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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 九州大学は九州・福岡の役にたつのか(地域経済政策/谷川徹)

九州大学は九州・福岡の役にたつのか(地域経済政策/谷川徹)

09/02/03

■九州大学のイメージ

某広告代理店の調査によると、
九州大学の卒業生、九州大生のイメージは、
優秀だが、忠実な企業の中堅エンジニア
というイメージだそうです。
物を作ることについては、一生懸命やって
いいものを作る能力を持っている人材である
というイメージを持たれています。
しかしそれを生かして、いかに新しい戦略を作って
企業を引っ張っていく人材かというと、
どうもそうではない、リーダーではないというのが、
九州大生のブランドイメージのようです。

教育と研究が大学の二つの大きな使命で、
それが最大の価値であるのは間違いありません。
しかしそれだけではなくて、
大学の施設や研究設備、また大学の持つブランド、
世界の大学やOBとのネットワークも大きな価値があります。
大学の持つ中立性により、色々な機関と
一緒に仕事ができるという価値も大変大きく、
その価値を活かすために行っている産学連携が
大学の持つ第三の使命とも言われています。


■独立法人化後の九州大学

2004年に国立大学は法人化され、
それまで国の機関に過ぎなかったのが、
1つの法人、組織として外に独立した形で出されました。
これにより、まだ国からの庇護は受けていますが、
独り立ちせよ、ということを国から言われたわけです。
大学は、独り立ちしたからには自分たちで
お金はある程度稼がないといけません。
例えば九大のように、九州にある大学は、
地域の人たちから価値を生み出してもらという存在に
ならないと独り立ちできないという感覚になったのです。

産学連携を通じた地域貢献の形としては、
企業との共同研究や、大学の先生が研究した成果を、
大学外の方に利用していただくという技術移転、
また大学発ベンチャーを生み出すという方法が、代表的です。
その取り組み以外にも、九州大学のブランドイメージや
ネットワークを使い、九州の企業の持つビジネスを、
海外、例えば中国に紹介して、
九州の企業のビジネスをサポートしています。
また九州大学の研究力を使い、海外の企業が
福岡に立地するのをサポートすることで、
企業立地を促進するという取り組みも行っています。


■九州大学の産業連携の評価

九州大学の産学連携の評価は、
驚かれるかもしれませが大変高いです。
九州大学では、産学連携推進のために
「知的財産本部整備事業」という形で、
政府、文部科学省から頂いた競争的資金を
過去5年間使いました。
その最終評価では、九州大学が
全国第5位に選ばれました。
トップが、奈良先端大学、続いて東京農工大学、
東大、京大の順番で、旧7帝大の中では、
3番目に高く評価されています。

また企業の評価による、
「産学連携を行いやすい大学」というランキングでは、
全国第3位に選ばれました。
そして、「地域に貢献する大学」というランキングでは
第4位をとりました。
他の主要国立大学、特にメジャーな東大や京大は
ランキング30にも入っていないので、九州大学が
地域に貢献する大学として第4位を獲得した
ということを、私共は大変誇らしく思っております。


■九州大学の課題

地域にもっと貢献したい気持ちはあるのですが、
九州大学は基幹大学、研究型大学といわれており、
基礎研究が中心の大学です。
基礎研究はそれこそノーベル賞を
狙うような研究であり、明日、明後日、一週間先に
必ずしも役に立つものではありません。
最終的に日本の国力を強くする為の研究ではありますが、
地域の、特に中堅・中小企業の方が望むような、
すぐに役に立つ研究ではないという悩ましさがあります。
九州大学は地域に存在する大学でありながら、
なかなか地域の企業と一緒に研究を行う機会が
少ないことが悩みです。

我々も出来る限り、地域の中堅・中小企業の方が
大学を使えるように、「技術相談」という枠組みを作り、
色々な悩み、相談をお受けしています。
そのような相談に対して、
大学の先生に重い腰をあげていただき、
コンサルティングや1ヶ月位の共同研究に
発展するものもあります。
相談件数は年間200~300件あり、
地域の皆様に門戸を広げて、知的財産本部が
支援をする取り組みを熱心に行っています。
今までの九州大学はこのような取り組みは
得意ではなかったのですが、これから取り組んでいくことで
より地域に愛される大学になるのではないかと思います。


■九大の産学連携が目指すもの

共同研究や技術移転などの
クラシックな産学連携だけではなく、
他の大学も気付いているところは少ないのですが、
大学の持つブランド、設備、大学の施設、
ネットワークをもっともっと活用して、
地域のために尽くしていきたいと思っています。
大学が地域の人たちにサービスする、
言い換えれば、大学が地域の人たちを
お客さまに見立ててサービスを行うことで、
更に産学連携の輪が広がっていくのではないかと思います。

分野: 谷川徹教授 |スピーカー:

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