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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > スマートな住民運動(国際企業法務/岡田 昌治)

スマートな住民運動(国際企業法務/岡田 昌治)

09/03/03

■日本での住民活動の捉え方

住民活動をしている方々は、
日本でも徐々に増えていると思います。
ただ、今回、私もその中に入ってみて、住民運動が、
日本ではどのように受け入れられているかを、
垣間見たような気がします。
必ずイデオロギーを持たれた政治団体の方々が、
何人かは、住民運動の集会に顔を出されているのは
現状ですが、逆に、住民運動をリードしている人たちが、
イデオロギー的な動きと関連している人ではないかと、
日本では思われがちなのも現実です。
日本での住民運動の捉え方が、
今回、参加して、よくわかりました。


■アメリカでの住民活動の捉え方

日本のような住民活動の捉え方は、
アメリカでは、決してありません。
住民運動、市民としての運動は、
市民として当たり前の権利で、極めて、
当然のことだと思われています。
ボランティアやチャリティで慣れている
国民性もありますが、住民運動をする人は、
パブリックの為に、公の為に頑張っている人だ
という捉え方をしています。
一市民、一住民として、自分の主張を、
パブリックのために行っているというふうに、
捉える人が多いです。
政治心情も何も関係ありません。
一人一人、個人的なイデオロギー、
自分の哲学に基づいて行動しています。
今回の地元での住民運動は、
本当に純粋な住民運動でしたので、
それに参加することができ、
ほんとうに、良かったと思っています。


■スマートな住民運動

住民運動に参加してみて、集会に来た人達からは、
「自分も言いたいことがあったが、
どうやっていいか分からなかった。
どこに行けばいいか分からなかった。」
という声を聞きました。
このような機会を非常にありがたく思う、
市民としての精神を持った住民の方、市民の方も、
たくさんおられるのだと実感しました。
問題は、どのようにして、「スマートな」住民運動を
行っていくのかということです。
スマートな住民活動を行ううえで、
1つ有効な手立てとして、
「市民の科学」による方法があります。
例えば、今回の空港問題についても、
需要予測やウィンドカバレッジの数値を、
公共事業を行う側が、数値を出してくるのですが、
それに対して、市民としても、そのようなデータ、
数値を正確に出していこうという方法です。

「市民の科学」による方法を行うためには、
専門家も必要ですし、お金もかかります。
今回の空港問題でも、専門家の方々が、
本当は必要なのです。
管制官やパイロット、風の計測の専門家の方々が、
装置を使い、データを蓄積し、数値を独自に算出し、
行政側の数値と見比べて、その是非を検討する
といったある意味で科学的な方法を用いて
住民運動を展開していく。
この方法であれば、実際に、数値で
出ているデータの話であり、感情論や、
黒を白というような詭弁も必要ありません。
実際にデータで、見えてしまうものですから。
そのようなスマートな住民運動を、
どのように行っていくかが、これからの課題だと思います。


■需要予測の大前提

需要予測の際の大前提として、
「社会は成長し続ける、経済は成長し続ける」
という考え方が、いまだに、日本では、
存在し続けていることに、
今回、住民運動に参加して、気づきました。
しかし、今の21世紀を迎えた世の中、
人口が減ってきている状態の中で、
このような古い考えを前提にして良いのか
と疑問に思います。
例えば、空港の需要予測を考える時に、
「もう成長はしない」という大前提で
考えてもいいのではないかと思います。
むしろ、これからは、量よりも質、
人生の質や生活の質を考えた上での、
需要予測や空港の問題を考える時期に
きているのではないかと思います。

福岡県を中心とした都市には、空港が、
福岡、佐賀、北九州と3つあり、
市長や知事が空港に関する話をしていますが、
全体像を考えなければなりません。
現在の需要予測のターゲットは、
30年後位に設定してありますが、
30年後には、例えば、道州制が、
おそらく実施されているのではないかと思います。
道州制になった時の九州の空港は、
どこなのかというのを考えた時に、
今の段階で、無理やり、県境や市境の内側で、
空港を議論していいものでしょうか?!

経済状況が去年の秋以降、悪くなり、
搭乗者数が減少したこともあり、
これからは質の問題だと思います。
滑走路の増設、あるいは連携も選択肢としてあります。
少なくとも、三苫の海には神風が吹く
と言われていますから、特に冬は、
とても飛行機が降りられるような風ではありません。
このようなことも、現役のパイロットの人たちから、
数値を掲げて、発言してもらえたらと思います。
まだまだこの問題は、決着するまでに、
十分に話し合う必要があります。

3月の知事、市長の決断を楽しみにしています。

分野: 岡田昌治准教授 |スピーカー:

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