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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 技術進化のパターンと企業家的機会(中国ビジネスとイノベーション/朱穎)

技術進化のパターンと企業家的機会(中国ビジネスとイノベーション/朱穎)

09/01/28

前々回にアントレプレナーシップにおける
企業家的機会についてご紹介しましたが、
いかにその機会を見出すかということで、
今回は技術進化のパターンから少しお話します。

■技術進化
話の大前提になっているのは、技術というのは
日々進化するということです。
例えば、コンピュータ産業の例を考えますと、
マイクロプロセッサの処理スピードとその集積度というのは
この何十年の間に、ものすごく進化してきました。
インテル社のCPUは、1971年の段階で、
2,250個のトランジスタを積んでいたのに対しまして、
2000年の段階で、これは、4,200万個を積んでおり、
単位が千から万になっています。
つまり、約20年間の間に約2万倍、2年間毎に
2倍のスピードでメモリーチップというのは
進化しています。この点に関して、
インテルの前創業者のゴードン・ムーア氏が、
次のようなことを仰っていました。
「シリコンチップの性能と、集積度というのは、
18ヶ月毎に2倍になり、それに比例して、
コストも低下していく」と。
彼は、このように予言していましたが、
実際にはこの予言を見事に的中させ、
ムーアの法則と名づけられています。
なぜこのようなことができるのかと考えますと、
やはり技術者がマイクロチップの集積度を
高めていく方法を見付けたということです。
いわゆる法則というものが、発見されたということです。
この話を一般的に考えますと、技術というのは
科学的・経済的・制度的な要素によって、
方向付けられる際に、何かの法則が出てくるので、
そのプロセスというのは急進的なものから、
前進的なものに進化する、
いわゆるインプリメンタルな進化になりつつある
ということが言えるのではないかと思われます。

■法則・枠組み
ここでいう、一定の法則・枠組みにはメリットと
デメリットが存在します。まず、メリットについて
簡単に説明するならば、一定の法則・枠組みに従って
技術が進化するというのは、技術者にとっては
非常に仕事を容易にします。
それまでも色んなアプローチの中から、
問題解決しないといけないかもしれないけども、
結局は、問題解決の手法も、方向が
非常に明白になるので、効率が向上します。
ただし、その逆機能としては、やはり一定の
アプローチしか考えられなくなってしまうと、
別の代替案やアプローチに関して、
あんまり関心を示さなくなってしまう、
つまり、枠にはまってしまい
新しい考えを生み出せなくなってしまいます。
ただし、技術はあくまでも、
既存の枠に従って進化するとは限らず、
いつかは限界が出てくるので、
その際に新技術が誕生する可能性が出てきます。
この新技術の誕生とその企業家的機会ということを考えますと、
既存の大企業と比べて、新企業の方はむしろ、
積極的になるのではないかと思われます。
なぜなら新規企業は既存の企業にないものを
作らなければいけないと考えているからです。
例えば、1947年にベル研究所はトランジスタを開発し、
当時のマスコミに公表しました。実は、
当時、アメリカの国内の大企業はトランジスタに
ほとんど関心を示しませんでした。
唯一関心を示したのが当時はまだ弱小企業だった「ソニー」でした。
「ソニー」はいち早く、ライセンス契約を行い、
トランジスタラジオを作ってこれを世界で販売し、
大成功を収めました。
逆に、当時関心を示さなかったアメリカの大企業、
例えば「RCA」はその後、姿を消してしまいました。
要するに、既存企業は新規技術、
特に既存技術に代替するような性能を持つような技術に対して
どうしても躊躇しがちであり、むしろ新規企業、
いわゆるアントレプレナー企業にとって、
非常に技術機会が訪ずれるのではないかなと思われます。

■変化への対応
結局、一定の技術進化の方向性が見えてしまうと、
その方向性に従って、改善・改良、あるいは研究開発を
継続しくというのが一般的な話です。ただし、それだけにこだわってしまうと、
新しい物事に対して対応できなくなってしまうので、
既存の大企業にとっては、よりたくさんの選択とか
対応性のあるような人材・資源・考え方を
もっと受け入れられるような土壌を作らないといけない
のではないかと思われます。
例えば、アメリカの企業の場合、
収益を上げないような分野であればすぐ切ってしまうとか、
あるいは、すぐ人員削減を行います。一方、日本は
最近までいわゆる終身雇用が保証されていましたので、
すぐに利益につながらなくても、そういう技術は残存、
あるいは人員配分もうまくやっていた。
ただし、その逆機能としては、日本企業の組織の官僚化や非効率
ということも当然あると思われますので、
そのバランスというものをどういうふうに対応するのかというのが、
1つの大きな課題になるのではないかと思われます。

分野: 朱穎准教授 |スピーカー:

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