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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > オバマ大統領就任(財務戦略/村藤 功)

オバマ大統領就任(財務戦略/村藤 功)

09/01/23

オバマ大統領就任(財務戦略/村藤 功)

■大統領就任
今週、アメリカのオバマ新大統領が就任式に臨みました。
大変良かったですね。
ワシントンDCは首都と言っても60万人ほどしか住んでいないのですが、
就任式のために100万人以上が集まりました。
オバマ大統領は、支持率が80%越えと我々から見ると驚異的な数字です。
演説を見ていると、新たな責任の時代、New era of Responsibility、
という言葉が印象的でした。
厳しい時代ですが、国民がそれぞれ自分の責任を果たし、
アメリカや世界に対する責任を果たして、協力してやっていこう、
という呼びかけをしたというわけです。

もう一つ感慨深いのが、人種差別問題を乗り越えたことです。
私もアメリカに3年ほど住んでいましたが、
人種差別は結構厳しいと感じていました。
しかし黒人大統領の就任となったわけで、
よくここまで来たなと思います。
昔、キング牧師がI have a dreamと演説しました。
肌の色ではなく、人格で評価される社会になって欲しいということでした。
アメリカでは遂にその夢が実現する時代が来た、
というふうに言われています。
オバマ大統領が、There is not a black America or white America.
There is only The United States of America. ということを言いまして、
アメリカ国民は感動して涙を流しました。
しかし、その期待を一身に背負うということになると、極めて責任が重大です。
イラク、アフガン情勢に加えて、経済の建て直しを、
同時に進めていかなければなりません。


■アメリカの経済の現状
アメリカ経済は最悪の状態です。
イラクから撤退する、アフガンは増兵するなどは可能と思います。
しかし財政赤字が1兆ドルを越えてくるであろうことが、
明らかになってきていますが、銀行、投資銀行、自動車産業を、
金融危機から助けるだけで70兆円使うと発表しました。
今回、さらに景気対策を2年で、8千億ドル、
80兆円位つぎ込むということで、財政赤字は増える一方です。
本当に何とかできるのかという心配はあります。

オバマ政権が今実施すると言っていることの中では、
代替エネルギー開発の促進、グリーン・ニューディール構想が、
最も大きいものです。
インフラ整備や優遇税制という話もありますが、
石油に代わる太陽光発電など代替エネルギーを開発することに、
力を入れようという構想に、今のところなっています。
この構想は、大変な勢いを持っていて、3~400万人の雇用を創出しよう、
ということをも目標にしています。
もし現状のまま雇用問題を放置してしまうと、
9%ほどの失業率となってしまう可能性があります。
それをグリーン・ニューディール政策により、
7%程度におさえたいという話です。
それでもまだ高い水準ですから、前途は多難だと思います。


■チームオバマ
オバマ大統領が組織したチームの中で、今のところ重要なのが、
ガイトナー財務長官、ヒラリー国務長官、ゲーツ国防長官でしょう。
ガイトナー氏とは、これまで金融危機を、政府の一員として、
一緒に戦ってきた、ニューヨーク連邦準備銀行の総裁です。
基本的に、対策に使う70兆円の財布をガイトナー氏が握っているので、
彼がどれほどやってくれるのか、ということが重要です。
次に、ヒラリー国務長官です。
彼女はオバマ大統領と民主党の指名争いを演じたライバルでしたが、
今回、国務長官の就任要請を快諾しました。
ヒラリー女史は、ある程度オバマ大統領に気を使っていて、
国際協調やスマートパワーといった、オバマ大統領の言葉を使っています。
ブッシュ前大統領がものも言わずに、
軍事で解決していたように見えていた外交政策と比べると、
軍事ではなく、外交、話し合いでやっていく路線になりそうな気配です。
ヒラリー女史は外交では顔が知れているので、
何とかオバマ大統領と一緒に上手くやって欲しいところです。

相手ともめた時に、悪だから倒してしまおう、
というのがこれまでのブッシュ前大統領の立場でした。
しかしスマートパワー、これは、ソフトパワーとも言い換えられますが、
これは、皆と仲良くしながら、お話をして解決しようということです。
それがどこまでそれが可能なのか、という辺りは、
お手並み拝見というところでしょうか。
特に、北朝鮮の核問題、中東和平をスマートパワー、
ソフトパワーでどこまで出来るのかな、ということでしょう。


■オバマ大統領の経済政策
それから就任直後のダウ工業株30種平均は、
下がって上がって下がってと上下していますが、
この動きはオバマ大統領就任を受けてのものではないと思います。
昨日下がった理由は、去年の12月の住宅着工件数が、
統計をとって以来の最低値になったということと、
マイクロソフトの利益が予想よりも低く、5千人の人員削減を発表したなど、
就任云々とは関係ないものです。

マーケットを含めて、今後のオバマ政権による明るい材料としては、
人種問題や、イラク撤退、グアンタナモ収容所の閉鎖などがあります。
このような人権、外交ではそれなりに期待できると思います。
ただ、金融危機についての対応は本当に大丈夫なのかというと、
これから様子を見ないと分からないという状況で、
オバマ大統領がおそらくチェンジを実行し、Yes,we can 、
ということになって欲しいですね。
期待して見ていきたいです。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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