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世界の広告産業の趨勢

08/10/28

前回、日本と世界の広告産業の比較を行いましたが、
今回は世界では潮流になっているけれども、
日本では潮流にならなかったトレンドから、
日本の広告産業の特質をお話しします。

現在、世界の広告産業界は、
三大グループ化が進んでおります。
例えば、広告業界の人間が昔から
よく聞く広告会社の名前といえば、
ヤング・アンド・ルビカム、レオ・バーネット、
オグルビー・メイザー、J・ウォールター・トンプソン、
DDB、BBDO、ピュブリシス、
サーチ・アンド・サーチなどですが、
これらは全て3大グループの中に入っています。
そして、そのグループの中に持ち株会社ができており、
オペレーション(営利事業を行っていない)してない
という意味では、完全なマネジメントのための会社です。
1つの例を挙げますと、
WPPという3大グループの1つがあります。
これは、元々はイギリスの会社です。
この会社の傘下にあるのが、オグルビー・メイザー、
J・ウォールター・トンプソン、
ヤング・アンド・ルビカムなどで、その他にも
様々な会社が傘下にあります。
それをマネジメントで束ねているのが、
WPPという持ち株会社になります。
なぜそういうふうにまとめないといけないかといえば、
1つはメディア扱いということが
一番大きかったと思われます。
特に欧米では、メディアはスケールメリットが働くビジネス
と思われています。だから、メディアは必ず
必要なものだけれども、メディアの価値が
エージェンシーによって違う訳ではない
という前提にたった場合、多くの広告会社が
行っているバイイング・プランニング・購買の
メディア作業を1つの会社に全て集めてしまえば、
メディアへの影響力をより強くでき、
より安く買えるというのが1つあります。
従って、この持ち株会社のグループには
必ず専門のメディア会社というのができます。
このメディア会社は、媒体のプランニングと購入をしていますが、
持ち株会社傘下の広告会社のメディア作業を
一手に引き受けてしまうというようなことが起きます。
従って、従来メディアをやっていた
J・ウォールター・トンプソンにしても、
オグルビー・メイザーにしても、その他にしても、
メディア作業を手放したことになります。
そして、彼等は主にクライアントの為にブランド作業を行うことになり、
そういったエージェンシーのことを
ブランドエージェンシーと言うようになりました。
ですから、持ち株会社の中の中核的なエージェンシーのことを
ブランドエージェンシーといって、
加えて、メディアエージェンシーがあります。
そうしますと、グループの中で更に系列化が進み、
様々な専門エージェンシーをグループに入れようとします。
専門エージェンシーとは、例えばリサーチ専門、
セールズプロモーション(SP)専門、インターネット専門
というのをグループ内に取り入れ、
系列化していくというようなことが、
それぞれのグループで起きました。
総合的なキャンペーンを頼もうとすると、
ブランドエージェンシーだけではできません。
そこで、グループ内のさまざまな専門会社と
コンソーシアムを組み、ブランドエージェンシーが
プロデューサー役になるというのが、
彼等の総合的サービスへの対応方法です。
また、グループ化には大きなメリットがあります。
以前の講義でお話しましたが、欧米の企業は
1カテゴリー1社であるということをいいました。
しかし、1つのグループに3つのブランドエージェンシーができると、
3つの同じカテゴリーで、
たとえば、フォードとGMとクライスラーが扱えるということになり、
競合対策にもなりました。
それは今までの作業の純増になりますから、
グループ化の大いなるメリットになりました。

こうしたことは、日本では起きてないことです。
日本の大手広告会社は現在でも、
「ここに来れば、全てのサービスが受けられますよ」
というような百貨店型サービス・ワンスストップショッピングで行っており、
欧米とは随分違う形態です。
このことは善し悪しではなく、
日本の場合専門会社のコンソーシアムというものを、
お金を出すクライアントが受け入れなかったようです。
専門化が進んでいない日本の広告業界は
時代に後れているのではないかと言われてきました。
ところが、このところインターネットの出現により、
時代が様変わりしてきています。
デジタル技術の進展といってもいいと思いますが、
インターネットというのは全てを結びつけるものです。
ウェブを結び付ける、モバイルを結び付ける、
マスメディアを結び付ける、
それからSPを結び付けるということで、
全てののりしろになってしまい、
専門家、専門代理店に分化されているよりも
1ヶ所にあった方が、プランニングし易いという時代が、
現在起こりつつあります。
そのことをクロスメディアと言います。
あるコミュニケーションを考える時には、
マスメディアだけではなく、ウェブや口コミまで考えて
コミュニケーション考えようというと、
ワンストップショッピングの方が
好都合であるというようなことになります。
従来、日本のビジネスモデルは時代遅れ、
死にゆく恐竜と、そしられた時期もありましたが、
インターネットの出現と進展によって、
この時代には一番ふさわしいビジネス形態なのではないかな
とも言われ始めてきており、
むしろアメリカが日本をやり方を真似し始めています。
そういった意味では、インターネットは
日本の広告界を後押しており、
これから大いに期待できると思われます。

分野: 出頭則行教授 |スピーカー:

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