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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 福岡空港に関わるパブリックインボルブメント(岡田 昌治)

福岡空港に関わるパブリックインボルブメント(岡田 昌治)

09/03/02

■福岡空港問題に関わるPI

パブリックインボルブメント(PI)とは、
住民参加、住民を巻き込むという
意味合いで用いられます。
今回、福岡の空港問題の検証では、
パブリックインボルブメントを導入しています。
これは、おそらく日本では、
最初のケースではないかと思います。

具体的には、平成17年度から4段階に分けて、
パブリックインボルブメントが行われています。
17年度から、それぞれ毎年、
パブリックインボルブメントを、
ステップ1からステップ4までを
実行するという形で進んでいます。
例えば、平成17年度、最初の年は、
「福岡空港の現状と課題、空港能力の見極め」というタイトルで、
ステップ1を行って、それで住民の方々の意見を募りました。
18年度は、「地域の将来性、将来像と福岡空港の役割、
将来の航空需要の予測」について、ステップ2が行われました。
19年度は、「将来需要への対応方策の検討、
将来対応方策の評価の視点の検討」というタイトルで、
ステップ3が行われました。
そして、今年度の12月の20日で、
ステップ4が終わりました。


■遅すぎる説明会の開催

私は、新空港建設候補地の目の前の
東区の三苫に住んでおり、私自身も周囲の住民も、
この問題に対して、当然ながら、きわめて、関心が高いです。
その中で行われたパブリックインボルブメントの
ステップ4について、お話します。
実は、このパブリックインボルブメントの
ステップ4の段階で、初めて、地元住民である、
新宮、三苫、奈多や雁ノ巣の人たちに対して、
昨年の11月の末頃から、説明会が行われました。
新空港を建設する場所に近いところの住民、
つまり、一番影響を受ける人たちに対する説明が、
最後の最後なのです。
しかも、最初は12月5日が締め切りでした。
結局、締め切りは延期されたのですが、
最終締め切りの1、2ヵ月前に、初めて
地元の人たちに説明をするという説明会が
開かれたわけです。
私も関心がありましたので、実際にどういう
パブリックインボルブメントが行われているのかを
入って聞いてきました。
国、県、市の方々が来られて、説明をされていて、
色々、話を聞きましたが、パブリックインボルブメントが、
日本では、なじみがないこともあるのでしょうが、
まったく、パブリックはインボルブされていないというのが実感でした。


■PIの回数、人数

しかも、当初は1回のみの一方的な説明会で
終わる予定でしたが、住民から、需要予測や
ウィンドカバレッジ(風速、風力、それが飛行機、
滑走、離陸、それから着陸時の風の影響についての調査)
について、質問や意見が出ましたので、それに対して、
再度、説明に来るということを、結局、4回行いました。
その途中で、最初の期限であった12月5日の
パブリックインボルブメントの締め切りを12月20日まで
延ばしていただけるようにもなりました。
そのような点では、従来の公共事業よりは、
今回の空港問題は、幾分かは、住民・市民の声を
反映する態度はありました。
しかし、残念ながら、実態として、
パブリックインボルブメントに慣れていない
ということもあると思いますが、十分に、住民・市民の声を
聞くことが出来なかったのではないかと思います。
例えば、12月の段階で、ネットや封書で、
新福岡空港に対する意見を、市、県が求めましたが、
実際に、意見を提出した方は、福岡県民500万人の中で
たったの5000人余りだったという現状です。
これは、あまりにも少なく、
もっと市民を巻き込むべきだと思います。
それぞれ、そこに住む地域の人間として、
意見はあるはずです。
意見を計画に反映させるためには、
この数値は、あまりにも少なすぎます。


■地元の声は届くのか?

私の友人が国土交通省の審議官をしていますが、
彼曰く、国土交通省として決定の基準は、
「民意」だそうです。
「民意とは何か?」と聞くと、
「その地元の人たちの声だ。」と言われました。
地元の声を具体的にどうやって聞いているのかを
尋ねましたら、国土交通省は、地元選出の政治家の
人たちの声を通して聞いているとのことでした。
では、政治家の方々が、
地元の声を聞いているのでしょうか?
という疑問が湧いてきます。
例えば、先ほどの地元の説明会には、
福岡市会議員や福岡県会議員は、
誰一人、顔を出しません。
つまり、結局、どこからも民意が
取れない状態にあるのです。

パブリックインボルブメントを検討の段階で
導入したことは、非常に良いことだと思いますが、
それをしっかり実行していくことが、とても難しく、
かつ、大事なことだと思います。
例えば、今回のパブリックインボルブメントには、
有識者委員会が設置されていますが、
その委員会のメンバーの方々は、立場上、
行政や企業に対して、実際、あまり大きな声で
反対は出来ない方が多いようです。
当初の原案には、地元の住民を有識者委員会の
メンバーに入れる予定になっていたのですが・・・・。


■パブリックをインボルブメントする必要がある

新福岡空港を誘致したいと福岡知事に発言した
新宮町の町長は、その翌日、町民たちから、
非難の的となってしまいました。
これは、新宮町の町民はどう考えているのか、
町長が全く理解していなかったからでしょう。
私は、実際、新宮町での新空港建設の説明会に
行きましたが、町民から賛成意見は一切ありませんでした。
そのような町民の気持ちを理解していない把握していない
町長の発言に感激している麻生知事でした。
こればパブリックインボルブメントと言えるのでしょうか?!

分野: 岡田昌治准教授 |スピーカー:

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