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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 福岡市の近況 (財務戦略/村藤 功)

福岡市の近況 (財務戦略/村藤 功)

08/10/24

■福岡市の状況とこども病院移転

今日は、財務を含め、福岡市が今どういう状況になっているか、
お話させていただきたいと思います。
福岡市は結構大きいプロジェクトが山積している状況です。
例えば、アイランドシティのこども病院移転をどうするか、
限界を迎えつつある福岡空港をどうしようか、
などの話があります。

まず、こども病院ですが、最初は前市長の山崎氏が、
こども病院と市民病院を合わせてアイランドシティへ、
持って行こうという話をしていました。
それに対して、新しい吉田市長が、
本当に移転をした方がいいのかどうかという検討を始めました。
検討した結果、こども病院を、
アイランドシティにもって行くのはいいが、
市民病院はそのままにしようという話になりました。
当初は、自民党もぶつぶつ言っていましたが、
最近は民主党、公明党に、自民党も、
福岡市の結果に賛成しました。
そのため、とりあえず、こども病院が、
アイランドシティに移転するという話になりました。

実際移転するのは結構先の話です。
2011年に着工して、2013年に開院するということなので、
3年位経ってから着工して、5年位経ってから、
開院するという話です。
こども病院は、すごく古くなっていましたので、
これを何とか建て替えなければならない、
という問題は最初からありました。
それをアイランドシティに移すのか、
それとも、市の中央のどこかに建てるのか、
という問題はもともとあった訳です。
福岡市としては、アイランドシティを作ったので、
そこに持って行きたいという構想が組み立てられていました。

アイランドシティの開発を手がけている、
第三セクターの博多港開発という会社があります。
博多港開発はアイランドシティー開発のために、
銀行団からお金を借りていて、福岡市がそれを保証しています。
今回、どうやって病院を移転するかという案が、
なかなか決まらなかったので、博多港開発は、
福岡市に病院用の敷地を2007年度内に売れず、
2007年度に銀行団に約束していた土地処分目標額を、
達成できませんでした。
そのため、みずほなどのメガバンクが抜けてしまい、
その分を福岡銀行などの地銀が肩代わりしたという状況になっています。


■福岡市の中心部の容積率緩和問題
それから、福岡市内では中心部、特に2011年に博多駅が、
新しくなるということもあります。
一時、博多駅周辺の地価がすごく上がってしまい、
大騒ぎだったのですが、ここのところは、
不動産業界火が消えたようになってしまっています。
銀行も不動産には、お金を貸さない、
というようなことになったりしています。
そんな中で、福岡市としては去年の10月に、
容積率を上積みしようという話が出ました。
福岡市は空港が近いので、航空法の適用を受けて、
50mとか70mに建物の高さを制限されています。
この規制を福岡市が勝手に緩和できるかというと、
それは出来ないのですが、福岡市としての権限で、
容積率の緩和を出来るということで、
容積率を400%位上乗せして、天神や博多駅周辺の、
老朽化したビルを建て替えてもらおうという話が進んでいます。


■福岡空港の問題
そして、今話に出た福岡空港ですが、
航空機の受け入れ能力が限界を迎えつつあります。
福岡空港は飛行機が到着したり出発したりする時の、
処理能力の限界が、1年当り14万5千回と言われています。
今、それがもう14万2千回に達したということで、
将来どうしようかという話が出ています。
それに対して、今ある空港の西にもう一本滑走路を作るという話と、
それから、海の上に北九州のように、
新空港を作るという案と、2案が出ています。

現在の空港内に作るという話も、
現在の滑走路の東とか西とかいくつかあったり、
あるいは海の上に作る案というのも、
志賀島辺りや、新宮の辺りなど、色々な説があったりしました。
ところが、案が色々ありすぎると、訳が分かりません。
ということで、国土交通省が、空港の横に作る案と、
その海の上に作る案をそれぞれ一本化して、二つになりました。

二つにしぼった結果、財界はやはり新しい空港を、
海の上に作ろうという議論が多いようです。
海の上に空港を作れば、天神に高いビルを建てられる、
というようなことも1つはあると思います。
ただ、海の上の新空港は結構お金がかかります。
1兆円近くかかってしまうのです。
今の空港の滑走路の西側に2,500m位の滑走路を作ろう、
という案の場合は、2,000億円位で済みます。
やはり何分の一にも安くなる訳です。
あとは安全や騒音の問題でいうと、
今の福岡空港は市内の混み合ったところにあり、
騒音も出ることが問題でしょう。
九大でも、ロースクールは、上では飛行機が飛んでいて、
下では地下鉄が走っています。
法律の勉強をしていると、上と下から騒音でせめられている、
という困ったことになっているようです。
新空港であれば、現在より中心部から遠くなるため、
交通アクセスをどうするのかが問題です。


■福岡市の財政
最後に、福岡市の財政ですが、
現状は結構大変なことになっています。
中央政府も地方自治体も、
予算をとって使うということしかやってこなかったので、
バランスシートをちゃんと作っていませんでした。
そのため、今までは実態がよく分かりませんでした。
しかし、どうも福岡市の債券、銀行借入れを含む、
有利子負債残高が2兆6千億円位ある、
ということが分かってきました。
これは驚くべき大きさの数字です。

去年、地方財政健全化法という法案が成立し、
自治体は健全な財務を自分で、
維持しなければならないことになりました。
福岡市も何とか市債の発行額を減らして、
地方財政健全化法による早期健全化団体への転落を回避しようと、
色々バタバタしています。
今までは、政府が絶対に政令指定都市を潰すわけがないだろう、
と思われていました。
ムーディーズも、Aa1という、2番目に高い格付けをつけて、
絶対大丈夫と言っています。
しかし、発生主義や複式簿記、連結といった、
民間企業では用いられていた会計の考え方が、
政府セクターにも入ってこようとしています。
自治体の財務比率も、第三セクターや、
公社みたいなものまで含めて、連結で見よう、
という話になってきました。
既に公表されている個別の数字を全部合わせて、
計算してみると福岡市はお金を結構借りていることが、
明らかになってきたわけです。

福岡というところは、世界的にも注目され、
ポテンシャルは高いと思います。
しかし、それと、自治体がお金を借りている、
というのというのは別問題です。
福岡市は有利子負債の削減に取り組まなければなりません。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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