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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 外為法と大学②(国際企業法務/岡田 昌治)

外為法と大学②(国際企業法務/岡田 昌治)

09/02/26

■海外との共同研究における外為法

大学でも、企業と同じく、
技術や貨物を輸出する際には、
外為法を順守しなければなりません。
例えば、九大の先生方が、海外の大学の先生方や
企業の研究所と共同研究をやる際に、
自分の研究内容やプロダクトを、
国境を越えて向こうに持っていく際には、
必ずその技術や貨物が、
リスト規制やキャッチオール規制の品目、
あるいは相手国がホワイト国かそれ以外の国かどうかを、
チェックする必要があります。
まず第1段階としては、自社で、
その判断をしなくてはなりません。
これは「該非判定」と呼ばれます。
チェックした後、該当していなければ、
輸出していいわけですが、チェックした結果、
グレーやブラックな結果になってしまった場合は、
経済産業省に許可申請を出す
という手続きが必要になります。


■留学生と外為法

ものを輸出するだけではなくて、
その技術やノウハウといった知的財産、
また、教育や技術指導においても、
外為法を考慮しなければなりません。
今までは、国境を越える話でしたが、
国境を越えなくても、
これが該当するケースがあります。
日本の中にいる非居住者
(日本の国内に6ヵ月以内しか日本にいられない外国人)に、
ものを渡す、あるいはノウハウ、技術を教えることは、
国境を越えることと同じであるということだと、
外為法では規定されています。

例えば、九州大学に、
日本国内滞在6ヵ月以内で帰る留学生を
受け入れる際には、基本的には、
経済産業省への許可申請が必要になります。

この法律についての説明を学内で行った際に、
先生方から、そんな法律は守れない
という声が上がりました。
「どこの国の学生でも教育・指導する、
それがアラブの学生であれ、アメリカの学生であれ、
差別はしないし、学問の探求という目的のためであれば、
どこの国の研究者ともディスカッションをする」、
とおっしゃる先生もいます。


■大学の知的財産と外為法

大学の中にある知的財産は、
非常に高度な知的財産ですが、
それを管理する体制や各先生方の意識は、
必ずしも対応可能な状態であるとはとは言えません。
その中で、外為法のような貿易管理に
関する法律があり、それを守ってください
とお願いするのも、非常にジレンマがあります。
経済産業省と文部科学省の間に、大学が入ってしまい、
引き裂かれたような状態にあるのです。
つまり、学問の自由と、外為法のような法律を
守らなければならない義務の中に、
大学が挟まれた状態なのです。

外為法においては、九州大学だけではなく、
日本中、世界中の大学の問題になっています。
つい一昨年、実際に、アメリカの大学で、
アメリカに存在する外為法のような
貿易管理法に違反した逮捕者が出ました。
日本の場合も、この外為法違反は、
5年以下の懲役になります。
もちろん、企業に限らず、
大学にもいえることです。
どちらかといえば、連携の相手方企業の方が、
シビアに大学に対して、その順守を
要求してくるものと思います。
特に、輸出に携わるビジネスなどでは、外為法は
十分注意して守らなければならない法律だと思います。


■今後の国際的な産学官連携

国際での産学官連携の取り組みは
増えていく傾向にあります。
国際の契約はどんどん増えていますし、
国際の取引は、必ず契約書を伴います。
例えば、今まで国内であれば、
契約書なしで行っていたような場合でも、
海外の大学や企業と行う際には、
相手側から契約書が送られてきます。
あるいは、国内で今まで、使っていた
1~2枚のペラペラの雛形が、赤で修正されて
返ってきて、驚くこともあり、扱いに困り、
私たちのもとへ回ってくるケースがあります。

九州大学の知的財産本部国際産学官連携センターでは、
企業を支援する役割も担っています。
技術指導や技術相談を、知的財産本部で行っていますが、
外為法などの法律や契約業務までより広く扱っていますので、
何か、ご質問やご相談があれば、私共の方に
言っていただけると、相談に乗ることが可能です。

分野: 岡田昌治准教授 |スピーカー:

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