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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 自由と平等(国際企業法務/岡田 昌治)

自由と平等(国際企業法務/岡田 昌治)

08/12/31


■「変」の2008年

今年、2008年を表す漢字は、「変」でしたが、
今年の漢字の変は、世界全体を考えると、
異変の変だと私は思っています。
日本にも言えることですが、変なことが多い、
ストレンジなことが多い、おかしなこと、という意味で、
変だと理解しています。
また、海の向こうのアメリカでは、
バラク・オバマがチェンジと言っていました。
あれも、チェンジの変化の変、あるいは、
変革の変も、変のひとつだと思います。
私、個人としての「変」は、
今年10月に法学研究院から
知的財産本部の国際産学連携センターに
異動したことが、一番の変化でした。
アメリカにも、国際産学連携のための視察に行きました。


■行き過ぎた自由主義

年末のサブプライムに端を発した金融恐慌は、
自由主義、資本主義社会において、
バランスを欠いてきた中で、おこってしまいました。
今回の金融恐慌は自由を取り違えた、あるいは、
自由の延長上におこったのだと思います。
自由をつきつめていくと、
今回のような状況も現実になるということです。


■自由と平等

振り返ると、十数年前、1990年代の初めに、
ベルリンの壁が崩壊しました。
社会主義社会が崩壊していき、
皆、平等でやっていく国ですよ、
という社会主義から、自由主義へと
変わっていく節目でした。
あの頃、ちょうど、僕は、ニューヨークに
住んでおり、ベルリンの壁の破片を、
友人がお土産に持ってきてくれて、
それをオフィスの机の上に飾っていました。
今でも、そのことを思い出します。
結局、自由と平等は、背反するものですが、
人間として両方とも欲しいものなのです。
自由、自由で続けていくと、格差が生まれ、
今のような状況になってしまいます。
だから、例えば、今の派遣社員の方々からみれば、
自由はいらない、平等が欲しいということに
なっているのだと思います。

日本も、社会主義的から自由主義、
民主主義ときていますが、
長い間、その中間の時代を保ちました。
まだ、日本は自由主義、資本主義の
歴史が非常に浅いのです。
江戸時代までは、どちらかというと階級社会であり、
社会主義的な要素が残っていました。
歴史をさかのぼると、自由と平等という概念が
区別されて認識され始めたのは、
たしか、ルネッサンスのころだった
と世界史の授業で習ったことを思い出します。
ルネッサンスの人間復興の時に、
自由と平等という考え方が出てきたのです。
ルネッサンスの時代から自由主義社会、
平等主義社会という二つの流れがわかれ、
世界全体のうねりの中で、振り子のように、
その間を行き来しているような気がします。


■バラク・オバマと平等の時代

つまり、平等が大事だと考えられる時期もあり、
自由が重んじられる時期もあるような気がします、
たとえば、今のアメリカで求められているものは、平等です。
バラク・オバマが、選挙運動の時に主張していたのは、
富裕層には、もう少しお金を出してもらい、
貧困層に分配するという、社会主義的な発想を
取り入れたものでした。

アメリカに、合計十数年住んでいて、
そのアメリカ国歌をしみじみと聞いていた一人として、
私は、黒人の大統領の誕生は、本当に天変地異の、
ありえない変化だと思いました。
未だに人種差別がある中で、
アフロアメリカンの大統領が生まれ、
その大統領が、自由資本主義からの
若干の修正を唱えて、国民の賛同を
得たことは、空前絶後のことだと思います。


■良い変化への期待

今のアメリカの人たちは、
平等が本当に大事なことだと感じています。
一方、日本でも、改めて何が大事かを
考えていくときにきていると思います。
日本では、昨今の日本の教育の問題、
犯罪の質や量、政治から考えますと、
明治以降のさまざまな社会システム(人間も含む)が、
日本古来からの社会システムとの融合の中で、
そのひずみが、だんだん顕在化してきているというのが、
現在の状態だと思います。
異変だった一年、2008年の「変」とは
異なる意味での良い「変」が
日本におこることを、私は祈っています。

分野: 岡田昌治准教授 |スピーカー:

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