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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > グローバル時代の戦略的提携(国際企業戦略論/永池 克明)

グローバル時代の戦略的提携(国際企業戦略論/永池 克明)

08/12/23

■グローバル化による再編成
経済情勢が悪化している中で企業も倒産し、
それによって企業買収や統合など色々な話が飛び交っています。
まさに今が激動期です。
マネー発の経済危機ということで、
アメリカのサブプライムローンの問題から端を発して、
ちょうど1年ほど経っただけですが、
あっという間に世界中に広がってしまいました。
これがグローバル化の一つの特徴です。
世界のどこかで起こったものが、瞬時にして広がるということです。

こういった動きは、今に始まったわけではなく、
90年代に入ってから、1つのグローバリゼーションや、
デジタリゼーション、インターネット時代の到来など、
そういった大きなうねりの中で、第一回目の再編成、
つまりグローバル競争時代の第1幕が開いたわけです。
そして、第2幕は、1997年のアジア通貨危機、
それに続いて2000年にアメリカで起こったITバブルでした。
そこで、また世界的な規模の再編成が行われました。
そうして考えると、今回が、第3弾目と言えます。
最も大きな激震が、今、起こっていると、
理解して頂けたらいいのではないかと思います。

結局、グローバル化の90年代以降の中で起こったことは、
世界的な規模でマーケットがグローバル化し、
単一のマーケットになってしまったために、
色々なものが世界的な競争条理の中に、
組み込まれてしまったということです。
そこで業界の再編成が起こり、収斂、統合、
つまりConvergenceが起こっていったわけです。
色々な業種で何十社とあったものが、
10社や数社といったような形になっていきました。
そういった淘汰作用が起こります。
強いものと弱いもの、勝ち組と負け組がはっきりしてきます。

もう1つは、多国籍企業が事業の選択と集中を始めました。
多国籍企業の多くは、多角化企業でもあります。
例えば電機メーカーでは、パソコン、半導体、家電、
発電機など、色々な事業を持っています。
グローバル競争というのは、サッカーでいえば、
Jリーグとワールドカップサッカーの決勝リーグのようなものです。
Jリーグの場合ですと、日本列島の中で勝てばいいだけなのですが、
ワールドカップの決勝戦となると、全ての事業分野で、
1番、2番、3番というわけにはいかなくなります。
そこで、自社が持っているヒト・モノ・カネ・ノウハウといった、
経営資源をどういうふうに使うかということが重要になり、
おのずと自社で抱えている事業分野を選別しなければならなくなります。
自分の力、経営資源だけでやれる事業分野と、
よそからの経営資源をうまく活用して、
何とか生き延びていくような事業分野とに分かれていきます。
自分の会社の中の、事業の組み合わせ(Portfolio)の、
再編成とも言えます。
この事業は中核事業で、絶対に伸ばすぞ。
しかし、この事業はよそと組んでやっていこう、といった具合です。
最近になって家電メーカーが、プラズマを撤退する、
白物家電はやめて別の事業に専念する、
などの動きがあるのはこのためです。


■グローバル時代の戦略的提携
このように、世界的規模で競争条件が非常に厳しくなってきた中で、
企業がどういうふうに生き残っていくか、戦略的な選択肢として、
自力資源(自前主義)でやるか、
他力資源活用でやるかということが問われています。
他力の場合は、よその資源を丸ごと自分のものにする、
つまりM&Aでやるか、あるいは他社と組んで、
提携でやるのかという選択肢に迫られています。

M&Aを行うと相手を支配し、自分の思った通りにすることができますが、
それはそれで、難しいところがあります。
特に、国際的な買収となると、
外国の会社を経営していかなければならない難しさや、
失敗した時のリスクがあります。
ただ、提携の場合は独立企業同士の相互補完ということですから、
相手企業の意向を伺いつつ進めければなりません。
これはなかなか神経も使いますし、
意思決定をするのに時間がかかるといったような面もあります。
それでも、提携では、M&Aのように巨額のお金はかかりませんし、
リスクも小さいといえます。
それから、一定の期間で提携をして、両方の用が済めば、
提携解消も可能であるというということで、flexibilityに富んでいます。

一昔前でしたら、日本の同業の、ライバル企業同士、
1位、2位というところが手を結ぶということは考えられませんでした。
提携といった場合には、大きくいうと、
非常によく似たもの同士が一緒に手を組むという場合と、
全く違うもの同士、それぞれ違う得意分野を持った同士が、
手を組んで両方がハッピーになるということがあります。
また、一方が強くて、一方が学ぶ。
技術を学ぶ、あるいは、マーケティングを学び合うという形もあります。
大体この3つの組み合わせで、提携というのは決まります。
これについては、なかなか上手くいかないものも、もちろんあります。
しかし比較的上手くいって、資源を節約して、
しかもスピード上げ行うことができたというケースも、もちろんあります。
例えば、半導体でいうと、例えばDRAMなどでは、
かなり大きな投資が必要になります。
1年で、1千億円など投資が巨額になると、
1社ではなかなか負担することが出来ません。
特に多角化している企業はそうです。
専業メーカーでしたら、それだけに注力して資金を投入すればよいのですが、
色々なことをしている企業だと、それだけにお金を使うわけにはいきません。
そうすると、割り勘、共同でやるJoint Ventureや、
あるいは、共同で開発するということで、経営資源を縮小することが出来ます。
こういったようなメリットもあります。

次回も戦略的提携でお話させて頂きます。
次回は経営環境がどのように変わってきて、
その中で戦略的提携が必要な選択肢となってきたという、
その辺の背景、それから、具体的な最近の事例を交えながら、
提携というものについての経営の面での重要性というものを、
お話をしていきたいと思います。

分野: 永池克明教授 |スピーカー:

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