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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 08年夏アメリカMBA授業風景③ (経営学/久原正治)

08年夏アメリカMBA授業風景③ (経営学/久原正治)

08/10/13

■グローバルな視点欠如しているアメリカ人
今回はグローバリゼーションと急増する
アジアからの留学生についてお話します。
私のクラスにも、アジアからの留学生が4名おり
中国1人、インド2人、それからベトナム1人の
構成になっています。
私が2001年にアメリカで教え始めた頃は、
留学生はほとんどいませんでしたが、
近年大学の中でも留学生が目立つように
なってきており、最近になって
急増しているように思われます。
この理由の1つは、学校側がアメリカの大学というのは、
非常にドメスティックであるので、
やはり多様な学生をもっと
受け入れなければいけないということです。
2つ目の理由は、9.11以降からしばらくビザが厳しく、
留学生がなかなか入れなかったのが、
この1・2年で緩和されていることです。
3つ目の大きな理由は、アジアの若者が
急速にグローバル化しており、
昔はインド人や中国人が多かったのですが、
最近では、ベトナム、タイ、カンボジア、ラオス
といった若く元気がある人がアメリカに留学して、
MBAを取得し、英語を使ってアジアのビジネスで
活躍するといった需要が非常に
増えているように思われます。
日本人の留学生は私が5年間教えていて、
一度1人だけ見たことある程度です。
今年の私のクラスにはいませんでしたし、
学校側に日本人何人いますかと尋ねたところ、
ビジネススクールはゼロであるということで、
日本人はまずほとんど見ません。また、
近年シカゴやノースウエスタンといった
いわゆる名門のMBAでも、
日本人がだんだん相対的に減っています。
かつて私がアメリカのビジネススクールに行っていた
1970年代は、日本人の留学生が10人、
20人ずつ位名門校に行っていました。
これは当時のアジアでは
ずば抜けて多い人数でしたが、
現在では中国やインドの方が、
名門校でも多くなっていますし、
私が教えているような特殊な夜学ビジネススクールでは、
日本人は全く見ないといった状況です。
他のアジアの国の若者がグローバルなビジネスのために、
アメリカでMBA取って英語でやることが
重要だと感じているのに対して、
最近の日本人はどんどん内向きになっているように思われます。
そして、日本人以上にアメリカ人の方が内向きであり、
アメリカから出たことがない人が9割で、
パスポートを持っている人が7%と、
非常に国際的な知識に欠けています。
昨年の最初の授業で、私が日本から来たと言ったら、
あるアメリカ人の学生が
「日本は中国のどの辺にあるのかと」と質問してきました。
そういった所をみると、アメリカ人は
全くグローバルな視点が欠如しているように思われます。
従って、アメリカのトップクラスのエリートは
非常にグローバルに活動していますが、
普通の9割位の人は、日本と中国の区別もつかない位の
感じがあるとみてもいいのかもしれません。
前回もお話しましたが、MBAは「免許証」のようなもので、
キャリアをアップする為にはどうしても必要です。
学校側にグローバル化しなければという危機感があり、
アメリカのドメスティックな学生に
グローバル教育を行うということで、
留学生と一緒に授業を行ったり、
海外に短期で留学させたりといった努力をしています。

■教員はグローバル
教員に関して言うと、アメリカ人自体が、
特にビジネススクールでは、
現在少し世間で話題になっている投資銀行や
ITなどに行った方が高い給料もらえるのに、
わざわざビジネススクールの教員になる
アメリカ人はあまるりいません。そういう訳で、
ビジネススクールの教員の半数以上は、
インド、中国、韓国、ベトナム、それからイラン
などがおりますし、私が行っております
ディポール大学では、フランス人やスペイン人
などのヨーロッパの先生も多いです。
従って、金融学科専任の教員が20人いる内、
13、4人がアメリカ人以外であるといった状況です。
MBA教育というのは英語で、教科書も
様々なターミノロジーも英語でできており、
そこに私も含めた様々な国から来た先生が
非常になまりの多い英語で授業をやっており、
そこに様々な国の留学生がそれを英語で聞きます。
よって、英語というのは単なるコミュニケーションの手段、
ビジネスを通じさせる手段であって、
いわば符号のようなものです。

■共通的な教育内容
教育内容はMBAというと、非常に共通化してきており、
アメリカの一般的なテキストがあって、それに基づいて、
練習問題があり、アメリカの事例の問題でできています。
その中に最近では、様々なグローバルなものを入れています。
若干問題に思うのは、アジアの観点が
あまりアメリカのテキストにないので、
アメリカ型の経営がいかにも正しいように思われています。
例えば、最近のサブプライムでいえば、
投資銀行の金儲け主義というのが、
非常に合理性が高いものであるという
教え方がファイナンスでなされており、
本来のファイナンスの目的である、
様々な人に貢献するような金融という考え方は、
そのテキストに全然入っていません。
そういう部分はサブプライム問題なんかを考えると、
アメリカ的なMBA教育というのが、
果たしてこれでいいのか若干疑問があるように思われます。
従って、私の授業では、やはり日本的な価値みたいなものも、
アメリカ人に徹底的に議論させており、
投資銀行の金儲け主義は、徹底的に学生に
非難するような議論も行わせましたが、
非難しない人の方が多いのも事実です。
ただ、アメリカの非常に合理性がある
「お金で全ての結果をみるような仕組み」というのは、
これはこれで、若い人にとっては非常に分かりやすい
ということがあります。我々はそれに対して
どういう別の価値観があるかということを、
しっかりと論理的に提示していき、彼等の頭で
それを考えさせるということが必要になってきます。

分野: 久原正治教授 |スピーカー:

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