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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > オバマ政権の向かう道(財務戦略/村藤 功)

オバマ政権の向かう道(財務戦略/村藤 功)

08/12/19

■オバマ氏勝利
本日は、オバマ政権の向かう道というテーマでお話しさせて頂きます。
前々回、麻生政権が、これからどういう方向に向かっていくのか、
というお話しをしましたが、アメリカも大統領が、
来年の1月20日で変わります。
これは日本としても気になるところです。

先日の選挙で、オバマ次期大統領が、
マケイン候補に勝ったという余韻がまだ冷めやらないところです。
オバマ候補がなぜマケイン候補に勝ったのか、
ということから始めさせていただきます。
白人の多くは、マケイン候補に投票しました。
やはり黒人やマイノリティ層が数多く投票した部分と、
白人でも、若い人たちが、オバマ次期大統領に投票したということが、
勝利の背景にあります。
今までは、選挙に足を運ばなかった若者たちが、興味はなくても、
格好いいので投票する、という行動が見られました。

民主党の代表をめぐるヒラリー・クリントン氏との戦いが長く、
それが見ていて面白かったということもあります。
クリントン氏に勝った時点で、オバマ氏が、
大統領になりそうな状況に見えましたが、
更に追い風になったのは、9月の金融危機でした。
この時オバマ候補は、マケイン候補はブッシュ政権の方針に賛成してきたし、
今後もブッシュと同じ方針になるだろうと主張しました。
マケイン候補は、それを払拭出来なかったので、
オバマ氏の圧勝につながりました。


■オバマ次期大統領
彼はアメリカ黒人の主流派というわけでもありません。
お母さんは、アメリカの白人です。
アフリカのケニアからきたお父さんと、
それから、カンザス出身のアメリカ白人のお母さんとの間に、
ハワイのホノルルで生まれました。
1961年に生まれて、まだ47歳とかなり若いです。
お父さんが、ハーバードの学生になった後、
離婚してしまいました。
お母さんが、インドネシア出身の方と再婚して、
一時、インドネシアにお母さんと行っていたこともあります。
それから、10歳で、またハワイに戻ってきました。
その後、コロンビア大を卒業して、
ハーバードのロースクールに行って頑張りました。

ハーバードのロースクールには、
ハーバードローレビューという雑誌がありますが、
ここの編集者や編集長になることは、大変な名誉です。
かなり勉強ができないと、編集者になれません。
しかし、彼は黒人として初めてハーバードローレビューの編集長を務めました。
そこから上院議員になって、早速、その手腕を発揮していました。
奥さんも、ミシェル夫人という、黒人の弁護士です。
オバマ次期大統領がシカゴの法律事務所にいた頃の、
先輩指導役ということで、教えてもらっている内に、
仲良くなって結婚しました。
その後、奥さんは仕事を辞めて、選挙を応援していました。
二人の子供達も、クローズアップされましたね。

こうやってオバマ次期大統領の経歴を見ていくと、
黒人にも白人にも支持される要素があり、
宗教的にもインドネシアで生活を経験し、
また2世議員でないということも彼の支持を大きくしているようです。
彼はアメリカ黒人の主流である、
元々アメリカ南部で奴隷だった家系ではありません。
お父さんは確かにケニアから来た黒人ですが、
コロンビアやハーバードという白人エリートの学歴を持っているため、
アメリカの大多数が認めてもおかしくないバックグラウンドなのです。


■アメリカ大統領選挙での圧勝
選挙人をそれぞれの州ごとに確保するという仕組みですが、
オバマ氏の獲得した選挙人は365人で、
マケイン氏は173人でした。
2倍以上の選挙人を、オバマ次期大統領が獲得した圧勝でした。
それから、大統領選挙と同時に、議会の選挙がありました。
上院と下院の両方の選挙がありましたが、
上院は定数の100席ではなく、35席が改選対象になりました。
今回の選挙の結果、民主党は55席、共和党は40席ということで、
民主党が15席位多くなりました。

下院は、改選前、民主党が235席で、共和党が199席でしたが、
今回の結果、民主党が255席で、共和党が174席と、
その差が36席から、81議席位に拡大しました。
大統領はもちろん、上院も下院も、
完全に民主党が押さえたという状況です。
日本のようにねじれていません。
ねじれると困ってしまいます。

大統領の就任は、来年の1月20日ですが、
民主党としては、8年ぶりの政権です。
ブッシュ大統領に8年も任せましたので。
その間も色々と困ったことが起こりました。
就任中最近までは、ブッシュ大統領で、
株価が上がっているからいいのではないか、
と色々言われていました。
しかし任期終了直前になって、暴落しましたので、
一体ブッシュ大統領は何をやってくれたのかと言われてしまっています。
実は、現職大統領が出馬しないというのは80年ぶりです。
アメリカでも、もうブッシュはダメということが決定的です。
本人もかなり疲れているように最近は見えます。


■オバマ次期大統領への期待と日本への対応
やはり何といっても、金融危機にどう対応してくれるかですね。
これはかなり重要です。
金融安定化法案は通さなければなりませんでした。
70兆円ほどのお金を使うということも、決まっていました。
そのため、どうやってそのお金を使うのか、
追加景気対策をどうするのか、
住宅ローンの借り手をどうやって保護するのかなどが問われます。
放っておくと住宅ローンの借り手が、
住宅から追い出されてしまいます。
そのため、住宅差し押さえを、どのように防止するかということに、
まず取り組むのではないかと言われています。

日本へどのような政策をとるのかについては、
あまり変わらないのではないかという説も強いです。
オバマ次期大統領のアジア政策は、
ウェブ・オブ・パートナーシップスと言われる、
これまでの同盟国である日本、韓国との協力を拡充する一方で、
インドやベトナムなど新興国との協力を強化し、
台頭する中国とも協調を深めるというものです。

昔、中国が小さく、日本が強かった頃は、
日本はけしからんということで、ジャパンバッシングをされていました。
しかし、最近は、日本をバッシングでなくてパッシングされています。
日本は通り越して中国とだけお話しする悲しい状況になってきました。
日本としてはパッシングしないで、それなりにお相手していただきたいですね。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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