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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > イギリスの政治の仕組み(異文化コミュニケーション/鈴木 右文)

イギリスの政治の仕組み(異文化コミュニケーション/鈴木 右文)

08/12/10

今回は私の大好きな国、イギリスの政治の仕組みについて、お話しします。
九州大学の1年生の前期で必ず履修する「英語Ⅰ」
というのがあり、その中に、講義科目的な内容が
たくさん散りばめられています。その中のオプションとして、
「イギリスの社会と文化」という章があります。
先生方によって、採用する人としない人とがおりますが、
英語を勉強するのを通じて、
イギリスの政治も学ぼうということにもなります。
言語だけ学ぶだけでなく、それにつながっている向こうの文化、
向こうの政治などの様々なことを学ぶことが重要です。

■立憲君主制
まず、国の形式です。様々な国家のあり方というのがありますが、
イギリスの場合は立憲君主国という形式になります。
つまり、憲法的なものがあり、そして君主がいるという形式です。
この場合の君主というのは、女王もしくは王様です。
現在は、たまたまクイーンですが、男性だったら、
キングになるわけです。
日本のような象徴ということではなく、
形式の上ではトップに君臨しています。
また、王が持っている様々な権能というのがあります。
例えば、議会を解散したり、議会を召集したりということは、
王がすることです。さらに、内閣の総理、
それからその他の大臣を指名するという役割もあります。
本当に王が決めているわけではないのですが、
形の上では、王、現在は女王がすることになっています。
日本と随分違うのは、実際に政治の話を総理大臣とすることです。
定期的に、多分1週間に1回とか言われていますが、
その近辺に起きた、国際的な問題、国内的な問題を、
実際に討論するという目的で、
総理と女王が会見するということが行われています。
先月チャールズ皇太子が日本に来日した時も、
麻生総理と環境問題について連携していこうという趣旨の話をしました。
つまり政治的な話には、相当首を突っ込む立場だということです。

■議会
次に議会についてですが、日本でいうと、
議会というのは衆議院と参議院がありますが、
英国の場合は二院制です。
私も見学したことがあるんですけれども、上院にあたるのが、
貴族がなるもので任命制。
下院の方が、「庶民院」といって、“House of Commons”と言いますが、
こちらは、小選挙区制の選挙が行われ、
任期は5年、また解散が有り得ます。
上院の方は、昔は親が貴族で議員だったら、
子供もそうなるという世襲議員が多くいました。
一時期は人数が随分増えてしまい千何百人もいたんですが、
トニー・ブレア氏の時代に、どっと縮めて、半分位になっています。
つまり、世襲の枠を減らしたということです。
ですから現在は、大昔みたいに、貴族であれば誰も、
というような形ではもうなくなっています。
いずれにしても、ちょっと言葉は悪いですけれども、
貴族院の方は、上院なんだけども飾り的な存在です。
したがって、実質的には、下院が持っている力が
一番だということになります。こうした部分はアメリカの議会とは違います。
そして、下院から上がってきた法案というのが、
王または女王に上がってきます。そこでRoyal Assentという、
王室側の許可をもらわないと、法律を発行できませんし、
それを拒否することも、憲法上許されています。
しかし、実際に拒否してしまうと総スカンで、
「王室なくせ」などの運動が広がってしまうので、
実際にはしないと言われています。
議会では、ちょっとそういう機会が設けられているかどうかは
分かりかねますが、会見は総理大臣と一対一で行っているようです。
議会での話ですが、王または女王が実際にやってきて、
議会が開かれる時には実際に、出て行って、
開会を宣言するというようなことはあります。
行ってみると分かりますが、王の待合室とか控え室とか、
王様が座るところなど、それは仰々しく、
何でこんなに豪華に作るのかと思うような凄いところであります。
いわゆる儀式のようなもので、
伝統を大切にするというのはイギリスの文化と思い、
楽しく見て見学できます。
イギリスの中には、スコットランドやウェールズなど、
その場所によってまた違う議会もあるようです。
議会といっても、いわゆるイギリス全体の議会と、
それから地方の議会というのがあるわけですが、
制度としては、イギリスという連合国それ自体が持っている法律の体系と、
地方だけ適用されている部分というのがあります。
全体の方はよく、不文憲法といわれています。
マグナカルタ以来、積み重ねられてきた様々な法律が、
全体として、日本でいう憲法的な効力を持つというタイプの法律体系になっており、
それで、議会というのが存在しています。
もっとも地方で行われている議会というのは、
その法律の体系ではなく、地方で独自に成り立っているものです。
実は、地方では様々な制度を独自に決めることはできますが、
独自に税金を集める権能というのはないらしく、
あまりたいしたことはできなくて、
実質的な力をもたないというのが、通り相場のようです。
現在、日本では地方分権といわれていますが、
中央集権的な所がイギリスの特徴です。
ただ、教育制度などは随分違います。
自分たちのことは自分たちで決めるという部分は、
かなりの部分はできていますが、
お金を伴わないというところが玉に傷です。

分野: 鈴木右文准教授 |スピーカー:

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