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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > オバマでアメリカはどう変わるのか(経済学/久原 正治)

オバマでアメリカはどう変わるのか(経済学/久原 正治)

09/01/21

■アメリカ人のオバマとともに変革に参画する意識

オバマ大統領就任で、アメリカはどう変わるのかを
考えるうえで、アメリカ人が、オバマ大統領と一緒に、
この危機に際して、自らも変革に参画しようという意識が
強くなったということを、おさえておく必要があると思います。
まず、日本と違う点は、オバマは、国民の皆さんが
自分でこの国を変えていく必要を、非常に分かり易く
国民に説明している点です。
今、アメリカがどういう危機に直面していて、
これからどういう方法がとられるべきなのかを、オバマは、
非常に正直に、分かりやすく国民に説明しているのです。
国民はそれに対して、
「我々が何かやらなければならないのだな」という感じに
なっているところが、日本とは大きく違います。
日本は、「お上がこんなこと言っている」という感じで、
なかなか下々にまで、自分で何かやろうという感じが出てきません。
オバマは、アメリカ国民が自分で考えて行動する時である
ということを、非常にうまく伝えています。


■オバマ自身の多様な経験

オバマは、実に多様な経験を積んでいます。
ケニアからアメリカに留学して来た人物(父)と、
カンザス州の田舎出身だが非常にリベラルな人物(母)が、
ハワイ大学で出会い結婚して、彼は生まれました。
しかし、彼の父はケニアに帰国してしまい、
彼の母のインドネシアの方との再婚を経て、
彼はインドネシアの小学校に通うことになりました。
途中、彼は日本にも旅行しています。
中学校から、祖父のいるハワイで過ごし、
中学校と高校をアジア的な日系人が多くいる
環境で過ごしました。
カリフォルニアのリベラルなカレッジに2年間行き、
自分の黒人というアイデンティティ、
一体自分は何者かということを探すために、
ニューヨークに出かけ、コロンビア大学に入りました。
自分には何か、グローバルなものがあるけれども、
一体どういう人間かを常に自ら探求してきた、
彼のように移民の国アメリカでも最もアメリカらしい人が
大統領になったことは、今回が初めてです。

オバマは、コミュニティ活動を一生懸命行い、
非常に優秀な弁護士でありました。
その後、シカゴ大学で憲法を教え、
インテリとしての評価も高いです。
一番難しいロースクールである
ハーバードロースクールの学生が出している
研究雑誌の、プレジデントを務めたこともありました。
プレジデントは最優秀の人で、
リーダーシップがある人しかなれない役職であり、
また、オバマは、様々なオーガナイザーとしても、
リーダーシップを発揮しています。
オバマの支持基盤の一番の中心になるのは、
1つは、ジェネレーションYと言われる、1980年以降に生まれた、
アメリカのこれまでは、政治に無関心だった若者層です。
それから、今度は非常にインテリの白人、
リベラルな白人が、オバマをとてもインテリで優秀な
グローバルな人間であると認め、サポートしています。
それに加えて、黒人や他の人種がサポートしており、
多様な人がオバマをサポートしていることが、
非常に大きな特徴です。


■ベストタイミングで生まれた理想的救世主-当面の底打ち感

サブプライムローン問題から広がった経済危機が
起きていなければ、おそらくクリントンが大統領に
なっていたと考えられています。
アメリカの大きなクライシスによって、
アメリカ人がまとまらなければいけない時期にきて、
国民はオバマを選びました。
皆で一致団結するには、どのような人がいいかと
考えた場合に、人種が融合し、インテリと大衆を
融合することができ、グローバルな経験がある人間を
国民は選んだ訳です。
現在の金融危機は、グローバリゼーションの危機ですので、
その問題を解決でき、下積みの時の経験から、アメリカの
コミュニティーから国民の意見を積み上げていくことが出来る人を
選んだ結果、最適の理想的な大統領が生まれてきたといえます。


■大胆な政策転換―危機をチャンスに

オバマに対する期待は、世界中から広まっています。
アメリカ国民がこの危機を、自らの問題として考えて
行動することを、オバマは引っ張っていくと言っています。
オバマは、長期的に問題を考え、一時的に大量のお金を使い、
財政を悪化させる方法ではなく、将来を見越した、
生産性向上、医療改革、教育への投資など良いものに
お金を投入し、ベスト・アンド・ブライテストのメンバーを揃え、
アメリカを引っ張っていこうとしており、
世界的な期待も大きくなっています。

親日派の人が色々なポストに選ばれているのも、
オバマが、インドネシアやハワイという、
非常にアジア的な環境で育ち、日本にも
来たことがあるからかもしれません。
また、多様なバックグラウンドを持つ人の
意見を理解できるメンバーが選ばれており、
サマーズ国家経済会議議長や親日派以外の人も皆、
日本について、しっかり理解ができています。
しかし、中国の方がアメリカにとって現在重要だということは
間違いなく、中国と日本とのバランスはあると思います。
オバマや支援するメンバーは頭もいいし、色々な状況を理解して、
良いバランスを保ってくれるのではないかと思っています。

オバマは、ずっとチェンジをキーワードにしてきましたが、
今後は、長期的にこの危機から、アメリカを全部変える
というチャンスを、自分たちはもらったということが、
1つのキーワードになると思います。
危機からチャンスへというところで、
アメリカが大きく変わっていくのだと思います。

また、ウォール街について、
オバマは規制をすることから始まり、
色々な仕組みや制度を根本的に見直そうとしています。
オバマは、ブッシュ前大統領とは違い、弁護士としても、
その分野についての理解力が十分にあります。
ブッシュは、ウォール街は資金源にすぎず、
自由にさせていればいいという考えでしたが、
オバマが大統領になり、しっかり規制をしくことで、
ウォールストリートが、メインストリートに役に立つ
金融機能を果たすように変化すると思っています。

分野: 久原正治教授 |スピーカー:

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