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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 中国における企業行動 CSR(中国経済と産業/国吉澄夫)

中国における企業行動 CSR(中国経済と産業/国吉澄夫)

08/12/15

■3カ国シンポジウム

10月に、中国の青島(チンタオ)で、
中国社会科学院、九州大学、
韓国の東国(とんごく)大学の3者が
共催で、シンポジウムを開きました。
今回が、第3回目となります。
2007年の初めに、第1回目を福岡で開催し、
2回目を昨年の後半に、ソウルで開きました。
日本と中国と韓国、この東アジアの国々で、
どういった共通のものを見出していくか、
あるいは、協力関係を作るかというのが
1つのテーマです。
政治やマクロ経済ではなく、
九州大学が扱っているテーマは、
もっと身近な、大衆文化、高齢化社会の問題、
医療倫理の問題、環境の問題です。
私が関連しているのは、「産業連携」で、
企業と企業との関係がどうあるべきかを
話し合いました。


■中国が抱えている問題

今回の会議の全体テーマは、
中国の調和ある社会建設に、
日本や韓国は、どう協力できるのか、
というテーマでした。
中国は驚異的な経済成長を遂げていますが、
その影の部分では、成長の負の遺産のような
貧富の格差の問題、環境汚染の問題、
食の安全問題と、多くの課題を抱えています。
中国が目指している、調和ある社会
(中国では和解社会と言います)、になるためには、
まだ色々な課題があるのです。
調和社会を建設するためには、中国が、
1国だけで行うのは難しいことです。
これはなかなか難しいことです。
どのように、隣国である日本や韓国が、
協力しながら解決していくかを議論したわけです。


■CSR、企業の社会的責任

私が属して議論した、「産業連携」という分科会では、
CSR、つまり「企業の社会的責任」を、
是非テーマにして欲しいと中国側から要請がありました。
日本、中国、韓国、それぞれ産業連携の
共通の価値観として、CSRを持てないか、
ということで、それぞれの立場から報告がありました。

簡単に紹介しますと、
日本文化センターの北京事務所や、
日本経団連からも参加いただき、
日本企業の中国での社会貢献活動の
実際やあるべき姿、啓蒙運動の大切さについて、
紹介していただきました。
特に、印象に残ったのは、
日本経団連の報告で、
「今、国際的にも広がっている、『CSR』という
言葉の具体的な中身は、絶えず進化しており、
流動的。国や地域によって取り組みが、
色々異なっているので、グローバルな多様性を
尊重し、利害関係者(ステークホルダー)との
対話を通じて、取り組みを決めていかなくては
いけないのではないか」という言葉でした。

また、もう1つ、
中国社会科学院からの報告で、
(昨今の、アメリカ発の金融危機に関連しまして、)
「利益優先に走るアメリカの金融機関が、
社会的に責任を果たしていないことが
原因ではないか。また、世界最大の
総合企業である、アメリカの政府が、
自分の国民や世界の国民に対して、
きちんと責任を果たしていない」
というような、随分手厳しい話も出ました。


■CSRの共有

そうした中で、この会議では、
ある一定の方向の議論がありました。
つまり、現在、アジア全体に、
国際分業の体制が広がっています。
サプライチェーンという言い方をしますが、
供給の連鎖が広がっている中で、
それぞれ利害関係者(ステークホルダー)が、
つながりながら、分業体制ができています。
中国の企業も、その中に入っていて、
サプライチェーンの中で、中国が果たす役割が
ますます大きくなっています。
その時に、中国に進出した日本や韓国の企業が、
中国企業を巻き込んで、CSRを率先して行ない、
結果、産業全体が共通の価値観として、
CSRを持つようになれば、環境汚染の問題や
利益だけを優先して、食の安全の問題を
ないがしろにする問題のような、
企業の行動が絡んだ社会的な問題への
解決の道が出てくるのではないか
と、会議では考えました。

中国自身は、「調和ある社会」を目指しており、
このCSRの考えは、同じ方向を向いています。
そして、「CSRとは、調和ある社会が作ることだ」
というようなことも言われました。
こうした協力関係が出てくることが非常に大事で、
今回のパートナーである中国社会科学院は、
中国国務院のシンクタンクであり、
大変影響力を持っている組織です。
このような議論は、非常に価値が
あるのではないかと思います。

分野: 国吉澄夫教授 |スピーカー:

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