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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > エッセイライティング(異文化コミュニケーション/鈴木 右文)

エッセイライティング(異文化コミュニケーション/鈴木 右文)

08/12/02

■3部構成
前回はパラグラフ・ライティングということで、
アメリカ式の文章の書き方をお話しました。
これは日本でもビジネスの場面で
簡潔に物事を説明する際、非常に役に立つ場面が
あるのではないかということでお話しました。
今回は、エッセイ・ライティングについてお話します。
エッセイといいましても、随筆という意味ではありません。
九州大学でエッセイ・ライティングというのを教える時は、
学術に使う作文ということになりますので、
論文まではいきませんが、
大学で出すレポートみたいなものと考えてください。
複数のパラグラフでレポートとして
成り立つような書き物というイメージです。
その作法ということになると、前回と似たような話ですが、
少し違うところがあるというお話です。
前回は、まず最初に話題文、そして本文、
最後に結語文という3部構成でした。
そして、今回も3部構成です。
まず最初に、導入の段落があり、
その次に本論になる段落がいくつかあり、
最後に結論を表す段落があるという
3部構成なのは一緒です。日本の場合、
起承転結で4部構成が多いのですが、3部です。
まず最初は、導入の段落からなんですが、
イントロダクトリ・パラグラフといいます。
まず最初に言いたいことをズバっというかというと、
そういう分けではありません。
前回のパラグラフ・ライティングでは、
初めに主題文をもってくるということでした。
もちろんそのようにしてもいいのですが、
アメリカでよくやられている指導の内容に従うと、
導入のパラグラフの一番最後に、
一番言いたいことをもってきます。
これを今度は、トピックセンテンス(topic sentence)と言わずに、
エッセイ全体のthesis tatement(セシス・ステイトメント)
などという言い方をすることがありますが、
それは最後に置きます。
それが話題と、コントローリング・アイデアから成り立っているのは、
前回と同じなんですが、話の枕をそれの前に、
イントロダクトリ・パラグラフの最初の方に、入れて欲しいです。
これは、指導としては、最低2行位は欲しいと言われています。
枕が1行、thesis statement(セシス・ステイトメント)が1行だと、
全体で2行で、段落としてはちょっと短いなという、
技術的な理由があります。この枕というのは、
今から話すことに関係はしているけども、
中核部分じゃないという話をするんです。
例えば、落語の枕を想像して下さい。
枕の部分というのは、全然今日の話とは
関係ないところから始まりますが、
でもどこかで引っかかりをもっています。
それと同じようなイメージだと思って頂ければ幸いです。
例えば、九大がいかに優秀な大学か
という話をしようとしているとすると、
まず最初に、例えば、枕として、昨今、
「大学のランキング」などを言及することが多いですなあ、
というような話から始めて九大にもっていくとかという、
そういったイメージです。

■予告
そして、導入の段落で、もう1つだけ言っておきたいことは、
あまりにも前回と違って長い書き物になりますので、
これから後どういうものを話すことになるかということを
予告するようなもの、プレディクター(predictor)
というのを入れることがあります。
例えば、九大が優秀だという話をする場合、
優秀だ、優秀でないという話を展開する前に、
「例えば学生について、あるいは建物について、
あるいは生み出される製品について
というようなことがあります。」などというようなことを書いて、
「ああ、これから、じゃあ、その3つや4つのそういうものについて
これから話をするんだな」という前ふりをすることがあります。
その前ふりをされたものが、本論の中で、
1つ位ずつ段落を使って説明されていく
という形になります。ただし、このプレディクター(predictor)は
あってもなくてもいいオプショナルなものです。
本論は、これもアメリカ式の言い方になりますが、
最低3つ欲しいと言われています。
自分のポイントを補強するためには、
最低3つの議論が必要だということがよく言われます。
また、「たくさんあるであろう、many~」といったら、
例は最低3つ挙げろということも指導されます。
たくさんあるというのに、1つや2つの例では、
相手に対して、説得的ではないということなんです。
学生の作文を見ていると、確かに2つ位で
ごまかしちゃうことが多いです。
やはり3つ書けというのは、必要な指導なんだなと思われます。
やはり具体的な例を挙げることによって、説得力が増します。
それから、気をつけて頂きたいことが1つありまして、
本論の中に出てくる段落がいくつかあるわけですけども、
その1つ1つの段落というのは、昨日言った、
パラグラフと構造的には一緒なので、
1つ1つのポイントの段落の中に、
話題文、本文、結語文というのが考えられています。
しかし今度は、本論の中の1つ1つの段落の中では、
結語文というのは必ずしもなくてもいいです。
その理由は、それは話題文の繰り返しになることが多いからです。
1つ1つ繰り返しを、1つ段落が出てきたら、
ああ、繰り返しが最後にきた、
次の段落に移ってもまた繰り返しが出てきたというふうになると、
うるさいということがあり得るので、
うるさいと思えば、1つ1つの本論の中の段落の中では、
結語文は必ずしも書かなくてよいということになります。
形式にこだわり過ぎて、学生が、
少し何かやかましいことを何度も繰り返してるな
という印象を与えることがあります。
こうしたことは常識の話ですので、
何か少しやり過ぎだなと思ったら、
それは思い切って修正して欲しいと思います。

■結論

そしていよいよ結論の段落です。
結論に入っていきますと、今度は最初に、結論をズバっと書きます。
その場合、昨日と同じで、やり方は2種類あります。
一番最初のthesis statement(セシス・ステイトメント)
=主題文で書いたことを、表現を変えて言い返す
というパターンをとるか、あるいは本論でいった、
いくつかのポイントをまとめる形で書くかということになります。
そのどちらでもいいのですが、今度は段落ですから、
結構長く書けるので、最後に枕にあたることなんですけども
最終的なコメント、本論の中の大事な部分ではないんですけども、
ちょっと最後に一言というようなものを
入れてもいいと思われます。
例えば、九大が優秀だという話をしたら、
最後に、「あなたはご子弟を九大にやるつもりはありますか」とか、
あってもなくてもいいようなコメント、
だけど関係してるということを、
一言入れるなんていうことがあります。
ちなみに学術論文ならユーモアはいりません。
まとめになりますが、書いている内に、
サイズに従って、中の構成を少し変えて欲しいところがあります。
段落がいくつかあるだけというのでもいいのですが、
もし長い時には、節のひとくくりにしたり、
あるいはもう1つ上にいって、章でひとくくりにしたり、
というようなこともあります。その辺も考えてみて下さい。
前回と同様にビジネスで文章を書く際、
日本、アメリカ関係なく、こういう作り方をするのは、
訴えかけるものが大きいような気がしますね。

分野: 鈴木右文准教授 |スピーカー:

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