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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 日本の国際競争力と連携力(国際経営、国際ロジスティクス/星野裕志)

日本の国際競争力と連携力(国際経営、国際ロジスティクス/星野裕志)

08/12/25

■IMDの調査

景気の後退を目の当たりにしながら、
日本は自信を失いつつありますが、
日本の世界における競争力はどの程度なのでしょうか。
国際競争力調査といえば、
スイスのローザンヌにあるビジネス・スクール=IMDという
国際経営開発研究所の毎年の調査が良く知られています。
今年の5月に発表された調査によると、
対象となった55カ国のうち、アメリカをトップとして、
2008年の日本のランキングは22位でした。

IMDの調査は、中長期的な展望の視点から、
経済状況、政府の効率性、ビジネスの効率性、
社会資本の4つの分野の総合的な評価によります。
1989年にはトップだった日本も、
社会資本の分野においては高く評価されているものの
それ以外の分野では、かなり低迷しているといえます。
中でも例年政府の効率性は非常に低く評価されており、
2008年には39位でしたし、
日本の起業家精神は低く評価されているところを見ると、
日本発のアントレプレナーの活躍はまだまだかもしれません。


■WFFの調査

もうひとつの国際競争力の調査は、
ダボス会議を主催する世界経済フォーラム=WEFによる
Global Competitiveness Reportです。
毎年多くの企業経営者、政治家、学者、ジャーナリスト達が、
スイスのリゾート地のダボスに集まって、
世界の政治や経済情勢を話し合うことで知られていますが、
この主宰者はスイスのジュネーブにある非営利組織です。
この団体による調査のユニークなところは、
世界の約12,000人の企業経営者へのアンケートを集計して、
評価対象国134カ国の競争力をデータ化していることです。

この世界経済フォーラムは、
やはり各国の国力を測定する世界競争力指標
(Global Competition Index)というものを
制度や組織などの基礎的な条件、効率性、
イノベーション・洗練要因の大きく3つの分野に
基づいて評価を行っています。
今年の10月に発表された2008年-2009年版の
報告書によると、やはりアメリカをトップとして、
日本は9位に位置づけられていました。
さきほどご紹介したIMDの調査による22位よりは
高く位置づけられているものの上位のヨーロッパ各国や
5位のシンガポールと比較すると、国際競争力において
劣っていると考えられる分野がいくつかあります。


■評価内容

例えば、経済の安定性においては、
財政赤字や公的な負債や農業政策の遅れが
大きな問題として指摘されると共に、
非効率的な官僚制度や税制といった公的な制度面の
弱さが大きく足を引っ張っているようです。

逆に世界でもトップクラスに評価されているのは、
日本の得意とするものづくり生産工程であり、
企業の研究開発費や技術革新などの
イノベーションの分野です。
ただ高く評価されるイノベーションにおいても、
先進的な技術製品の政府調達の遅れと並んで、
産学の連携が必ずしも十分ではないとされています。
優れたイノベーション能力を生かす連携能力が
問われているといえます。
やはり優れた能力が存在するだけではなく、
いかにシナジー効果を持たせるかかとおもいます。

私の専門のロジスティクスの分野において、
この国際競争力を上げる力になるのは、連携の力です。
サプライチェーンというのは、全体の価値連鎖を
作り上げていくということです。
つまり、もちろん優れた機能が組み合わされる
というのは当然ですが、単に1つ1つの個別最適性ではなく、
全体最適性を求めるような動きをすることが必要です。
既に日本にもある優れている点をいかにつないでいくか
という連携が今後も大切になると思います。

分野: 星野裕志教授 |スピーカー:

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