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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 持続的成長とマーケティング②(マーケティング/出頭 則行先生)

持続的成長とマーケティング②(マーケティング/出頭 則行先生)

09/02/10

前回は、部分最適から全体最適へ、
一人勝ちから共存共栄へ社会が
転換してきているという話をしました。
今回はそのような変化が、マーケティングに
どのように反映されているのかについて話します。


■ブランド戦略

ブランド戦略ということが、この頃よく言われています。
以前から、ブランドという言葉はありましたが、
ブランド戦略、ブランド経営というようなことが
言われ始めたのは、最近のことです。
経団連の会長だった奥田氏が、2003年に、
年頭の言で、ブランドを大事にすべきだ、
ということを言ったのは印象深いことでした。

かつて企業戦略や企業経営と言われていたものが
今はブランド戦略やブランド経営と言われ始めた。
それはどうしてなのか。どういう時代の背景があるのだろうか、
というようなことを、今日はお話ししたいと思います。


■企業戦略とブランド戦略

企業戦略については、色々な教科書に出てきますが、
多くの場合、競合をどのように排除するかについて、
非常に大きなページが割かれています。
競合を排除する、競合に対して勝つ、
あるいは競合よりも大きなシェアをとる、ということが、
企業経営において、戦略の要になっています。
一方、ブランド戦略では、競合を意識しないわけでも、
シェアを意識しないわけでもないですが、
決して競合を排除するという考えから始まりません。
ブランド戦略は、差別化された優位性を持つことで、
それに対して、お客様にプレミアムプライスを
払ってもらおうという戦略なのです。
勝ち負けでもなく、数字でもなく、
オリジナリティのあるものを確立するという戦略なのです。

ブランド戦略は、企業戦略のように、
競合を排除する、競合に勝ち抜く
というようなことを、あまり含意しません。
シェア至上主義ということも含意されておらず、
自分の優位性、自分の特色、
自分の強さというものに対して、
プレミアムプライスを払って下さい、
というのが、ブランドマーケティングの本道です。


■シェア至上主義からの脱却

ブランド戦略という時には、基本的には、
競合の存在を前提としています。
競合他社は、競合他社で、独自の強み、
特色を発揮して生きていけばよく、
それに対して自分たちの会社は
自分たちの強さを追及していくことが
ブランド戦略です。
そのような意味では、
競合他社の存在も前提としていますし、
シェア至上主義の考え方ではなく、
多くのブランドは、必ずしもシェアを
至上の指標にしているわけではありません。
多くのブランドは、シェアより、
人の心の中の存在感(マインドシェア)に
強く訴えようとしています。
そのような意味では、ブランド戦略は、
かっての企業戦略とは、
大きく前提が違っているのです。
ブランド戦略ということが言われ始めた
時代の背景には一人勝ちから共存共栄、
部分最適から全体最適へ、という
パラダイムムシフトがあるのではないかと思います。


■良いものを適正な値段で売る

しかしながら、このブランド戦略、ブランド経営は、
日本で言われて、時間は経っていませんが、
日本のある種の企業にとっては、
非常にチャレンジなことだと思っています。
なぜかと言いますと、日本の企業、
特に製造業は、良いものを安く売るモデルは
非常に得意としているのですが、良いものを
より適正な、良い値段で売るモデルは苦手です。
日本の製造業では、良いものを安く売る
という考え方がとても強いのです。
この良いものを安く売るモデルはとても強力で、
AV機器、二輪、四輪でも一般普及クラスの製品では、
ほとんど世界の市場を席巻しています。
日本の企業、特に製造業は、良いものを
安く売るモデルは非常に得意としているのですが、
良いものをより適正な、良い値段で売るモデルは、
チャレンジとなります。


■今後のマーケティング

今、企業戦略の代わりに、ブランド戦略が
言われ始めた時代背景を考えますと、
大きな時代の流れにおいて、
部分最適から全体最適へ、一人勝ちから共存共栄へ、
というパラダイムシフトが反映されているのではないかと思います。
それから、資源が有限の地球での
持続的成長路線への変換という考えが
マーケティングに反映されているのではないかと思っています。
経済が変わっていく中で、
今後のマーケティングを考えていくことが必要です。

分野: 出頭則行教授 |スピーカー:

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