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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > パラグラフライティング(異文化コミュニケーション/鈴木 右文)

パラグラフライティング(異文化コミュニケーション/鈴木 右文)

08/12/01

今回はパラグラフ・ライティングというテーマでお話します。

九州大学の講義で作文の授業というのを、
1年生の人は皆受講することになっていますが、
意外とやってみると非常に簡単な骨格しか
ないような学習内容なんですが、
なかなか身に付かないというのか、
アメリカ式のやり方をやろうとしているものですから、
どうも今までの人生の中で培ってきた
日本人のものの書き方からスイッチできない
ということが多いようです。
そこで今回紹介してみようと思いました。
ただ、ビジネスマンの方が書く商用文というのと
少し違いますので、参考程度にという話になります。

構造は明らかに違います。
よく言われることですが、英語は全てストレートに書け
ということを言われます。日本人は回り巡って、
何を言いたいかが、なかなか分かりにくい
ということをよく言われます。
現に、私の周りでそういったエピソードを
紹介してくれる学生は、次のようなことを言っています。
外国人と話をしていて、昨日起こった出来事について
話していたのですが、「昨日あそこ行って、
そこに行ったらこういうものがあって、どうのこうの」
としゃべっていたところ、途中でさえぎられ、
「結局何が言いたいか、先に教えてくれないか」
と言われました。それを言われて、
最初に結論をしゃべって、それを展開していく、
英語的なしゃべり方と日本人的なしゃべり方と
違うのだなということが分かったそうです。
ここでは、書く方の話ですが、話の中心は同じことです。
アメリカ式は直線的に並べて書くのですが、
一方で日本式の言い方というのは
様々な人が様々なことを言うので、
イントロがとにかく長く、自分の知識を
ひけらかすわけではないのですが、
ああだこうだ言えば言うほど、
自分が何かいいことをしゃべっているという、
何かそんなふりができるという楽しみがあるようです。
そして、一番言いたいことは、最後までとっておき、
最後でズバっとそれを言って、それを展開せずに終わってしまう
というような感じです。何かわけの分からないことを
書く人が多いということが、物書きに慣れているはずの、
いわゆる学問の世界の人達の間でも言われています。
アメリカなどへ行って、作文の訓練、
あるいは、英語自身の訓練をさせられる時に、
「今までとは随分違うことをやらなければいけない」
と感じる人が多いようです。
そうすると考え方をまず変えないといけず、
最初にズバっと言いたいことを置くというところが大切です。
今日は、パラグラフ・ライティングという話ですが、
1つの段落で完結というような短い話を書く時の話です。
自分の言いたいこと、そのパラグラフの一番の肝心なところを、
まず一番最初に置くということです。
これがなかなかできません。私達日本人は、
話の枕から入ってしまって、どこから本文が始まるのか
わからないということが多いです。
アメリカ式では、まず最初に、そこで言いたいことを書く。
そのことを「話題文」と言います。
英語では、話題文をtopic sentence(トピック・センテンス)と言います。
topic sentence(トピック・センテンス)は
どのように成り立っているかというと、
まず、何が話題になるかということで、
話題を出して、それがどうなのかという部分を書きます。
英語で言うと、topic(トピック)と、controlling idea(コントローリング・アイデア)
という専門用語があります。
何がどうしたということを必ず頭に書きます。
一方、日本式の場合、まず最初に、
「私はこれから九大についてお話をします」
とかというふうに、多分始めます。
しかし、アメリカ式では、「何々について話をします」
はダメなんです。要するに、自分のオピニオンというか、
理由付けも短くていいから、1つ主張が欲しいわけです。
単にこれだというだけではダメで、
これがこうなんですと述べ、自分の主張が入っているということも大切です。
自分の主張が入っていないようなものは、
語るに値しないという価値観です。だから、これについて話をしますとか、
あるいは九州大学は国立大学です、とかというような、
誰がみても当たり前のことを頭にもってきたのでは、
ダメなんです。聞いている人が「オッ」
と思ってくれるようなものを出さないといけないわけです。
やはりいわゆる日本人的な考え方ではなく、
ストレートにものを言うんだという
意識にもっていかなければいけませんが、
それがなかなか難しいです。
まず言ってしまえ、と。そこから後は、自然に続いていくんですけれども、
パラグラフの構造としては、まず最初に、
その話題文というものを置きます。
そして、それを展開する本文とか支持文とかいうんですけれども、
自分の言った主張を補強していくような議論を
本文のところで重ねていって、そして最後に、
結論を表す結語文、英語では
concluding sentence(コンクルーディング・センテンス)
といいますけれども、それを最後に1つ必ず置いて終わりにします。
その最後の結語文も、約束事があって、
2つやり方があるんですね。
1つは、話題文で最初に言ったことを少し言葉を変えて言い直して、
最後の結論とする。これが英語ではrestatement(リステイトメント)
と言うんですけれども、それで行うか、あるいは、
本文で述べてきたこと、支持文で述べてきたことを要約する形で置くか、
その2つのスタイルがあります。
普通のパラグラフ・ライティングでは、
restatement(リステイトメント)、
即ち言い換えの方を使います。
なぜかといえば、1つのパラグラフでは、
非常に短いですので、要約をいちいちもう1回蒸し返すような形になると、
ちょっとやり過ぎということが、
普通多いからです。
従って、話題文を言い直すということが多いのです。
まあ、それ位覚えておくと、
何とか書けるんじゃないかなと。
あとは文法力、単語力かなという感じはしますけどね。

書く際の工夫としては、日本人でも最近よくやりますが、
まず書き出してしまって、途中で、
鉛筆なめなめ、ええと、という形で書くんですよ。
今はそうではなく、まず、ブレイン・ストーミングといいますか、
アイデアをとにかく思い付くままに書き出して、
そういうものが出尽くしたところで、
さ、そこから腰を上げるというのかな、
書き出すというスタイルです。
これはやっぱり日本人も見習った方がいいなということですね。
今日1つ紹介してみたいのは、
マインドマップというやり方です。
まず、話題になるもの、例えば九州大学について話す場合、
「九州大学」と書いて、それを丸で囲む。
次にそれについて出てきた、九州大学に関して思い付ついたものを、
とにかくどんどん棒で結んで、また丸をどんどん、
周りに衛星的に増やしていきます。
例えば、学生のこと、教師のこと、交通手段のこと、
キャンパスがたくさんあることとかって、
いくつかどんどん書いていって。
で、1つ1つのことについて、また更に細かいことがあれば、
そこからまた枝を生やすというふうにして、
シナプスがどんどん連合していくみたいな形で、
図を描いていきます。そういうふうにして書くと、
後でどこを実際に文章化するかということを考える時に、
採用するところは丸で囲んで、採用しないところはバツで消していく。
そうすると、全体の見取りがすっと分かるという形になりますよね。
そんなことは、当たり前のことかもしれないけど、
意外にできないものです。
物事をロジカルに考えるということを考えると、
アメリカ式の方が、ビジネスでも、
実は役に立つという場面があるかもしれません。
英文では、特にそうですし、
日本語でも、これにならうといいことがあるように思われます。

分野: 鈴木右文准教授 |スピーカー:

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