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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 外為法と大学①(国際企業法務/岡田 昌治)

外為法と大学①(国際企業法務/岡田 昌治)

09/02/25


■国際的な産学連携

私は、現在、九州大学の知的財産本部の
産学官連携センターの副センター長と
法科大学院の教授を兼任しています。
国際的な産学官連携の現状をお話しますと、
国際産学官連携を専門にやる組織を持っている
大学というのは全国でも、2、3校しかありません。
そういう意味では、九州大学の国際産学官連携部門は、
非常に貴重な存在です。
2年前の10月1日に国際産学官連携部門を
設立しまして、海外の大学や企業に対して、
九州大学の知的財産をライセンスしたり、
共同研究をしたり、受託研究することを、
お手伝いしています。
お陰さまで、具体的な取引もたくさん始まっています。


■外為法

国際的な産学官連携では、その字の通り、
国境(くにざかい)を越えるわけで、
その国境を越える瞬間に、
自国のコントロールがきかなくなり、
相手国のコントロールに入るため、
物や技術が、国境を越える際には、
色々な法律が絡んできます。
今日は、その中でも、通称外為法、
外国為替および外国貿易法という法律について、
お話したいと思います。

産学官連携を国際的に行う場合に、
外為法の規制が重荷になることがあります。
たとえば、日本の国内にある技術や貨物が
国境を越える際には、必ず、それが国境を
越えていいものどうかという判断をする義務が
発生します。
その際に、大体のものは大丈夫なのですが、
ところが、中には、国外に出してはいけないものがあり、
それをきちんと順守しましょう、というのが、外為法です。


■外為法の歴史的背景

外為法は、昔からある法律です。
昔は、共産圏に対して、
資本主義社会の技術を提供してはいけないという、
東西の冷戦に基づく、貿易規制の法律でした。
いわゆるココム規制と呼ばれるものです。
それが、東西の壁がなくなって後は、
共産圏への輸出を禁止することではなく、
国際的な安全保障を守るという位置づけになりました。
言い換えれば、テロの組織や、
それを支援している国に対して、ミサイルの技術や
カーボナイト(炭素繊維)の技術を提供することにより、
その国が大量殺人に用いる武器を作り、
それをテロに使うことを許してはいけないということです。
それを防ぐために、外為法をきちんと
順守しようということなのです。
日本では、そのことを、経済産業省が強く言っています。


■コンプライアンスという言葉が出てきた背景

昔、先ほどのココム規制が、
まだ、存在していた時代に、
ソナーにかからないスクリュー技術を
もっている日本メーカーが、
ソ連に、それを通産省(当時)の許可を取らずに、
輸出してしまったことで、アメリカ側から
クレームをうけたことがありました。
その時に、初めて、
「コンプライアンス(法令順守)」という言葉が、
日本国内で使われるようになりました。
今でこそ、多くの企業が、「コンプライアンス」
という言葉をよく使いますが、今から20年以上前に、
この言葉が使われ始めたのは、
この外為法違反からなのです。
最近では、より高度な技術、直接的には、
大量秘密兵器や殺傷兵器に結びつかないような技術も、
ある時は知らずに、ある時は意図的に、国外に
出してしまうというケースも、少しずつ出ています。


■外為法による規制

この外為法による規制の仕方は、
2種類あります。
1つは、リスト規制というもの、
もう1つは、キャッチオール規制と呼ばれるものです。
リスト規制は、リストに挙がっている
品物や項目について、基本的には
輸出許可を申請しないといけないものです。
また、キャッチオール規制は、
リストに上がっていない品物、技術であっても、
輸出管理を厳格に実施している国
(ホワイト国、アメリカをはじめ、指定された26ヵ国)
以外の国(ノンホワイト国と呼ばれます。)に、
当該品物を輸出する際には、
必ず許可申請を課す規制です。
外為法では、
このようなリスト制とキャッチオールの規制という、
2種類の方法で貿易関連の規制を行っています。

分野: 岡田昌治准教授 |スピーカー:

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