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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > イギリスの保存鉄道(異文化コミュニケーション/鈴木右文)

イギリスの保存鉄道(異文化コミュニケーション/鈴木右文)

08/11/17

■保存鉄道の乗り歩き

学生を連れて、ケンブリッジ研修に
行くうちに、イギリスの保存鉄道の
乗り歩きをはじめました。
保存鉄道とは、
昔、ブリットレイルというイギリスの国鉄が、
ご多聞にもれず、色々と廃止になっていく
ところを引き継ぎ、ボランティアの人が
運営しているものです。
また、新しくレールを敷設して趣味的に
始めたような保存鉄道もあります。
そのような形で、イギリスの各地に、
田舎を中心にして保存鉄道というものが存在します。
保存鉄道は、純粋に乗ることを楽しむためのものであり、
通勤客が乗る路線とは全然違うものです。
日本では、そういうタイプのものは、
なかなかありません。
それで、保存鉄道の乗り歩きに興味を持ちました。

線路は、イギリス旧国鉄時代から
そのまま引き継いでいることが多いので、
車両が残っていても、線路がないと走れない
という問題はありません。
車両も多くの場合、払い下げをしてもらっていますし、
中には、イベント毎に、新しい車両をもってきて
使いまわしていることもあります。
例えば、英語では、
「Thomas the Tank Engine」と言いますが、
機関車トーマスのようなものを、ある会社が
多分保有していて、あちこちの鉄道でそれを借り、
今日はトーマスのイベントだよ、といって
お客さんを集めることもよくある光景だそうです。


■イギリスは鉄道文化発祥の地

イギリスは、鉄道文化の発祥の地で、
蒸気機関も確かイギリスが最初です。
産業革命の時代に、輸送機関が必要になって
鉄道の歴史が始まりました。
イギリスから鉄道がやってきた日本にとっても、
鉄道は非常になじみがあります。
現在は、どちらかというと、日本のほうが
技術的には上をいっている気がしますが、
イギリスが敬意をはらうべき、
鉄道文化発祥の地であることは間違いありません。
発祥の地だという誇りを持ち、イギリスの皆さんは、
保存鉄道などの取組みをされています。
日本と根本的にどこが違うのだろう、
というリサーチをしてみたいのですが、
趣味ですのでそこまではできていませんが、
そのボランティアの方々が、
やはり非常に熱心なことは確かです。
なにせ、鉄道(手伝おう)というくらいですから。

そのような形で、ボランティアが
中心に運営しているところが多く、
その分運賃にも跳ね返ります。
例えば、10分位乗って、日本円に直して
1,500円位というところが多いです。
ロンドンの地下鉄は、普通の800円(4ポンド)の切符で
行けるところは、中心部の範囲だけという高さです。
その800円も高いと思いますが、
保存鉄道の10分で1,500円は高いです。
しかし、家族連れで、
これに大挙して乗りに来ています。
日本のように、鉄道ファンが来て、
趣味的に楽しんでいるというよりも、
どこの家族の人も皆集まってきて
楽しんでいる形なのです。
これは、非常にうらやましい文化だと思います。


■ナローゲージの魅力

実は、イギリスの国鉄からそのまま
引き継いだところは、多くの場合、
イギリスの国鉄と同じ線路の幅、軌間(きかん)を
持っていることが多いです。
鉄道ファンとしては、軌間の幅が狭い鉄道(ナローゲージ)は、
見ていてかわいらしさを感じるという部分があり、
そこがまた保存鉄道の魅力です。
標準軌といわれる、1,435ミリが
普通のイギリス国鉄のサイズです。
その軌間に対して、1mよりも、もっと小さいものもあり、
大抵15インチといって、385ミリ位までが、
普通の鉄道の範疇に入ります。
そして、それ以上小さいものですと、遊園地に
あるようなライブスチームのような形になります。
しかし、今回訪れた中では、10インチ足らずという、
非常に小さな軌間のものがあり、興奮しました。


■イギリス人の鉄道の楽しみ方

周りに、特に大きな観光地があるわけでもなく、
本当にド田舎なのです。
ターミナルの駅に行っても、
周りは何もなく、バスは通っているのですが、
バス停すらないという本当にとんでもない田舎に
駅が存在しています。
そこを気軽に往復して楽しんでいる人が多く、
日本に比べて、楽しみ方に余裕があるように
感じられました。
日本では、何か目的を持って
観光地に行くことが多く、
その際、行く手段として鉄道を利用する
という感じですが、イギリスでは
そうではないような感じです。

実際に数えると、
保存鉄道は80、90位あると思いますが、
大抵どこに乗っても、どこからか、
それに乗るのを楽しみにやってきた
という一般の人たちが多そうでした。
日本でも、鉄道ファンだけに限りませんが、
大井川鉄道や京都の嵯峨野のトロッコなどを
目指しているというところもいくつかはあります。
しかし、数は多くはないですし、
イギリスほど文化として根付いている
というところまではいきません。
さすが、イギリスは、鉄道文化発祥の地だけ
ということはあるのかな、と感じました。

分野: 鈴木右文准教授 |スピーカー:

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