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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 麻生内閣の目指す方向(財務戦略/村藤 功)

麻生内閣の目指す方向(財務戦略/村藤 功)

08/12/12

■麻生内閣の発足と解散総選挙

今回は麻生内閣の目指す方向についてお話させていただきます。
内閣発足中に経済状況が大変悪化してしまい、
麻生総理はかなり困っていると思います。
基本的には早く解散して、選挙に勝った上で、
落ち着いて経済対策をしようと思っていたはずです。
しかし、総理になる直前にリーマンが破綻してしまい、
世界中が大変な状況になりました。
その対処を迫られて、バタバタしている内に、予想通り、
総理大臣の支持率が下がってきてしまいました。
この状況で選挙をすると負けてしまうのではという懸念が広がり、
解散できずに、その時期が延びているという状況です。
当初は、就任してすぐの、秋にやろうという話でしたのが、
最近は来年の春というふうに言われています。
任期は、まだ来年の秋ごろまであります。
下手をすると、来年の秋までこのままずっといくかもしれない、
という状況になってきたということです。

リーマンの破綻以降に、株価が半分になってしまったので、
皆凍り付いてしまいました。
この状況に政府が何もせず、すぐに解散総選挙となると困る、
というような声も出ていました。
このような状況で、すぐに解散総選挙を望む声は、
少しトーンダウンしてきました。
そこで、麻生総理は解散をするべきか迷っているうちに、
支持率が下がって手遅れになってしまった感があります。
補正予算は、とりあえず第一次を通して、
第二次予算は来年の国会に提出すると言っています。

一方で、民主党は、何とか解散総選挙にもっていこうとして、
躍起になって党首会談をやってみたりしています。
民主党は、麻生総理が秋に解散をしてくれるものだとばかり、
思っていました。
総理が就任したら、すぐに解散総選挙だと思って、
色々な準備をしていました。
民主党には議員になりたての方々が多いですから、
お金をあまり持っていません。
選挙の準備があまり長引くとお金が続かずに、
個人的に破綻してしまうということで、少し困っています。


■追加経済対策と社会福祉
麻生総理が就任してすぐに、経済対策ということで、仰々しく、
定額給付金、4人家族なら6万円というような話まで発表しました。
そこが、まずうまくいっていません。
政府にお金がないのに、なぜそうやってお金をばら撒くのか、
という疑問がある一方で、2兆円ほどを国民にあげるが、
3年経ったら消費税を上げたいということになっています。
一旦お金をあげるが、後に消費税で返せ、というのでは、
高利の貸付ではないかという人もいます。
後で返さなければならないのならいらないという人も、
結構出てきました。
本当にこの給付制度を実施するのか、
という騒ぎが起こっている状況です。

就任当初は、政策をとやかく言う必要もなく、
解散総選挙を実施し、そこで自民党と民主党で、
それぞれの政策をぶつけ合うという話になる想定でした。
ところが、そうなる直前に、金融危機が勃発しましたので、
あわてて短期的な対応に追われています。
ですので、長期的には一体何がやりたいのか、
ということが段々と分からなくなってきました。

例えば、社会福祉に関してもそうです。
2004年の年金改革で基礎年金の国庫負担を、
3分の1から2分の1に引き上げるということが決まっています。
しかし、これをやろうとすると、消費税を引き上げて、
財源を確保しなければならないという話になりかねません。
それから、後期高齢者医療制度もそうです。
これは、もともと若手の過剰な負担を回避してあげよう、
という話だったはずですが、高齢者の方々に怒られてしまい、
マスコミがそれに乗って騒いだために、
もうこの制度は維持できないという状況になってきています。
この制度に関して舛添厚労大臣が、
ごめんなさいと謝ってしまいました。
そして一旦廃止します、というようなことを言い始めてしまいました。
何がしたかったのか分からなくなってきたという状況ですね。

定額給付金も、どこからそのお金を払うのかが問題です。
政府にお金はなかったはずです。
麻生総理は、赤字国債は使わない、
というようなことをわざわざ言いました。
将来の若手に先送りするような赤字国債は使わないと。
しかし、何を財源に使うのかというと、
特別会計の埋蔵金を使うという話になっています。
特別会計の埋蔵金というのは、
赤字国債を返すための資金だったはずなのです。
それを使ってしまうなら、結局若手に、
将来の借金を返済させるわけなので、
赤字国債を発行するのと同じことです。


■埋蔵金の行方
そもそも、特別会計の埋蔵金というのはあるのかないのか、
ということすらよく分からない話です。
埋蔵金はサブプライムローンの影響を受けて、目減りもしています。
例えば、外為特別会計や、財政投融資の、
財政融資特別会計などがあります。
外為特別会計というのは、日本政府が、
100兆円位のお金をドルに投資して、
為替レートの動きについて賭けをしているという代物です。
それで損をしても大丈夫なように積んであるリザーブを、
最近は埋蔵金と呼んでいるだけです。
最近、ぐんぐんと円高が進む中で、
10兆円位は損をしているはずです。
リザーブもその分、絶対に減っています。
明らかにはなっていませんが、
外為特別会計の埋蔵金はかなり無くなっているはずです。

他の特別会計などでも、余っているお金を運用しています。
株式市場の価格が半分になっていますので、
目減りしていないわけがありません。
埋蔵金は実際に今、どれ位あるのかが不透明です。
また埋蔵金の内、実際の特別会計の準備金として、
とっておかなければいけない分と、
他に使っても大丈夫な分を分ければ、
一体いくらずつになるのか明らかにされないまま使ってしまおう、
という話ですから、話が怪しいですよね。

そもそも皆に配るといっても、まだ財源を確保した法律も、
何も通っていません。
とりあえず、返さなくてもいいお金をくれると言うのでしたら、
早く下さいという話です。
一方でお金持ちにはあげないという話もあります。
そのお金持ちはどの位からお金持ちなのか決められないので、
地方で勝手に決めてくれというようなこと言われてしまい、
地方も我々が決めるのか、と困っている状況です。


■民主党の構想
ただ一方で、民主党の政策も、
その後ろだてになる財源の話がはっきりしていません。
自民党がこれだけダメなので、
民主党に代わりに1回やらせてみたいという気持ちも、
ないわけでもないですけが、もう少し明確に言ってくれないと、
何かよく分かりません。
小沢代表が出てきても、
もともと自民党の代表みたいな方ですので、
何を言っているのか今ひとつよく分かりません。

民主党の案の中で、1つだけ面白そうなものは、
各省の副大臣や政務官を増員して、
今の2倍の100人位の国会議員を、
行政に送り込もうという話です。
これは、1度やらせてみたら面白いかもしれないなという気がします。
官僚主導から、政治主導に向かうという意味では、
今までのように色々言っていても、
政治家が実際は官僚の言いなりになっているという状況は、
少し変わるかもしれません。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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