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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 世界の広告産業と日本の広告産業

世界の広告産業と日本の広告産業

08/10/27

今回は、世界の広告産業と日本の広告産業の違い
についてお話します。
まず規模のお話しをするために、
広告への投資額について触れます。
ゼニスというメディア会社が最近発表した
2007年度統計によりますと、
全世界で日本円で換算すると、
50兆円位の広告投資がありました。
その内訳をみますと、国別で最大は
やはりアメリカで20兆円、日本が2番目で4兆5千億位。
3番目がドイツで3兆円。この3国がトップ3です。
実は広告費は統計のとり方で随分違ってしまいます。
因みに、電通統計によると、日本の広告費は
昨年、7兆円位と推計されていますが、
今回は統一性のためにゼニスの数字を使います。
地域別に見ると、アメリカ・カナダが入っている北米が
一番多くて39%。次が、ヨーロッパが31%、
アジアが19%となっています。この19%の内、
多くの部分が日本ということになります。
また、ブリックス(BRICs)と言われている新興国の
広告費の伸びは著しいものがあります。
やはり広告と経済成長というのは、
極めて相関性高いので、経済が伸びているところは、
広告費の伸長も非常に順調であるということがいえます。
製造業もそうですが、広告会社にとっても
海外進出は非常に大事なことで、
ブリックスを含めた海外進出は、
非常に重要な成長戦略になっています。
ロシアでも高級車が売れるようになってきていますし、
中国も消費財の広告の主戦場になりつつあります。
これまで日本の広告会社は、
ドメスティックな性格が強かったのですが、
少子高齢化で成熟化しており、
成長を海外に求めるというようになっています。
日本の広告会社の海外進出の現状は
どうかといえば、広告というのは、
車や電気製品とは少し違います。
いい車は、たとえ北極や南極でもどこでもいい車です。
電気製品も同様です。従って、
世界中で、いいものは売れます。
一方、広告は文化との相関性も極めて強いので、
車や電気製品のように
善し悪しがすぐ分かるものではありません。
従って、日本の広告産業の海外進出というのは、
自動車やエレクトロニクスのようにはいっておらず、
アメリカの広告産業に比べると、
今のところやはり出遅れています。
これは広告はソフトであることの難しさ
であると思われます。
アメリカは英語で広告を制作しており、
英語は世界語でもあるので、
その広告を海外に輸出できますが、
日本語の広告作品は、そのまま世界に
輸出できるわけではなく、言葉の壁というのは、
結構厚いということがいえます。
また、文化的な普遍性で言えば、
ハリウッドの超大作が世に出れば、
世界的なヒットになりますし、
アメリカのポップソングも、
アメリカでトップになったものは、
世界的なヒットになるというようなことがあります。
一方、日本もアニメーション、ファッション、
建築デザイン等々で、世界中で健闘していますが、
世界的現象になるというほどの、
普遍性・一般性を得るには至っていません。
一般消費者に対するインパクト
という面からいくと、日本文化に対して、
確かに強固なファンができつつあります。
ただ、影響力ということになると、
アメリカ、ヨーロッパ発信のものに比べると
まだまだというところがあります。
そういうことが、日本の広告産業が
なかなか世界に進出できない理由の一つでしょう。
とはいえ、決して絶望する必要はなく、
東アジアでの日系の広告代理業の
健闘ぶりは目を見張るものがあります。
東アジアの韓国、中国、台湾というのは、
いってみれば儒教圏・漢字圏でもあります。
こういった日本と文化基盤を
共有しているようなところは、
やはり日系の広告代理店が相当頑張っていて、
電通を例にとると、中国では1位か2位、
台湾でも総合では1位、
韓国でも上位に入っています。
その他にも、儒教圏ではないのですが、
インドネシアやタイでは、
相当上位を占めていますので、
今後日本の文化、日本のソフト発信というのが
もっと進んで、もっと世界に共有されて、
一般的な人達へのインパクトを強めていけば、
そのことが、将来的に日本の広告産業の
海外進出を支えていくように思われます。
アメリカにしてもヨーロッパにしても、
大手企業が進出する時に、
広告会社を一緒に連れてゆくことが
多く行われます。
一方、日本の企業は、海外進出においても、
郷に入ったら郷に従えというような風土が強く、
アメリカ行ったらアメリカの代理店、
ヨーロッパだったら、ヨーロッパの広告会社を
使うというように、ローカルに主体を
置いていく考え方が強いのです。
アメリカは、どちらかというと、
中央集権的なところがあるので、
マーケティングも中央集権であり、
自分のところの地元の代理店連れて行く形で、
世界進出が促されてきました。
日本の広告会社の海外進出が
遅れているのは、広告主とともに行く
というようなことがなかなか起きてない
ということも原因であろうと思われます。
日本の文化が普遍性を持って受け入れられてくれば、
広告会社の海外進出にも
まだまだ希望がもてます。
その良い例が東アジアにみてとれます。

分野: 出頭則行教授 |スピーカー:

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