本語の授業が受けられるようにすることが前提だったので、
どうしても、日本に興味がある留学生しか志願してきませんでした。
ところが、立命館アジア太平洋大学というのは、
日本語は同大学に来てから勉強すればよく、
英語だけで来ていいと言った途端に、世界中から自分の国を出たいという人が、
沢山殺到したというわけです。
特に日本という国は、世界中の若い人に本当に人気があるので、
入学の基準を英語にするだけで、いい人材が沢山入学してきました。
我々教員もやってみて非常に驚いたのですが、
毎年、毎年、人材の質が上がっているようです。
まず、自分の国にずっといても、将来、大したチャンスがない国が、
世界では未だに多いわけです。そうすると、何とか国を出るために、
従来は欧米に留学していたわけですが、
実は日本というのは非常に住みやすいし、彼らは子供の頃から、
日本のアニメ等を見て興味は持っています。
それを、英語で入試を行い、英語で来ていいといった途端に、
そういう人たちが、日本は魅力的だし、安心できるし、先進国だし、
それからアジアで唯一近代化に成功したということで、
彼らとしても、日本に行ってみようかという気になっているようです。
日本の大学がある程度英語というものを
コミュニケーションの手段にして、英語でも日本語でも
卒業できるような形にしていけば、かなり優秀な人が世界中から集まってきて、
逆にそういう人は、日本で4年間大学、あるいはそのあと大学院まで行けば、
将来、日本の企業がグローバルに展開する経営幹部として、
最もふさわしいような人材が出てくる可能性があると思われます。

このあたりのことを新刊の『日本の若者を世界に通用する人材に』
学文社刊、に詳しく書いております。

分野: 久原正治教授 |スピーカー:

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